おはようございます。
10月10日ということで、今日は晴れの特異日だったんですが、
今日はどうでしょう。
まあ、遠い昔、東京オリンピックが開かれた日でもあるんですよねー。
まあ、最近は異常気象が普通になってきちゃったから・・・どういうもんでしょうね。
まあ、未だに暑いし・・・秋はどこへ行ってしまったんでしょうねー。
さて、というわけで、今日も飲み話にしちゃいましょうか。
少し前に、僕はいつものように、夕方4時頃から都内の「立ち飲み」でお酒を飲んでいました。
「でも、あれよね。ゆるちょさんとこういうところへ来ると、安心する感じがするわよねー」
と、仮名、ユキさん(30)は、ビールを飲みながら、豪快に笑っています。
「ユキさんは、「立ち飲み」大好きだもんね。ま、僕も大好きな場所でもあるけどさ」
と、僕もライムサワーを飲みながら、楽しそうに話します。
「ユキさんって、姉御って感じですからね。なにしろ、元ヤンだし」
と、少し酔って口の悪くなっている、ミサキちゃん(27)はグレープフルーツサワーで、赤くなっています。
「でもさー。元ヤンでも、ヘッドだったんでしょ?ユキさんは」
と、僕が素直に聞くと、
「まあねー。ヘッドって結構大変なんだよね。あれで・・・まあ、他の団体とのいざこざも収めなきゃならないし」
と、ユキさんは、そういう話題を特に気にする風でもなく、話してくれます。
「やっぱり、抗争とか、あったんですか?」
と、ミサキちゃん。
「そりゃあ、いろいろとね。ったって、千葉の田舎だからさ、団体だって、大きくないし、せいぜい、十何人って感じだったから」
と、ユキさんは、ことも無げに話します。
「相手のところに乗り込んだりしたわけ?やっぱり?」
と、僕は興味深そうに聞きます。
「まあね。そりゃあ、そういうことは何度もあったさ。信長は言ったんだろ、常に自分の領地の外へ出て戦えって。私、信長、好きなんだよねー」
と、ユキさんは赤くなった笑顔で話します。
「そういえば、ユキさんのマンションに行った時、信長本、漫画も含めて、たくさんありましたもんねー」
と、ミサキちゃんが補足してくれます。
「そうなんだ。まあ、信長も、言ってみりゃあ、ヤンキーのヘッドみたいなもんだからなあ」
と、僕は真面目に答えます。
「だろ?だから、ああいう強い男にあこがれるんだよ。世の男は皆弱くてさー。なんだか、自分を賭ける男がいない感じだよ、まったくー」
と、ユキさんはビールを飲みながら、じれったそうに話します。
「でも、ユキさんって、彼氏が出来ると、徹底的に尽くすタイプじゃないですか。前の彼氏も長かったし」
と、ミサキちゃん。
「へー、そうなんだ。尽くすタイプなんだー、ユキさん。ふーん」
と、マジマジとユキさんを見る僕です。
「そりゃあ、わたしだって一応おんなだから、そりゃあ、惚れた男には尽くすわよ。それがおんな道っていうか、わたしは、中途半端は嫌いだからね」
と、ユキさんは真面目に答えます。
「だって、デートの時に、普段は嫌いなスカートだって、履いたりするんですよね?ユキさんは」
と、ミサキちゃんが笑顔で暴露します。
「え?ユキさんが、スカート?普段、いつも黒いパンツスーツでビシっと決めているユキさんがスカート!へー」
と、僕が驚くと、
「そりゃあ、おめえ・・・好きな男がスカート姿になって欲しいって言えば、尽くすのが女の道だろう!」
と、少し赤くなったユキさんは、お酒のせいではないようです。
「え?ってことは、スカートに合わせてパンプスとか、履いちゃうわけ?普段、あんだけ嫌いだって言ってるのに」
と、僕が突っ込むと、
「そりゃ、まあ、TPOは守らねえといけねえだろ。履くよ、パンプスも・・・」
と、ユキさんは、さらに真っ赤になります。
