
東京の中学生諸君、君たちの植えたジャガイモの今の姿をお見せしよう。
なんだか、他のジャガイモの品種に比べて育ちが遅い。
ま、君たちと同じで本格的に大人になるのはこれからって事かな(笑)。
専門的に言うと「低発芽性」と言う性質で、中々発芽しないのが特徴。
君たちと同じって言うのは、これからが肝心。
これからの手入れと、自分の意志?で無限の将来、成長を見せてくれるのだぞ。

ま、これは標準的な成長を見せている「ノーザンルビー」と「シャドウクイーン」だ。
前者は中まで鮮やかなピンク色、そして「シャドウクイーン」なんてまっ黒なほどに濃い紫色だぞ。

これは早生種の「キタアカリ」だ。荷崩れし易いのが欠点だけれども甘くてポテサラにぴったりだぞ。
ま、早熟なだけに食欲旺盛でね、肥料を他の種類よりも多く使わなければならないのが欠点かな。

この真っ白な花を見せるジャガイモは「とうや」だぞ。
色が黄色みの強い品種で、味も濃く感じられると思う万能のジャガイモだ。

「とうや」の向こうにはやや晩生の「北海コガネ」が見えて、その向こうがさつま芋の畝だ。
うーん、この場所の畝で1000本のさつま芋を植えられるのかな。

この日も、梅雨入り前で山の畑の上には青空が広がっていた。
出来る事ならば、植えてくれた君たちと一緒に収穫、掘り上げ作業をしたいものだ。
今年の雨が少なくて、気温の寒暖差が大きかった年はきっと味の良い、ジャガイモになるだろう。
掘り上げたばかりの新じゃがを茹でて、薄皮を剥いて塩を少し振るだけで十分に美味しい。
ま、洒落たら熱々のジャガイモにバターを添える「ジャガバタ」も有るけれどもな。
やはり、農業体験とは言っても植えるだけでは片手おちってもの。収穫の喜びって格別何だぞ。
物事は「起承転結」で、植え付けて、収穫してこそ全ての事が理解できるってもの。
どうだ、家出じゃうまくないけれども、こっそりと集団で来て、美味しいジャガイモを食べないか。
なーに、中学生だろ、君たちだけで何処にだった行けるし、来れるさ。
スベルべオジサンなんて、中学生の時は一人で大冒険の旅さえしていたんだぞ。