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エプスティン事件とギレイン・マクスウェル裁判の行方

2022年01月04日 | アメリカ通信
昨年11月注目のギレイン・マクスウェル裁判が始まった。背景は、ジェフリー・エプスティン事件。「男と女が共謀して未成年を含む若い女性を食い物にし、自分の知人ないしは知己を得たい有名人に彼女達をあてがい、富と名声を高めていく人身売買事件」を内容とする。

男の主役はジェフリー・エプスティン。金融業界に身を投じ、下着ブランド、ビクトリア・シークレット(VS)の会長の知己を得て上昇気流に乗り、騙した十代女性を上流階級や有名人の男たちに斡旋していた。有名ブランドVSの名前をチラつかせモデルに興味ないか、とアプローチされれば若い女性はイチコロである。2000年代に入ると女性からの訴えが増加、ついに2006年フロリダで逮捕、起訴され13か月の実刑を受け、さらに2011年にはSex Offenderとして正式に登録された。彼が再び世間を賑わすのが2019年、ギレイン・マクスウェルと共謀したた若い女性の人身売買容疑である。だが刑務所収監後自殺(とされている)で人生の幕を閉じてしまった。

女の主役、ギレイン・マクスウェルは英国の資産家の家に生まれた。父親の事業の米国進出にあわせ、1990年代に渡米、その頃上流社会で暗躍していたエプスティンと出会い、親密な関係になり、”人身売買”ビジネスのパートナーとなっていく。エプスティン逮捕後世間から姿をくらますが、2020年7月隠れていたニューハンプシャー州で身柄が確保された。

この人身売買事件が大きな注目を浴びているには理由がある。共謀事件ではあるが、むしろ主導的役割を演じていたのが女性であるマクスウェルではないか、もしそうなら、社会学的に「女性は本来備わっている”育み慈しむ”母性の故に、特に同性に対する性的虐待は考えられない」とする従来の定説を書き換える必要があると見ているからである。因みに男の本来的性の定説は、暴力、独占欲、性的制御不能である。

今後の裁判の行方が注目されるところだが、この事件をきっかけに、1994年設立の全米性的暴行虐待ホットラインでは、今までの同性間性的暴行虐待件数が殆ど皆無なのは、”母性の社会的通念”から対象事案として取り上げず、見過ごしてきた可能性があるとして、過去の未検討分の洗い直しを始めたという。


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