新聞一面下欄の宣伝を見て、ネットで申し込み「方丈記」を買う。
恥ずかしながら、本好きと公言しながらこの年まで完読することは無かった。
解説とイラスト付きの内容で分かりやすく、一気に読み進む。
名文章ながら、原文は400字詰め原稿用紙にして20枚ほどだとか。
「ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず」有名な一節。
恵まれた家庭に生まれながら、父の死によって運命が狂わされてしまう。
その後、大火災、竜巻、遷都、大飢饉、大地震を八年余りの短期間に経験。
わずか八年の間に、この世の無常と絶望とも言うべき災難を経験してしまった。
読み進め思わず我が人生と重ねてしまう。
震度6強と思われる、強烈な中越地震に襲われたのは18年ほど前の事。
10年前には、直接的な被害はなかったが、東日本大震災、福島原発事故が発生。
その年の7月末には、床上浸水になった「新潟福島豪雨」に襲われた。
鴨長明は気まぐれな権力者「平清盛」による突然の福原への遷都で苦しむ。
この気まぐれな遷都など、今の世の中の政治的混乱と重ねて考えてしまう。
大飢饉、それに伴う伝染病の蔓延は無かったが、コロナ禍がそれと重なる。
八百年もの昔と、現代と我が人生をつい重ねて考えさせられてしまった。
『ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず』心に響く一節です。