「ほーんと、惚れたら尽くし抜くタイプですよね。ユキさんは」
と、ミサキちゃんにいいように言われています。
「俺は中途半端が嫌いなんだよ。確かにスカート履いたり、パンプス履いたりなんてのは、大嫌いだけど、好きな男がそういう姿が見たいっつーんだから、それはそれよ」
と、ユキさんは、赤くなりながらも、堂々と反論します。
「なるほどねー。というか、元ヤンだからこそ、筋が一本ちゃあんと通っている感じだね。ある意味、気持ちのいい男だなあ」
と、僕が言うと、
「だろ。ゆるちょさんなら、わかってくれると思ってたんだー」
と、急に笑顔になるユキさんです。
「おんなは、よ。ハートだよ。ハート。まあ、見てくれも大事だけどよ、やっぱハートをわかってくれる、強ええ男じゃねーと、尽くしがいがねーよ」
と、ユキさんは、ハムカツを頬張りながら、話します。
「だから、俺は弱い男とか、弱いおんなとか、大っ嫌いなんだよ。あいつら、やってること中途半端じゃねーか。人間はビシっとしてねえと、よ。いやなんだよ」
と、ユキさんは持論を述べます。
「ふーん、で、ユキさんは、前の彼氏とは、どうして別れちゃったわけ?」
と、僕が興味深いあたりを直接聞きます。
「うわ、すごーい、ユキさんの弱点にツッコミー」
と、ミサキちゃんが嬉しそうに笑っています。
「浮気してたんだよ。相手がよ。それが見た目もかわいい、弱々しい女と浮気しくさって、挙句の果てに、「俺がいねえとダメなんだ、こいつ」なんて言いやがって」
と、ユキさんは、少し元気なく言葉にします。
「俺は去る者は追わず、だからよ。相手のやりたいように、やらせてやったのよ」
と、ユキさんは、寂しそうに言葉にします。
「そうだったんだ・・・その彼氏もひどい事するねえ」
と、僕が言うと、
「いいんだよ。お情けで、一緒にいられたって、こっちが迷惑だ。好きな男に好きなようにさせてやる。それがおんなの道よ。違うかい?」
と、ユキさんは、少し酔いが回った感じで、しゃべります。
「さすが、ユキさんだなあ・・・嫉妬だって、すごいだろうに。だって、ユキさんだって、普通におんななんだから・・・」
と、僕。
「そういうところを見せないのが、ユキさんですもんね。でも、あの時は、号泣してましたよね。ユキさんは」
と、訳知り顔のミサキちゃんです。
「いいんだよ。泣きたい時に号泣出来るのが女の特権だよ。そう、思わない?ゆるちょさん」
と、ユキさんは僕に振ります。
「そうだね。泣いて気が済むなら、どんどん泣けばいいんだよ。ま、僕も泣き虫だし、人のこと言えないからね」
と、僕は笑います。
「俺は思うけど、本当に強い男ってのは、自分の弱みをさらけだしても、へーきな顔してる奴だと思う。それ、さらしても、どこ吹く風な涼しい顔で笑ってる、そんな男」
と、ユキさんはポテトサラダを食べながら強く言う。
「ゆるちょさんは、それに近い気がするな。俺は」
と、ユキさんは、少し照れながら、言葉にする。
「えー、今、ユキさん、ゆるちょさんに告白しませんでしたー?」
と、すかさずミサキちゃんが突っ込む。
「告白なんかじゃねーよ。男として、強いんじゃねーの?って確認したまでよ」
と、ユキさんは、すかさず反論。
「うーん、どうかな。僕なんかより、強い男はこの世にたくさんいると思うけどな。ただ・・・」
と、僕。
「ただ?」
と、ユキさん。
「サラリーマンでいる時よりは、随分強くなった気がする。一匹狼になって、随分と苦難にひとりで立ち向かってきたから・・・」
と、僕。
「誰も守ってくれないからね。自分で毎日戦うしかないもの、今の仕事は。だから、その分、自然に強くはなったんじゃないのかな」
と、僕。
