ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

我が街の「夏祭り」

2016年07月25日 | 日記

 「夏祭り」この言葉には何故か郷愁を誘うものがあります。

 夏休みを取り帰郷をする。そして故郷の夏の祭りで懐かしい知人、友達に再会したりする。などというドラマのシーンにでてきそうな、多くの方が共感する、そんな場面を大切にしていきたいもの。

 僕は、東京生まれですが、仕事の都合で昨年まで茨城県の某市に13年間住んでいました。当地では夏祭りが沢山あり、よく出かけていました。豊かな自然、澄んだ空気、水、そんな中の祭りに夏の楽しさを味わってきました。東京に戻って暮らす今、夏のその時期になると思い出されるものです。 

 さて、この7月24日(日)僕の住む小金井市で開催された、「小金井阿波おどり」を見物してきました。今回で38回目と歴史のある祭りです。以前から知ってはいたのですが、見る機会もなく過ごしてきました。今年の夏、なにか物足りなく、祭りが恋しく足を運んだ次第。全体として、おしゃれで、よく整備された都会的なイベントですが、おそらく、これから僕の「夏祭り」になっていく予感がします。

     2016年7月25日  岩下賢治

 

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訴訟の好きな左翼文化人

2016年07月22日 | 日記

  カンナが咲いています。

 東京都知事選が中盤に差し掛かり、各陣営のなりふり構わずのドロ合戦が始まった。そんな中、野党統一候補の鳥越俊太郎氏の淫行スキャンダルが衆目の的となっている。これを暴いた週間文春に対し、鳥越陣営は事実無根だとして、名誉毀損で文春を訴えた。

 選挙は一つの権力闘争だから、様々な策略が蠢くのは古くからの習わしでもある。

 ところで、従来、左翼と言われる人たちの場合、訴えるというより、訴えられる場合が多かった。社会常識に異議を唱え、変革する立場だから、現状を維持する人たちとのコンフリクトが強くでるのは当然である。今日の野党が左翼かどうか怪しいが、鳥越氏の場合、反安倍政権を標榜しての立候補であるから、名誉や地位とは無縁の、スキャンダルを跳ねかえすぐらいの弁舌と勇気があってしかるべきであった。しかるに、高名の弁護士に依頼し、名誉毀損を法的に問うと言うのでは、単なる市井の常識人の言辞にすぎなくなる。

 この鳥越氏の姿勢だけでなく、原発の停止訴訟なども同じだ。法は現在の安定を保障するものとして策定され機能しているのであって、なんら倫理的なものではない。何か、現状を変えたいと思うなら、未来に向けて変えるべく理念と事実を持って大多数の賛同を得る以外にない。名誉毀損とか、現状の審査を法廷に持ち込むというのでは、保守と革新の取り違いも甚だしい。私は今日の野党の言辞にほとほとうんざりしているのである。

 吉本隆明さんは既に20年前に次のように言っている。

 もちろんわたしは、かれら(注:反核運動の人たち=たとえば中野孝次らを指す)にむかって、君たちは「人類」としてそんなに「生存」が心配なのかとか、君たちは誰からも非難や批判も受けなくてすむ正義を独占した言語にかくれて、そんなにいい子になりたいのかと半畳を入れたいのだ。そして誰からも非難されることもない場所で「地球そのものの破滅」などを憂慮してみせることが、倫理的な言語の仮面をかぶった退廃、かぎりない停滞以外のなにものでもないことを明言しておきたい。=マスイメージ論・1988より。

 私たちは一歩も前に進んでいないのではないか。【彬】

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ウイリアム・アイリッシュ 幻の女

2016年07月18日 | 日記

新訳本と秀麗なウイリアム・アイリッシュ

 夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。
 原文は、The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.

 小説の冒頭である。
 日本語の、あるいは英語に素養のある人には、この一行が、極めて技巧的で、生鮮で、物語に引きずり込む魅力的な表現であるかが感得できるだろう。名訳といわれている。

 私の古くからの友人で、壮年で亡くなったが、二人のミステリー翻訳家がいる。石田善彦、大井良純の二氏である。私はこのふたりには大変な影響を受けた。特に大井さんには、ミステリーの面白さ、先進さを、なんどもなんども教わった。大井さんは戦後、神保町界隈で進駐軍が捨てていったペーパーバックスを漁って、アメリカの風俗に強く惹かれていった学生である。石田さんは札幌出身だが、戦後思潮のエセ民主主義に不満で、アメリカ文学に描かれた風俗に心酔していた。
 今から30〜40年前、当時まだ日本が高度成長期の中頃にいるころ、思潮の中心は中ソの社会主義思想と反スターリン主義が充満している一方で、アメリカの市民文化、あるいは都市文化の洒落た風俗に先進性をみる高揚した時期があった。若者がこぞってGパンをはいたのも、そうした風潮の表れである。その代表が植草甚一だったろうか。そしてこれらの動向を出版界で支えたのが、早川文庫である。純文学とは言えないが、知的で文化的な機知に富んだエンターテイメントであるミステリーやSFは、当時の若者や文化人の密かな楽しみとなっていた。翻訳陣も多彩で、田村隆一、鮎川信夫ら、荒地の詩人らが、生活の糧として参画していらから、その翻訳文は練りこまれたものであった。石田、大井の両氏はそうした流れの一端で活躍していたのである。 

