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コロナ禍の初動対応に失敗したアメリカ

2020年04月01日 | アメリカ通信
経済大国にして軍事大国のアメリカが優れているひとつがインテリジェンス活動にあり、国内はFBI、海外はCIAが司っていることは知られているところである。どこの国の外交官スタッフも殆どインテリジェンス、即ちスパイの世界に属する。しかし、それらの情報を最終的に判断するのは人間である。平均以上の人間ならば情報処理も適切に処理されるだろうが、平均以下ともなれば、貴重な情報は活かされない。

当初、アメリカは感染者が出ても早期に適切に対応するだろうと思っていたのだが、その後、あれよあれよと患者が急増、その慌てぶりには目を疑った。これが優秀なシステムで機能していたアメリカか。だが、よくよく考えると、どんなに優れた社会システムがあっても、それを動かすのは人間だ。最後は、決定権を持つ組織の長次第である。長の器で天と地の差が出来る。今回のアメリカがまさにそうだ。

アメリカの対コロナ戦争が山場を迎える中、ワシントン・ポストが中国武漢発生からアメリカ到着までの過程を検証した。そこからアメリカ、即ちトランプ政権が初期対応に失敗したことが浮かび上がってきた。

武漢発のコロナ禍が爆発し始めた一月、武漢駐在のアメリカ外交官がチャーター機でアメリカに帰国した。その情報をもとに、CIAは、①武漢コロナが世界的に広まり、パンデミックになる可能性が高い②早晩アメリカに上陸するのでそれまでに万全な初期対応がとれる体制を作っておくこと③中国の対外報告は矮小化されており過小評価しないこと、を関係機関に重大喚起、以後二月初めまで膨大な情報を逐次アップデートしたが、トランプ及び共和党の関係者は真面目に取り上げなかった。そして、記者会見の都度「アメリカは安全だ」をトランプは繰り返す。この重大事項の矮小化がその後、全ての局面での後手の連鎖に繋がっていく。

2月25日、CDCのがアメリカでの爆発的感染拡大とそれに伴う深刻な社会活動ダメージの予想を発表したが、トランプは「アメリカの経済活動に悪影響を与えるコメントだ」と文句を言ったことが伝えられた。この「経済=お金ファースト」のトランプがまともな道に方向転換したのは、株価乱降下という出来事で、「お金がヤバい」と知らされたからである。だが、時既に遅し、の局面に入っていた。

トランプ政権のホワイトハウスは、この4年間のトランプ流のやり方に染められ、いざという時に機能不全を起こした。War-time Presidentを称して自らを鼓舞しているが、本当の戦争になった時の資質に疑問符が付いてしまった。どんなに優秀な組織でも「頭」次第で全てがクズになる。今回の不幸はそこにある。


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