「まあ、でも、ユキさんのおんな道・・・中途半端は嫌いってのは、わかる気がするなあ」
と、僕は話を変える。
「だろ。何事も中途半端はいけねえと思いますよ。わたしは・・・」
と、ユキさん。
「でも、ユキさんは、強いから中途半端は嫌いでいいけど、わたしなんか、まだまだ、中途半端になっちゃうことばかりだけどなー」
と、ミサキちゃん。
「例えば?」
と、僕。
「恋人が出来れば、すぐ甘えちゃうし、そのやさしさにすがっちゃうし、優しくして欲しいし。でも、女性と一緒に飲んだ、なんて聞くと嫉妬して怒っちゃうし」
と、ミサキちゃん。
「うーん、女性が嫉妬するのは、仕方ないんじゃないかな。嫉妬する生き物なんだし、女性は」
と、僕。
「まあ、それは生き方の問題なんじゃないか?嫉妬する姿を恋人に見せるのを選ぶか、見せないようにするのが、自分の美学なのか・・・」
と、ユキさん。
「ユキさんは、嫉妬するところを見せないのが、自分の美学ということ?」
と、僕は聞く。
「まあな。そういう美学のある奴と、無い奴の違いじゃねーの?」
と、ユキさんは、ばっさり切り捨てる。
「別に私だって、美学はありますよ。ただ、女性って、弱いモノでしょ?って言ってるんです。皆がユキさんみたいに、強いわけじゃないってことです」
と、ミサキちゃんは、珍しく強く反論します。、
「女性が弱いなんて誰が決めたんだよ。それは自分でその弱さに逃げ込む為の理由づけに過ぎないだろ。逃げこんでっから強くなれないんだよ」
と、ユキさんは、にべもありません。
「だって、弱さに逃げ込みたくも、なりますよ。世界は弱い男ばかり、自分のことしか考えない、周囲を恐る恐る覗いている、そんな弱い男ばかりじゃないですか!」
と、少しキレ気味のミサキちゃん。
「自分のことばかり、いっつも正当化して、いつも周囲を悪者にするだけ。そんな最低な男ばかり。いっつも悪いのはわたしなんだから!」
と、ミサキちゃんは何かに怒っているよう。
「ミサキちゃん、最近、なんかあった?好きな男と喧嘩したとか?」
と、僕はわざと地雷を踏みに行きます。
「多少いいかなと思った男と飲みに行ったんです。っていうか、デートしたんですよ。そしたら、最低な男で、飲んでる最中に言い合いになって、怒って帰って来たんです」
と、ミサキちゃんはちゃんと説明してくれます。
「なるほどね。そういうことがあったら、かみつきたくもなるよね。実際」
と、僕。
「ふーん、そんなことがあったのか、ミサキ・・・」
と、ユキさんも思案顔。
「すいません。つい、大声出しちゃって・・・ちょっとその男の事、思い出しちゃって」
と、ミサキちゃん。
「具体的には、どんなことがあったの?ミサキちゃんと言い合いになるなんて・・・普段の聡明なミサキちゃんからは、あまり考えられないから」
と、僕。
「なんていうのかな。自分を正当化ばかりする男だったんですよ。あの時は俺は悪くない、奴が悪いんだ・・・みたいな話ばかりするもんだから、次第に腹が立ってきて」
と、ミサキちゃん。
「そんなことしてたら、いつまで経っても、自分が成長しないじゃないですか。自分を客観視する癖をつけなきゃ。そうしないと成長出来ない」
と、ミサキちゃん。
「誰だって間違いを犯すもんです。その間違いを間違いだって認めるから、それを直す方向に一歩踏み出せる。踏み出せるから成長が始まる、違いますか?」
と、冷静にミサキちゃん。
「そうだね。それは正しい考え方だ」
と、静かな表情のユキさん。
「それが出来ない男なんて・・・生き方の基本さえ出来てない男でしょう?だから、わたしは、怒ったんです。いや、怒ったのさえ、無駄だわ。意味がないもの」
と、ミサキちゃん。
「期待してたから、怒っちゃったんだわ。そんな男、怒るにも、値しないわ。ほんと、それが今わかった」