 ところが、私にはアメリカが遠かった。せっかくのガイダンスも、作品の1つか2つ、読むので終わってしまった。私には、日本の農村とかマスコミとか、ジャーナリズムのことで頭がいっぱいであったのだ。
 そして、時が経て、先ごろ、亡き大井さんが薦めた「幻の女」の新訳文を、たまたま書店でみつけたのだった。それが彼の名作の冒頭である(旧約を全く踏襲している)。ニューヨークの洒落た雰囲気がまるごと包み込まれ凝縮されている。翻訳家の精髄がこもった文章でもある。
 早川文庫は、翻訳家の切磋琢磨の修羅場でもあった。そこに数々の名訳も生まれているのである。【彬】
 
 

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ベランダにオガタマノキ

2016年07月13日 | 日記

        

 ベランダが寂しいもので鉢植えを置くことにした。

 どんな植物がいいのか? 花が咲いて、実がなって、いつでも緑、というのが理想だが、そんな物があるわけがない。

 いろいろ思いめぐらしていたところ、かつて皇居の北の丸公園で見た、オガタマノキを思い出した。春の終わりころだったと思う、小さな木に白いカタマリのような蕾を持っていた。ネットで調べてみたら、なかなか由緒ある木だと判明。日本に自生するモクレン科では唯一の常緑樹で「招霊」(おぎたま)から転化したもので、和歌、俳句の季語にも用いられている、という。早速、幼木を購入して植えた。本来、高木で鉢植えに適しているとは思われないが、なんとか花が咲くまでは育ってもらいたい、と念じています。【彬】

         

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ヨーロッパ、EUについて。

2016年07月10日 | 日記

 EUの加盟国、英国が、国民投票で離脱を選択したことは大変な驚きである。世界を巻き込んだ、第一次、二次世界大戦の反省を込めヨーロッパと世界の安全、発展等、を目的として設立したEUの一角が崩れ、その後も連鎖の兆しがある。ヨーロッパの主要諸国は、先端の科学技術、優れた哲学、政治思想、そして芸術、をもって世界の近現代史をけん引してきた。同時に今の価値観から見る負の部分ももたらしてきた。

 私は、遥か極東の一市民であるが、ヨーロッパとEUについて考え、自分の意見をまとめさせていただきます。

1. 歴史(ポイントのみ)

  ・4世紀、現在の西ヨーロッパの形成は、4世紀のゲルマン民族の大移動に始まる。ゲルマン人(主にドイツ人)は、現在のドイツ、フランスの領域にフランク王国を成立。・・・なお、フランスはドイツの侵入を受けた立場。その後、様々変遷。

 ・4世紀、他方、イギリスはアングロサクソン国家を形成。

 ・西暦800年、フランク王国カール大帝はローマ教皇より、西ローマ皇帝の冠を受ける。・・・キリスト教国家のお墨付きを得る。

 ・15世紀~各国は主権国家体制を整備・・・近代国家(領土)の原型となる。国家間の戦争多。

 ・15~16世紀~大航海時代、新大陸発見・・・スペイン、ポルトガル、競って世界に富をもとめる。

 ・16世紀:宗教改革(プロテスタント)・・・宗教が教会から人間に近づく。

 ・18世紀、フランス革命、産業革命・・・近代市民社会へ。

 ・19世紀、独占的資本主義の時代、世界中で植民地獲得競争・・・帝国主義の進展と負の部分増。

 ・20世紀、第一、二次世界大戦・・・帝国主義国家の衝突。

 ・1958年EU設立・・・帝国主義が消滅し、新しいヨーロッパへ。

2.ヨーロッパの特性。歴史からいえること。

  ①  多民族をルーツに持つモザイク国家群。領土を幾重にも変えてきた。

  ②  キリスト教が一つの接着剤か。

  ③  基礎学問を現実の制度、技術に発展させるのに優れている。

     数学、天文学(航海術)、哲学、政治思想(民主主義)など、インド、アラブ、ギリシャ、ローマ等古代の知識を、現実の技術、制度に採用してきた。合理的、現実的。

  ④  競争心、自己主張が強い。厳しい競争が国家社会を動かしてきた。また、戦争等負の部分も多。

2.これからの、ヨーロッパ。・・・私の意見。

 ・EUはヨーロッパの目標であるが、通過点でもある。脱退があれば、再加盟もある。

 ・砂山のようなEUは強力な指導者が必要。主要国のリーダーシップを期待します。

 ・世界が混乱した時には、民主主義の国家群であるヨーロッパの考えが判断の基準になることがあると思います。

    絵は西暦800年、カール大帝が帝冠を受ける。 2016年7月10日 岩下賢治

 

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