goo blog サービス終了のお知らせ 

畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載39『深海釣り』(その2終り)

2015-10-03 05:32:11 | 自然
 「深海釣り」

 四時過ぎのまだ暗い海に向かって船は出る。やがて、何時もの半分、いや三分の一にも満たない時間で魚場に着いた。
 「深海釣り」は、魚群探知機で魚の群れを見つけた船長のホイッスルの合図に拠って仕掛けの上げ下げを行う。
 大きな針が5本も付いた仕掛けに200号と言う重い重りを付け、餌であるイカの短冊切りなどを付けて、
船長のホイッスルを待つ。船長の吹くホイッスルが鳴るや否や、一斉に仕掛けを海底めがけて下ろす。

 この下ろすタイミングや、重りの大きさを一定にしないと仕掛けの流れ方がそれぞれに異なってしまい、
いわゆる「オマツリ」イト絡みに鳴く事になるのだ。
 海底に重りが着いた感触を手に感じると、少し巻き上げそれから、
仕掛けを少しずつ上下させて「スケソウダラ」の食いを誘う。
やがて、ごつごつと微かだけれども確かな針掛かりの手ごたえを感じ、一匹だけでは時間が惜しくて、
二匹、三匹と掛るのを待つ。

 電動リールならばまだしも、100~200メートルもの海底から獲物を釣りあげるには大変な労力と時間が掛かるのだ。
 手の疲れも忘れ、獲物に期待して一心にリールを巻き上げると、やがてフッと軽くなる。
深海からの獲物は強い水圧から解放された「浮き袋」が膨らみ、自分で浮いてくる。

 大型のスケソウダラが三匹も掛かっているとそれでも船べりから引き上げるには結構な力もいる。
釣り上げたスケソウダラは大きなブロックの氷と海水を少し張った大型クーラーに納める事となる。

 こんな動作を繰り返しているうちにやがて、仕掛け上げのホイッスルが鳴る。
最後の巻き上げにも獲物は着いていて、結果として女将さんが言った通りの釣果。
クーラーボックス二つが、満杯になりふたを閉めると尻尾がはみ出す始末。

 こうして、意気揚々と帰宅して数えると、クーラーボックスからは、
大型のスケソウダラが50匹余りも出てきたのだった。

                  (終り)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« やっぱり、適期適作かなー | トップ | カラスに内緒の落花生採り »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

自然」カテゴリの最新記事