と、ミサキちゃんは、少しふてくされながら、新たに取った、ピンクグレープフルーツサワーをぐいっと飲み干します。
「おじさーん、次、ライムサワーください!」
と、ミサキちゃんは、意図的に表情を変えて、いい笑顔で言いました。
「言うだけ言ったら、少しせいせいしたわ。ね、気分を変えて、飲み直しましょう!」
と、ミサキちゃんは、いい笑顔で、僕とユキさんに言います。
「そうだね。せっかくゆるちょさんと飲んでるんだから、楽しく飲まないと、ね」
と、ユキさんも、やさしい笑顔です。
「僕も両手に華だからな。それを楽しまないと」
と、僕も、鶏レバーをむしゃむしゃ食べながら、ライムサワーでそれを流し込むのでした。
夕方5時過ぎの都会の空は、まだまだ、明るさを保っているのでした。
おしまい。
まあ、しかし、社会には、いろいろな人がいて、いろいろおしゃべりしているのが、楽しかったりもしますねー。
過去がどうあれ、今、しあわせを求めて生きる人々がいる。
そういう人たちと話しているのが楽しい・・・僕はそんな感じで生きていますねー。
まあ、どういう団体であろうと、トップに立てる人間というのは、それだけ人々からの信頼もあるし、ひとをまとめる力があるわけで、
じゃあ、なぜ、そうなるのか・・・という疑問を持ちながら話していると、その理由が透けて見えてくるもんだ・・・ということに気づく事が出来ますね。
なかでも、やっぱり、大切なのは、オトコマエであること・・・女性も男性も・・・だと思いますね。
ま、おしゃべりしていると、いろいろな事に気づけるもんです。
おしゃべり、大事ですよねー。
さてさて、今日は木曜日。
週末も、もうすぐですね。
なんだか、最近、一週間が速いです。
なんか、すぐに年末が来そうですねー。
ま、のんびり仕事をやっていきましょう!
ではでは。
10月10日ということで、今日は晴れの特異日だったんですが、
今日はどうでしょう。
まあ、遠い昔、東京オリンピックが開かれた日でもあるんですよねー。
まあ、最近は異常気象が普通になってきちゃったから・・・どういうもんでしょうね。
まあ、未だに暑いし・・・秋はどこへ行ってしまったんでしょうねー。
さて、というわけで、今日も飲み話にしちゃいましょうか。
少し前に、僕はいつものように、夕方4時頃から都内の「立ち飲み」でお酒を飲んでいました。
「でも、あれよね。ゆるちょさんとこういうところへ来ると、安心する感じがするわよねー」
と、仮名、ユキさん(30)は、ビールを飲みながら、豪快に笑っています。
「ユキさんは、「立ち飲み」大好きだもんね。ま、僕も大好きな場所でもあるけどさ」
と、僕もライムサワーを飲みながら、楽しそうに話します。
「ユキさんって、姉御って感じですからね。なにしろ、元ヤンだし」
と、少し酔って口の悪くなっている、ミサキちゃん(27)はグレープフルーツサワーで、赤くなっています。
「でもさー。元ヤンでも、ヘッドだったんでしょ?ユキさんは」
と、僕が素直に聞くと、
「まあねー。ヘッドって結構大変なんだよね。あれで・・・まあ、他の団体とのいざこざも収めなきゃならないし」
と、ユキさんは、そういう話題を特に気にする風でもなく、話してくれます。
「やっぱり、抗争とか、あったんですか?」
と、ミサキちゃん。
「そりゃあ、いろいろとね。ったって、千葉の田舎だからさ、団体だって、大きくないし、せいぜい、十何人って感じだったから」
と、ユキさんは、ことも無げに話します。
「相手のところに乗り込んだりしたわけ?やっぱり?」
と、僕は興味深そうに聞きます。
「まあね。そりゃあ、そういうことは何度もあったさ。信長は言ったんだろ、常に自分の領地の外へ出て戦えって。私、信長、好きなんだよねー」
