Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

合コン(1)

2013-08-14 01:00:00 | 雪3年1部(映画後~合コン)


大学の近くにあるレストランで、河村亮は絶賛アルバイト中だった。

しかしその大雑把な接客態度で、今日だけで既に三件も苦情が上がっている。



上司はその様子を影から窺いながら、それでも損ばかりでは無いと確信していた。

しかしまた女性客から、カップをぞんざいに置いた亮の接客態度に対してクレームが入る。



しかし亮は、真摯な態度で謝罪した。

新人で不慣れなものですみません、これから努力しますと。



その態度と表情に、女性客は頬を染めながら言った。「毎日チェックしに来る」と。

手慣れた対応に、上司はうちの店の看板ウエイターになるかもしれないと、満足そうに頷いていた。



その証拠に、亮が歩くと道行く人は皆振り返って行く。

確かにその存在は異質だった。

するとドアから、一組のカップルが入って来た。



喫煙席に案内されそうになるも、女の方が「タバコはちょっと‥」と言うので、



二人は禁煙席に移動した。

亮は女に見覚えがあった。地下鉄のホームで会って以来だ。



誰かと思えば、青田淳の女じゃないか。

亮は面白くなりそうだと、一人ニヤリと笑った。







雪は合コン相手を前に、先日の聡美の言葉を思い出していた。

「この人マジでいい人らしいし!これからの人生、またとないホットガイ!!」



男は、改めて自己紹介しますと切り出した。

又斗内と申します。お会いできて光栄です。斗内さんと呼んで下さい」



男は”また とない”という名だった。た、確かに今までの人生に会ったことのない、またとないホットガイ‥。

金のネックレスも指輪も腕時計も華美な印象だったが、何よりも笑顔がクドイ‥。



雪はそのギンギラギンな印象に、一人目を覆った‥。



確か聡美から見せてもらった写メは‥↓



微妙に違うような違くないような‥と雪は戸惑いを隠せない。



ガンガン会話をリードされるのにも若干、ついていけなかった。

(又斗内は雪の着ているワンピを見て「鈴蘭の妖精のようだ」と言ったが、雪はちっとも嬉しくなかった)



話題は雪の通っているA大学の話になり、斗内は成績の良い雪を褒め称えた。

雪は会話の糸口が掴めたので、聡美から聞いていた又斗内の事前情報、”留学経験がある”ことを話題に出してみる。

すると斗内は得意気に、「近頃は留学なんて基本でしょ?」と言った。


「雪さんも語学研修くらいは行ったことあるでしょう?どこの国?」「えっ?」



まだ行ったことがないと言う雪に、斗内は国内ばかりに居過ぎると息苦しい、海外に出るべきだと強い口調で言った。

何の疑いも無く物事の価値観を断定の口調で話す彼に、雪は閉口する。



その後斗内は自分の肌の黒さを自慢したり(日サロで焼いているそうだ)、

通っているフィットネスクラブで撮ったプロフィール写真を見に来てくれと言ったり、

力こぶを作って、触ってみても良いんですよと勧めて来たりした。



斗内はフィットネスクラブの話題から、スポーツのことへと話を流していった。

ゴルフはやるのか、スカッシュはどうだ、スキューバダイビングはやったことがあるか‥。



しかし全ての質問の雪の答えはNOだったので、斗内は黙り込んだ。


店内には、落ち着いたピアノ曲が流れている。

斗内は続けて、ピアノは弾いたことはあるかと聞いてきた。



雪は幼少時に少しやったことがある、と答えると、斗内は今流れている曲についての言及を始めた。

ショパンのノクターン第二番。

ペラペラと知識をひけらかす斗内に、苛立ちを感じているのは雪だけでは無かった。



亮は影からその会話を聞いて、聞き苦しいトリビアに青筋を立てていた。



斗内は、ショパンの言及から旅行についてへ会話を広げていく。

旅行でなら海外に行ったことがあるだろう、フランス、ヨーロッパ‥どこへ行ったことがあるかと聞いてきた。



しかし雪の答えは依然としてNOだった。今まで地道に勉学に励んできた雪は、海外に出たことが無かったのだ。

すると斗内が大きく溜息を吐きながら言った。

あからさまな落胆をその顔に表しながら。

「それじゃあ今まで何して生きてきたんですか?つまらない人生ですね」







雪は一瞬何を言われたのか理解出来なかった。

けれどつまらない人生を送りたくて送っている人など居ないと、強く思う。

沸々と怒りが湧いて来て、雪は爆発しそうな感情を必死に堪えた。

これも紹介してくれた、聡美の顔を立てるためだ。



雪は何とか違う話題を探そうと脳内googleを働かせた。すると一つの検索結果が浮かび上がった。

「あ、料理!料理は好きですか?」「お、料理か!好きですよ!」



斗内が食いついて来た。

雪は特に自分が得意なわけではないが、母親が麺料理の店を営んでいるのでそこで習ったと言う。

すると斗内は、イタリア人の友人が営んでいるレストランの、トマトソースが忘れられないと思い出を辿るように言った。



また二人の距離は急激に遠くなる。

雪が「うちは宴麺屋です」と言うと、斗内はドン引きした。

「ええ?それって近所の年寄りが食べる物でしょ?」



ブチッ



とうとう雪の、堪忍袋の緒が切れた。

思わず立ち上がり文句を捲し立てようとすると、一際大きな笑い声が別の方向から聞こえてくる。



コントじゃねーんだから、とその人物は笑いを堪えながら言った。

雪はその姿を見て息を飲む。



目の前に立っていたのは、”青田淳の友達”の、あの男だった。



亮は、今のこの状況を面白可笑しく思っていた。

淳と何か関係ありそうだと思ったのに、そうめんにケチャップ混ぜて食べるような舌の腐った野郎と会ってるなんて、

失望したと言いながらも。

「お前は他とは違う何かを秘めてると思ってたのに‥ガッカリだぜ」



「なっ‥」




それは赤山雪と河村亮の、二度目のコンタクトだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<合コン(1)>でした。

