ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

国木田独歩の世界に遊ぶ

2017年06月26日 | 日記

 梅雨の合間の6月24日(土)、玉川上水沿いをウオーキングした。今、膝の故障で長い距離のランニングは控えている。体力維持のためのウオーキングではある。

 だが、玉川上水沿いを歩くのは別の理由がある。

 この上水周辺の自然、風景が好きなことに加え、国木田独歩の名作「武蔵野」に押され、いつかはじっくり散策し、独歩の世界に遊んでみたいと思っていた。

 「武蔵野」を読むと。独歩は、明治28年の夏の日、友人と二人で、現在のJR中央線、武蔵境駅で降り北へ、玉川上水に掛かる桜橋まで行く。そして、そこから上流に向かい3里の距離を歩いた。そのときの夏の日の散策の楽しさを、巧みな文章で綴っている。

 独歩は、自然を通し人間を、また、人間を通し自然を見る。そして、とくに武蔵野には、生活と自然が密着した素晴らしさがあると言う。

「・・・農家が散在し・・・野やら林やら入り組んで、・・・たちまち林に入るかと思えば、たちまち野に出る。それが実に武蔵野の一種の特色であり、生活があり自然がある。・・・」

と表現する。

 僕も、独歩に同感だ。いや誰でそう感じるのではないだろうか。

 独歩が歩いた、武蔵境駅から桜橋への道は、僕の高校時代の通学路である。そして母校の校歌には、「・・・林を出でて、林に入り、道尽きて、また道あり・・・」とある。武蔵野の風景の特徴は正にここにある、と思う。

 さて、この日は、小金井公園から玉川上水駅往復の20km程のコースを歩いいた。上水沿いには、雑木林を残し、畑が広がり、かつては大きな農家の敷地であったであろうと思えるところが、あちこち残る。僕の想像力は、独歩の時代の風景をよみがえらせる。

 膝の故障のおかげで、前々から思っていた、玉川上水のウオーキングで国木田独歩の世界を楽しむことが出来た。 

 絵は、玉川上水とその周辺。実際と「武蔵野」の文章から想像し合わせて描いた。

      2017年6月25日  岩下賢治

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同窓会に想う

2017年06月23日 | 日記

ご近所の八重咲きクチナシ

 同窓会に出席してきた。20人足らずの小さな会で同窓というよりクラス会である。

 不思議なもので学生時代はそれほど親しくなかった人同士が、打ち解けて和やかに歓談するのは同窓会ならではの光景。年寄りは昔話ばかりでつまらないという人もいるが、昔話だからお互いギクシャクしないで打ち解けるというのも一つの特典である。

 そんな会なら年に一回は開きたいのだが、実を言うとこうした会を開くには幹事の少なからずの献身が必要になる。手紙を出して、会場を確保して、会計を済ませる。さらに後始末の記念誌のようなもを作る、などなど。中でも最も気をつかあうのは、会場の選択だ。それなりの雰囲気があって、飲食物と費用のバランスをとるのは、宴会慣れした幹事でもなかなか難しいものだ。

 そして想う、平易に使える同窓会会館のようなものがあるといいな、と。

 各自治体には美術館とか、なんとか会館のような施設はあるのだが、もっと身近なもので、例えば飲食の可能な町民会館があるといい。共同体の基本となるのは、飲食のできる気軽な施設である。アルコール禁止の公共施設では何のための施設かと思う。中でも、学校が単位となって利用できる施設が良い。日本では共同体の中心は今では学校だからである。

 そういう場所があり、運営が開かれていれば、子どもをめぐるトラブルなど、早期のうちに片がつくだろうし、部活などの情報交換など、十全に行われるに違いない。ヨーロッパ風にいうなら、クラブハウスと言うのだろうか。ボランティアなどの活動もここが拠点になるはずだ。【彬】


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共謀罪の核心は予備拘束

2017年06月09日 | 日記

 ナンテンの花。今年は花付きがよい。秋には真っ赤に色づくことだろう。

 共謀罪の審議が山場で、2度にわたって廃案(解散のせい)になった法案が、今回はいよいよ成立しそうである。この法律の目的は、テロ対策で国連加盟国の多数が決議しているものを、国内法でも整備する必要があってするものである。テロのような国際的犯罪は、国を越えた協力なしには防ぐことも解決することもできないという事情が背景にある。

 テロ防止のための法律が、日本では共謀罪として発議されることに違和感を覚える人は少なくない。戦前の治安維持法を連想するからである。

 私はこの法案の核心は、予備拘束にあるのではないか、と思っている。通常、逮捕や拘束は事件が起こった後の犯人を確保することにある。事件が発生していないのに拘束することはできない。ところが戦前の治安維持法下では共産党員が、党員であることそのことで監視され、拘束される事態が起こった。これが予備拘束である。

 いくらテロ対策とはいえ、事前の拘束が少しでも可能性として残すような法案であってはならない。民進党など野党はこの法案で、ちゃちな事例を大げさに言い募り廃案に追い込もうという腹づもちだろうが、廃案というより、予備拘束の可能性に十分に歯止めをかける文言をいれるよう法案の修正を主張すべきである。単に反対だけでは何のための国会かということになる。