と、ユキさんは赤くなった笑顔で話します。
「そういえば、ユキさんのマンションに行った時、信長本、漫画も含めて、たくさんありましたもんねー」
と、ミサキちゃんが補足してくれます。
「そうなんだ。まあ、信長も、言ってみりゃあ、ヤンキーのヘッドみたいなもんだからなあ」
と、僕は真面目に答えます。
「だろ?だから、ああいう強い男にあこがれるんだよ。世の男は皆弱くてさー。なんだか、自分を賭ける男がいない感じだよ、まったくー」
と、ユキさんはビールを飲みながら、じれったそうに話します。
「でも、ユキさんって、彼氏が出来ると、徹底的に尽くすタイプじゃないですか。前の彼氏も長かったし」
と、ミサキちゃん。
「へー、そうなんだ。尽くすタイプなんだー、ユキさん。ふーん」
と、マジマジとユキさんを見る僕です。
「そりゃあ、わたしだって一応おんなだから、そりゃあ、惚れた男には尽くすわよ。それがおんな道っていうか、わたしは、中途半端は嫌いだからね」
と、ユキさんは真面目に答えます。
「だって、デートの時に、普段は嫌いなスカートだって、履いたりするんですよね?ユキさんは」
と、ミサキちゃんが笑顔で暴露します。
「え?ユキさんが、スカート?普段、いつも黒いパンツスーツでビシっと決めているユキさんがスカート!へー」
と、僕が驚くと、
「そりゃあ、おめえ・・・好きな男がスカート姿になって欲しいって言えば、尽くすのが女の道だろう!」
と、少し赤くなったユキさんは、お酒のせいではないようです。
「え?ってことは、スカートに合わせてパンプスとか、履いちゃうわけ?普段、あんだけ嫌いだって言ってるのに」
と、僕が突っ込むと、
「そりゃ、まあ、TPOは守らねえといけねえだろ。履くよ、パンプスも・・・」
と、ユキさんは、さらに真っ赤になります。
「ほーんと、惚れたら尽くし抜くタイプですよね。ユキさんは」
と、ミサキちゃんにいいように言われています。
「俺は中途半端が嫌いなんだよ。確かにスカート履いたり、パンプス履いたりなんてのは、大嫌いだけど、好きな男がそういう姿が見たいっつーんだから、それはそれよ」
と、ユキさんは、赤くなりながらも、堂々と反論します。
「なるほどねー。というか、元ヤンだからこそ、筋が一本ちゃあんと通っている感じだね。ある意味、気持ちのいい男だなあ」
と、僕が言うと、
「だろ。ゆるちょさんなら、わかってくれると思ってたんだー」
と、急に笑顔になるユキさんです。
「おんなは、よ。ハートだよ。ハート。まあ、見てくれも大事だけどよ、やっぱハートをわかってくれる、強ええ男じゃねーと、尽くしがいがねーよ」
と、ユキさんは、ハムカツを頬張りながら、話します。
「だから、俺は弱い男とか、弱いおんなとか、大っ嫌いなんだよ。あいつら、やってること中途半端じゃねーか。人間はビシっとしてねえと、よ。いやなんだよ」
と、ユキさんは持論を述べます。
「ふーん、で、ユキさんは、前の彼氏とは、どうして別れちゃったわけ?」
と、僕が興味深いあたりを直接聞きます。
「うわ、すごーい、ユキさんの弱点にツッコミー」
と、ミサキちゃんが嬉しそうに笑っています。
「浮気してたんだよ。相手がよ。それが見た目もかわいい、弱々しい女と浮気しくさって、挙句の果てに、「俺がいねえとダメなんだ、こいつ」なんて言いやがって」
と、ユキさんは、少し元気なく言葉にします。
「俺は去る者は追わず、だからよ。相手のやりたいように、やらせてやったのよ」
と、ユキさんは、寂しそうに言葉にします。
「そうだったんだ・・・その彼氏もひどい事するねえ」
と、僕が言うと、
