Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

接触

2013-07-30 01:00:00 | 雪3年1部(二人の写メ~映画)
「何だって?」



健太先輩が素っ頓狂な声を上げた。

それもそのはず。

雪は言ったのだ。「恵のことを、諦めてもらいたい」と。

健太先輩は雪に詰め寄った。自分の何がダメなのか。

「顔か?!金持ってなさそうだからか?!」



雪はその勢いに後退りながら、「あの子男の人に興味ないみたいで‥」と上ずった声で答えた。

「‥嘘じゃないだろうな?」



ここで健太の野生の勘が働いた。雪のことを疑り深く見つめると、きっぱりと言い切る。

「納得いかん。本人の口から聞くまでは何も信じないからな!」

そんなぁ‥と当惑する雪。



その彼女の態度に、健太はますます苛立ちを濃くして行く。

「直接会ってもしも断られたら、その時は潔く諦める!それでいいだろ?!」



その言葉をまだ信じられない雪が、「本当ですか?」と尋ねると、健太先輩はキレ気味に言った。

「どうしてそう人を疑うかね~?!約束するっつーの!

その代わり電話とかメールとか、仲介は一切認めないからな!Eye to Eye!分かったな?!」




「‥‥‥‥」






雪は悩んだが、恵にそのことを正直に打ち明けると、意外なほどすんなり承諾してくれた。

「ハッキリ言えば諦めてくれるんでしょ?

あたしのことはともかく、雪ねぇにこれ以上迷惑かけるのは許せない!」




鼻息荒くそう言い切る恵。

その威勢は頼もしいが、やはり雪にとってはいつまでも小さい妹分だ。

「やっぱり心配だし、私が言っとこうか?」と雪は恵を気遣ったが、

彼女は、もう自分は子供じゃない、大学生なんだから心配ないよと笑った。

「Eye to Eye、受けて立とうじゃない!面と向かってキッパリと断ってやる!」



そう言って目からビームを出す恵に、雪は親心に似た気持ちを抱いた。

小さな頃、ミルクを飲んで雪の肩に吐いたのが嘘みたいだと、恵の頭を撫でて言う。

その優しい記憶を思い出しながら。









健太先輩が、落ち合う場所は100歩譲って学校にしてやるよと言ったので、

構内の中庭のベンチで待ち合わせとなった。



待ち合わせ時間より早く、健太先輩はそこに座っていた。

鏡を見て身だしなみを整えた後は、ポケットからバラを一輪取り出して鼻歌を歌う。



何が諦めるだ‥やっぱりアタックする気満々じゃないか‥。



雪は草陰に隠れながらその様子を窺っていた。

健太からは尾行はお断りだと言われ、恵からはついて来なくても大丈夫だと念を押されていたが、

大人しくしていられるわけがない。

雪は盗み見るのに丁度良い場所を得たとほくそ笑み、そこで恵の到着を待った。



草の合間から、恵の姿が見え始めた。




「来た来た」「誰が?」「恵です。あー緊張する‥」





!!

「恵、って雪ちゃんの友達の?」



雪は心臓が口から飛び出そうになった。

青田先輩は、どうして隠れているの?と不思議そうに雪を見ている。

「健太先輩がこっちに居るって聞いて探しに来たんだけど、

雪ちゃんがこんな所に隠れてるから気になって‥」




青田先輩は健太先輩に貸していたノートを返して貰うために来たんだと言った。

草陰の合間から、ベンチに座っている健太先輩に気がつくと、青田先輩は立ち上がり彼に声を掛けようとする。

「あ、健太せんぱ‥」



きゃあ!ストーップ!!



考えるより早く、彼の服を掴んでいた。






ガサッ、とその瞬間草むらが揺れたのだが、丁度その時恵が健太先輩に声を掛けた。

「先輩!」



健太は恵に気がつくと、ベンチに座るよう促した。

このままでいいですと断る恵に、健太は聞く耳を持たない‥。


















草むらでは、フリーズした二人がそこに居た。





彼女を凝視する彼と、





彼より向こうの様子が気になる彼女。



彼女の手の平が、彼の唇を塞いでいた。









雪はなんとか気付かれていないことを確認すると、





そっと、自分の唇に人指し指を立てた。





それを見て頷く淳。





雪は彼が今の状況を理解したことを確認すると、そっとその手の平を外した。









雪の関心はもっぱら健太先輩と恵の方へと注がれていたが、





淳はそのまま雪を見つめて動けなかった。





予想外とも想定外とも言える彼女の行動は、彼に衝撃を与え続ける。







「彼氏と別れたんだって?じゃあ俺でいいじゃん」

「それとこれとは話がまた別だと思うんですけど」



必死で聞き耳を立てる雪を見て、淳はようやくその状況が掴めて来た。

草むらの隙間からあちらを窺い見ると、健太先輩が小西恵に花を渡そうとしているところだ。



今度メシでも‥とめげない健太先輩に、恵はハッキリと言った。

「先輩、話が違いますよ。自分が言った言葉には責任を持つべきだと思います」



目を見て諭されるそのもっともな正論に、健太は二の句も継げず、そのままダッと走り出した。

「クソッ‥!」



恵は健太先輩がこの場から走り去るのを見届けると、草むらに居る雪に声を掛ける。

「雪ねぇ、もう出て来てもいいよ」



雪はバレていたことに驚いたが、恵はカサカサ音が聞こえるからおかしいと思ったと笑った。

すると後ろから、恵の予想だにしなかった人が頭に葉っぱを乗せて現れる。



丁度通りかかってさ、と笑う青田先輩に、恵は驚きと喜びを隠せなかった。









その頃健太は、少し離れた所で一人考えを巡らせていた。



これで諦めたら男じゃないよな?と自分に言い聞かせると、また来た道を戻って行く。









雪たち三人は、その後談笑していた。



青田先輩はせっかくだしご飯でもご馳走してやりたかったけど、健太先輩に用があるからごめんねと言い、

恵の名前を覚えていなかった先輩に、彼女はもう一度自己紹介したりした。



雪は多少困惑していた。恵が青田先輩に気があるのはその態度からして明らかで、

自分がこれからどう振る舞えばいいのかについて考える必要がある。



ふと、視線を感じた。

振り向くと、遠くから健太先輩がこちらを見ている。



しかし彼はすぐ踵を返し、また向こうへと歩いて行った。


雪は漠然とした不安が、心の中を覆って行くのを感じた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<接触>でした。

ここが先輩→雪にとってのターニングポイントなんでしょうね~!

先輩はその予測できない行動をする彼女に対して、ここからより一層関心を抱くようになったのでしょう。

そして、先輩が恵に何度も名前を聞くのは「俺は君に興味ないよ」という遠回しな拒絶のような気がします。
(幼い頃からモテて来た彼は、自分のことを好きな女の子を見抜く力がかなりあると思っています)

マニアック豆知識としては、前回の雪のTシャツと今回の先輩のTシャツはまるでおそろ‥。

 

先輩もしかして、ペアルックを狙ったのか‥?!

次回は<ファーストコンタクト>です!

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