
ボケの花
桜の季節である。この季節は天候が不安定で、雨に祟られることが多いのだが、今年もあいにく満開宣言が出た翌日から雨模様の冬天気。一気に寒さが戻ってしまった。
ところで桜の名所には、皇居の千鳥ヶ淵をはじめ、上野公園、目黒川流域、神田川流域など、水辺が多い。なぜなのだろうか気になることである。
桜は水辺を好む樹木なのだろうか。あるいは植樹する場所が限られていて、水辺はだいたい公共地であることから、適地として選択されているのだろうか。有名なワシントンの桜もポトマック河という水辺が選ばれている。確かに花が水面に覆い被さっている様がなんとも美的であることも、選択の理由だろうか。
私は若い頃、よく玉川上水周辺をジョギングしたものだが、その跡地には桜が植えられていて、今は、羽村の取水堰、小金井公園、井の頭公園などお花見の名所になっている。
桜がなぜ河辺に植えられているのか。あるとき、地理に詳しい人から聞いたことがある。桜の葉は薄くて水の浄化をする働きがあるので、用水路などの植林には最適なのだ、と。同時に行楽する楽しみも出来るので、江戸時代には用水路を整備する口実に桜の植樹は欠かせなかったという。
なるほど、と思う。
が、桜は葉桜の頃から虫がつく。木の下には黒づんだ虫の糞がいっぱい落ちている。と同時に寿命が短く意外に脆い。古木には枯枝がつきものだ。山桜だと寿命も長く、板目など美的で、名木になる。だが、ソメイヨシノは花だけで、樹木としての利用価値がなく、これが難点だ。
もとより花より団子でよいのだが、せっかくの花見なのだから、もっと鑑賞に値する名木に会いたい気もするのだが、いかがなものであろうか。【彬】
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