「いいんだよ。お情けで、一緒にいられたって、こっちが迷惑だ。好きな男に好きなようにさせてやる。それがおんなの道よ。違うかい?」
と、ユキさんは、少し酔いが回った感じで、しゃべります。
「さすが、ユキさんだなあ・・・嫉妬だって、すごいだろうに。だって、ユキさんだって、普通におんななんだから・・・」
と、僕。
「そういうところを見せないのが、ユキさんですもんね。でも、あの時は、号泣してましたよね。ユキさんは」
と、訳知り顔のミサキちゃんです。
「いいんだよ。泣きたい時に号泣出来るのが女の特権だよ。そう、思わない?ゆるちょさん」
と、ユキさんは僕に振ります。
「そうだね。泣いて気が済むなら、どんどん泣けばいいんだよ。ま、僕も泣き虫だし、人のこと言えないからね」
と、僕は笑います。
「俺は思うけど、本当に強い男ってのは、自分の弱みをさらけだしても、へーきな顔してる奴だと思う。それ、さらしても、どこ吹く風な涼しい顔で笑ってる、そんな男」
と、ユキさんはポテトサラダを食べながら強く言う。
「ゆるちょさんは、それに近い気がするな。俺は」
と、ユキさんは、少し照れながら、言葉にする。
「えー、今、ユキさん、ゆるちょさんに告白しませんでしたー?」
と、すかさずミサキちゃんが突っ込む。
「告白なんかじゃねーよ。男として、強いんじゃねーの?って確認したまでよ」
と、ユキさんは、すかさず反論。
「うーん、どうかな。僕なんかより、強い男はこの世にたくさんいると思うけどな。ただ・・・」
と、僕。
「ただ?」
と、ユキさん。
「サラリーマンでいる時よりは、随分強くなった気がする。一匹狼になって、随分と苦難にひとりで立ち向かってきたから・・・」
と、僕。
「誰も守ってくれないからね。自分で毎日戦うしかないもの、今の仕事は。だから、その分、自然に強くはなったんじゃないのかな」
と、僕。
「まあ、でも、ユキさんのおんな道・・・中途半端は嫌いってのは、わかる気がするなあ」
と、僕は話を変える。
「だろ。何事も中途半端はいけねえと思いますよ。わたしは・・・」
と、ユキさん。
「でも、ユキさんは、強いから中途半端は嫌いでいいけど、わたしなんか、まだまだ、中途半端になっちゃうことばかりだけどなー」
と、ミサキちゃん。
「例えば?」
と、僕。
「恋人が出来れば、すぐ甘えちゃうし、そのやさしさにすがっちゃうし、優しくして欲しいし。でも、女性と一緒に飲んだ、なんて聞くと嫉妬して怒っちゃうし」
と、ミサキちゃん。
「うーん、女性が嫉妬するのは、仕方ないんじゃないかな。嫉妬する生き物なんだし、女性は」
と、僕。
「まあ、それは生き方の問題なんじゃないか?嫉妬する姿を恋人に見せるのを選ぶか、見せないようにするのが、自分の美学なのか・・・」
と、ユキさん。
「ユキさんは、嫉妬するところを見せないのが、自分の美学ということ?」
と、僕は聞く。
「まあな。そういう美学のある奴と、無い奴の違いじゃねーの?」
と、ユキさんは、ばっさり切り捨てる。
「別に私だって、美学はありますよ。ただ、女性って、弱いモノでしょ?って言ってるんです。皆がユキさんみたいに、強いわけじゃないってことです」
と、ミサキちゃんは、珍しく強く反論します。、
「女性が弱いなんて誰が決めたんだよ。それは自分でその弱さに逃げ込む為の理由づけに過ぎないだろ。逃げこんでっから強くなれないんだよ」
と、ユキさんは、にべもありません。
「だって、弱さに逃げ込みたくも、なりますよ。世界は弱い男ばかり、自分のことしか考えない、周囲を恐る恐る覗いている、そんな弱い男ばかりじゃないですか!」
と、少しキレ気味のミサキちゃん。
「自分のことばかり、いっつも正当化して、いつも周囲を悪者にするだけ。そんな最低な男ばかり。いっつも悪いのはわたしなんだから!」