 現代史専門の加藤陽子さんは朝日のインターネットサイトのインタビュー共謀罪」過剰反応、リットン調査団重なる 加藤陽子氏に答えて、の中で、治安維持法とのアナロジーだけで懸念を表明しているが、それではだめだ。法案の内容にもっと踏み込んで貰いたい。そして現代史家らしく、単なるインタビューではなく、学者として論をたててもらいたいものだ。

 私は法律の専門家ではないので、文言を提案することはできないが、予備拘束に関与した場合には相応の罰則規定を加えるべきだと思う。私がこの法案になぜそれほど神経質になるかといえば、テロリズムというのは単に凶暴だというのではなく、政治的な目的を含んだ行為だからである。政治的な行為に対しては予断があってはならない。現に中国では反体制派の予備拘束が行われているのである。【彬】

 

 

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都心でイヌビワを発見

2017年06月05日 | 日記

 大きな通りが立体で交差している場所のノリ面に、変わった木が生い茂っているので気になった。大きな木ではないが、葉が細長く、つやつやしている。近寄ってみると、親指を少し大きくしたくらいの実があちこちの細い枝に突き出ている。実の形は明らかにイチジク。だが、イチジクではない。

 早速、ネット上で調べてみた。春、樹木、実で検索すると、各種の果実がでてくる。スクロールしていくと、それらしい画像に出くわした。イヌビワとある。私には知らない木である。

 解説によると、関東以西で見られ、元々は熱帯性の植物。実は黒く熟すると、甘く食べられるという。誰が植えたものやら。場所も場所だし、庭木として植えたものではないのは明らか。

 都心の真ん中とはいえ、ほんの少しの斜面に、こんな野生が生きていることに驚くのだが、ちょっと注意を払っていると、小さな路地でいろいろな草木に出会えるものだ。これを調べ、名前や植生を知り当てることで不思議な充実感が得られるものである。

 イヌビワ、もうじき熟すだろうから、ハクビシンなどに食べられる前に収穫したい。持ち主が定かでないし、実をもいでも苦情はこないだろう。これは楽しみだ。

 なお、このイヌビワ、葉の形状から正式にはホソバイヌビワというらしい。絵はイヌビワの枝ぶりの一部【彬】

 
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ダイエットの罠

2017年06月02日 | 日記

 米タイム誌の、6月5日号の、カバー記事は、ダイエットの罠(THE WEIGHT LOSS TRAP)。その書き出しが、「カロリー摂取 対 カロリー消費、対比がダイエットでは常に意味あることとされていたが、それは間違いであることが分かった。」

 僕は大いに興味を持った。というのは、若い頃は細身で、趣味のランニングでも軽快であったが、年重ねるに従い体重増となりつらくなってきた。最近、食事の改善である程度の成果を得ていたが、脚の故障が重なり、さらに体重減の必要を感じていた。しかし、今以上の食事の改善も運動量を増やすことは体が許してくれない。なにかいい方法がないものか、思案しているところなのだ。

タイム誌の記事内容は、この分野の最新の研究成果を紹介している。

その概略は、

①    ある試験で、ダイエット試験の参加者は、かなり体重減に成功した。だが、長期的には、14名中13名が平均体重減分の66%リバウンド。内4名は試験前以上の体重増となった。その他調査でも、ダイエットによる方法と結果は個人個人で異なることが分かった。

②    ある糖尿病を持つ参加者の80%がリバンウンドした。これは、体重が減る分代謝能力が落ちるからと考えられ、人間が進化の過程で飢餓に備え獲得した能力といえる。

③    最近、糖尿病や体重増に関係する遺伝子要素があることがわかってきた。しかし、体格差への影響は3%。

④    普段の生活で触れることの多い物の化学物質(たとえば、缶詰容器、や、レジのシートのBPAなど)がホルモンのように内分泌系に影響し脂肪を蓄積させるのでないかと考えられている。

⑤    人体の表面、体内に生息するバクテリアが人体の新陳代謝に影響をあるのではないか見る学者もいる。

⑥    その他いくつの研究の紹介がある。

 今後、①~⑥を踏まえ科学者の立場は、個々の人に対応した、ダイエットに効果的な食物に関する研究が進められることになる。

 ところで、多くの人の自分の理想の体重減は、医者の薦める「体重減目標」の3倍である。現実は欲が大きすぎる。それほどの減量を必要としないケースが多い。

  以上タイム誌の概略。

さて、ここで、自分自身のことを振り返る。

 現在、普通の生活者として体重は平均であり支障はない。さらに体重減を望むのは、ランニングをより楽にしたいからということ。欲が大きいからなのか? それにしても、体重というのは、血圧、血糖値、そして、それにつながるさまざまな成人病にからんでくる。注意しすぎることはないであろう。

 絵は、僕のいつもの朝食。ピザトースト、コーヒー、牛乳。

        2017年6月2日  岩下賢治

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