今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ノーベル賞制定記念日

2004-11-27 | 記念日
今日は、「ノーベル賞制定記念日」
1901(明治35)年11月27日、ノーベル賞の第1回授賞式が行われた。
ノーベル賞は、スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベル (Alfred Bernhard Nobel = 1833-1896) が遺言で、自らの発明したダイナマイトで得た富を人類に貢献した人に与えたいと書いたことから創設された。スウェーデン王立科学アカデミーに寄付されたノーベルの遺産を元にした基金168万ポンドで、1901年に民間の 「ノーベル財団」 が創設され、毎年その利子が、物理学・化学・生理学医学・文学・平和事業の5分野に貢献した人に贈られている。その後、1969(昭和44)年にノーベル財団とは別に、スウェーデン国立銀行の基金によって新たに経済学賞が追加され、現在6つの部門がある。
毎年ノーベルの命日の12月10日に、平和賞はオスロで、その他の賞はストックホルムで授賞式が行われる。
ノーベル賞といえば、戦後、敗戦で自信を失っていた日本人に大きな希望を与えた、湯川秀樹博士のノーベル物理学賞の受賞が先ず思い出される。
戦後間もない昭和24年、当時の日本はまだアメリカの占領下にあり、アメリカには全く頭が上がらない時代であった。そのような状況の中で8月、古橋広之進選手がロサンゼルスで開催された全米水上選手権大会で見事優勝を果たした。この報道は当時の我々日本人に自信をもたらせてくれた。その興奮がさめやらん11月のことだ、今度は、湯川秀樹のノーベル物理学賞受賞が発表され日本中が沸いた。原子核を構成する陽子と中性子を結びつける核力を媒介する中間子理論の功績により、日本人で初めてのノーベル賞を受賞したのだ(大阪帝国大学在籍中の業績)。
戦後の日本が、学問やスポーツという世界で自信を取り戻せたのは、まさに、この2つの事件からである。当時の新聞には「ノーベル賞とはなにか」といった解説まで出ており、子供たちは急に理科好きになったと言われている。12月10日ストックホルムで開かれた授賞式。「この日、湯川博士の宿舎グランドホテルの屋上には日章旗がへんぽんとひるがえった。日本はいま博士のノーベル賞受賞によって、新しい日本が世界文化のために輝かしい一歩を踏み出したことを世界に示した・・・・」と朝日新聞12月12日付けストックホルム電では伝えている。日本人の「世界文化意識」の芽生えはこんなところから始まったのである。
その後は、1965(昭和40)年 朝永 振一郎氏が 物理学賞 を受賞して以来、1968(昭和43)年 川端 康成氏 (文学賞)、1973(昭和48)年 江崎 玲於奈 氏(物理学賞)、1974(昭和49)年 佐藤 栄作氏(平和賞)、1981(昭和56)年 福井 謙一氏( 化学賞 )、1987(昭和62)年 利根川 進氏( 医学・生理学賞)、1994(平成6)年 大江 健三郎氏( 文学賞)、2000(平成12)年 白川 英樹氏( 化学賞)、2001(平成13)年 野依 良治氏( 化学賞)と続き、2002(平成14)年には、小柴 昌俊 氏(物理学賞)、田中 耕一 氏(化学賞)と、 1年で日本人のノーベル賞受賞者が2人も出て、またまた日本中が沸いた。このときの受賞者田中耕一さんにいたっては、そのキャラクターからワイドショーの常連に、までなってしまった。このように次々と受賞者を出し、今日の日本の発展の基礎を築くことが出来たのは、敗戦下で自信を失っていた国民に大きな力を与えてくれた先人達の功績大でしょうね~。
湯川 秀樹氏は 反核運動・平和運動に積極的に携わっている。当時の多くの科学者たちの共通感情として、自分たちの研究が広島・長崎の原爆投下という悲劇を生んでしまったことを深く悲しみ、アメリカに渡った時にはアインシュタイン(1921年ノーベル物理学賞受賞)と会い、以後協力して平和活動を行った。(ラッセル=アインシュタイン宣言にマックス・ボルンらと共に共同宣言者として名前を連ねている。)
広島平和記念公園には、「まがつびよ ふたたびここに くるなかれ 平和をいのる 人のみぞここは」という湯川秀樹の歌を刻んだ碑(ひ)、平和の像「若葉」湯川秀樹歌碑がある。(※「まがつび」とは、災害・凶事(きょうじ)を起こす神のこと。)
「一日生きることは 一歩進むことでありたい」・・・湯川秀樹の有名な言葉であるが、本当に、そうあるように努力したいですね~。
(画像は、20世紀デザイン切手「湯川博士・ノーベル物理学賞」図案 は、受賞当時の肖像と中間子理論のイメージと数式部分)
参考資料
京都市名誉市民 湯川秀樹氏
http://www.city.kyoto.jp/sogo/hisyo/honor_02.html
湯川秀樹(1907-1981)
http://www.ffortune.net/social/people/nihon-today/yukawa-hideki.htm