と、ミサキちゃんは何かに怒っているよう。
「ミサキちゃん、最近、なんかあった?好きな男と喧嘩したとか?」
と、僕はわざと地雷を踏みに行きます。
「多少いいかなと思った男と飲みに行ったんです。っていうか、デートしたんですよ。そしたら、最低な男で、飲んでる最中に言い合いになって、怒って帰って来たんです」
と、ミサキちゃんはちゃんと説明してくれます。
「なるほどね。そういうことがあったら、かみつきたくもなるよね。実際」
と、僕。
「ふーん、そんなことがあったのか、ミサキ・・・」
と、ユキさんも思案顔。
「すいません。つい、大声出しちゃって・・・ちょっとその男の事、思い出しちゃって」
と、ミサキちゃん。
「具体的には、どんなことがあったの?ミサキちゃんと言い合いになるなんて・・・普段の聡明なミサキちゃんからは、あまり考えられないから」
と、僕。
「なんていうのかな。自分を正当化ばかりする男だったんですよ。あの時は俺は悪くない、奴が悪いんだ・・・みたいな話ばかりするもんだから、次第に腹が立ってきて」
と、ミサキちゃん。
「そんなことしてたら、いつまで経っても、自分が成長しないじゃないですか。自分を客観視する癖をつけなきゃ。そうしないと成長出来ない」
と、ミサキちゃん。
「誰だって間違いを犯すもんです。その間違いを間違いだって認めるから、それを直す方向に一歩踏み出せる。踏み出せるから成長が始まる、違いますか?」
と、冷静にミサキちゃん。
「そうだね。それは正しい考え方だ」
と、静かな表情のユキさん。
「それが出来ない男なんて・・・生き方の基本さえ出来てない男でしょう?だから、わたしは、怒ったんです。いや、怒ったのさえ、無駄だわ。意味がないもの」
と、ミサキちゃん。
「期待してたから、怒っちゃったんだわ。そんな男、怒るにも、値しないわ。ほんと、それが今わかった」
と、ミサキちゃんは、少しふてくされながら、新たに取った、ピンクグレープフルーツサワーをぐいっと飲み干します。
「おじさーん、次、ライムサワーください!」
と、ミサキちゃんは、意図的に表情を変えて、いい笑顔で言いました。
「言うだけ言ったら、少しせいせいしたわ。ね、気分を変えて、飲み直しましょう!」
と、ミサキちゃんは、いい笑顔で、僕とユキさんに言います。
「そうだね。せっかくゆるちょさんと飲んでるんだから、楽しく飲まないと、ね」
と、ユキさんも、やさしい笑顔です。
「僕も両手に華だからな。それを楽しまないと」
と、僕も、鶏レバーをむしゃむしゃ食べながら、ライムサワーでそれを流し込むのでした。
夕方5時過ぎの都会の空は、まだまだ、明るさを保っているのでした。
おしまい。
まあ、しかし、社会には、いろいろな人がいて、いろいろおしゃべりしているのが、楽しかったりもしますねー。
過去がどうあれ、今、しあわせを求めて生きる人々がいる。
そういう人たちと話しているのが楽しい・・・僕はそんな感じで生きていますねー。
まあ、どういう団体であろうと、トップに立てる人間というのは、それだけ人々からの信頼もあるし、ひとをまとめる力があるわけで、
じゃあ、なぜ、そうなるのか・・・という疑問を持ちながら話していると、その理由が透けて見えてくるもんだ・・・ということに気づく事が出来ますね。
なかでも、やっぱり、大切なのは、オトコマエであること・・・女性も男性も・・・だと思いますね。
ま、おしゃべりしていると、いろいろな事に気づけるもんです。
おしゃべり、大事ですよねー。
さてさて、今日は木曜日。
週末も、もうすぐですね。
なんだか、最近、一週間が速いです。
なんか、すぐに年末が来そうですねー。
ま、のんびり仕事をやっていきましょう!
ではでは。