花*花・Flora

野の花・山の花・外来植物・果実や種子などなど、観察したことを気ままに綴るBlogです。 

乾 燥

2011年06月07日 | コケ植物



コケが葉をくるくると丸めてからからに干からびています。
コケは体の作りが単純で葉の厚みが細胞1個分しか無いのが普通ですので、周囲の空気が乾燥すると体内の水分は急速に失われてしまいます。 

しかし、コケはこんな乾燥にはびくともしません。
他の多くの植物が、水分を吸い上げる根や葉のクチクラ層を発達させて、水分の蒸発を防ぐ進化をとげたのに対し、コケはなんと乾燥を受け入れてしまうという別の選択を選びました。 



つまり、乾燥すると植物全体が積極的に乾燥し生命活動を一次休眠するというまったく異なる生き方を選びました。



そのかわりに雨が降ったときには一気に水を給水して光合成をはじめる・・・
コケは乾燥に弱いのではなく、乾燥する状況をあるがままに受け入れるという植物で、実は乾燥地に最も適した植物だったのです。

 Bryum capillare Hedw.
 
ハリガネゴケ (ハリガネゴケ科)