雪のお母さんの営んでいるのは「宴麺屋」さんだそうで。

宴麺とは‥小麦粉で作った麺を魚介のダシを取ったスープに入れて食べる料理。

結婚式や誕生日など祝の席で振舞われることも多い。



日本で言うところのそば、麺の種類はそうめんという感じですかね。

*8月15日訂正追記

あと探してみると宴麺にケチャップを混ぜた料理、ありました‥。

SAさんよりご指摘頂きました!コメント本分より↓
写真の赤いのは韓国のゴチュジャンソースをベースにしたビビンクックスだと思います。
あっちでは結構メージャーな食べ物です。夏の麺類は大体あのソースのが定番だと^^。。




ということで、ケチャップだと思っていたのはビビンクックスという旨辛ソースでした‥!

間違った情報を載せてしまって申し訳ありませんでした。

これからもどうぞよろしくお願いします!


次回は<合コン(2)>です。


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5 Comments

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濃い(-_-;) (tea)
2013-08-14 14:40:45
この回濃いすぎでなかなか直視できないですね(-_-;)
yukkanenさんのケチャップ麺の写真を探して下さるのはビックリして嬉しかったですが、これをまたとないとのセットで考えると胸焼けが。。。

チートラって嫌な役柄は救いようなく嫌な感じで容赦ないですよね。
和美や真似っこちゃん、横山なんか特に。

そうそう、ずっと気になってたのですが、yukkanenさんは文章を勉強されてたみたいですが、執筆済みの小説とかを他のブログに投稿されてたりしますか?
お友達の旦那さんが小説をブログに載せてるのでもしかしたらと気になってました。
返信する
ケチャップ麺 (Yukkanen)
2013-08-14 15:37:26
>teaさん

ケチャップ麺にコメントありがとうございます!
本当に、アレ+又斗内=胸やけモンですね。。
いや~又斗内‥ナイわ~(しみじみ)

確かに悪役は徹底的に嫌なやつが多いですね!
でもこれも私、チートラの人物設定に芯が通ってるからだと思うんですよね。
例えば、この合コンの後、淳が亮に電話する場面があるじゃないですか。あそこで淳が言いますよね、「どうして人間は人が当たり前のように変われるとばかり思っているんだろう」って。
おそらく、悪い人が簡単に改心したり善い行いをする流れになったりするのは所詮フィクションで、現実には考えが違いすぎて理解出来なかったり、そうやって育ってきたことが「正しい」と信じて暮らしている人が大勢いる、だから悪役は読者から見たら嫌な奴だけど、本人達からしたら真っ当に生きているだけ、という状況になっているのかなぁと。
悪役が出てくると嫌な気持ちになるけど、これも作者さんの繊細過ぎるチートラの世界観だと思って楽しんでいます。。
なんだか長文になってしまってすみません!

小説は大学の頃書いていただけで、ブログやwebなどに投稿したことはないんですよ~。
今はとにかくチートラに全力投球してます。。
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なるほど! (tea)
2013-08-14 22:18:27
本当にyukkanenさんのおっしゃる通りです。
現実的に考えて、分かり合えない人とはこちら側がどう歩み寄っても分かり合えなかったりすることが多々ありますよね。
相手が「間違えを認めたから、明日から変わるね」ってことはほぼありえないです。。
相手からしても、こちらの方が理解不能だったりもするし。。
なるほどです

交流分析学では、人間関係で問題を抱えた時にまず基本に「他人と過去は変えれない」を念頭において自分が発想の転換とか色々な方法で変わらないといけないらしいです。

ちなみに、私の大学の専攻は経済です。以前コメで誤解されてたようで
心理学は友人が資格をとるための講座に私も興味があってくっついて受講してるだけなのです

ほんと、あちこち現れて長々偉そうにとすみません
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Unknown (りんご)
2013-08-14 23:45:28
麺美味しそう
音楽にお料理まで…!
ただでさえ面白いブログなのに、色々な情報まで与えてくださり感激でございます…!
文面からもYukkanenさんの優しいお人柄が伝わってきます。ファンです。

とないちゃん、いいキャラだ…☆憎めない^ ^
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Unknown (Yukkanen)
2013-08-15 20:03:52
>teaさん

teaさんは経済学専攻でらしたのですね!
経済と経営はまた違うのかしら?雪や先輩の授業の様子とか、懐かしく思う感じですか?

心理学にも縁があってらっしゃって、すごいなぁと感心しきりです!
こうして考えてみると、チートラは心理学のテキストにもなりそうですよね~。登場人物が皆何かしらのものを抱えているというか‥。

いつでも遊びに来て下さいね~(^^)

>りんごさん

なんとあのケチャップ麺だと思っていた料理は韓国の旨辛ソースのメジャー料理だったそうです‥!
間違った情報をお届けしてしまって申し訳ありません‥!
とないちゃん‥とないちゃんか‥。
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