よし坊のあっちこっち

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ニュージャージーのThird Railとガソリンスタンド

2022年09月05日 | アメリカ通信
Third Rail? 日本語では「第三軌条」と言われ、鉄道従事者やマニア以外には聞きなれない言葉だが、電車が二本のレール上を走る際、それに平行して設置された三本目の高圧給電レールのことで、ここから電気を取り入れる。鉄道王国日本では、その後、架空電車線方式が主流となったが、東京大阪のみならず、世界中でまだまだ第三軌条方式は健在である。

さて、ロシアのウクライナ侵攻で石油が高騰し、ガスステーションでのガス泥棒が横行している。このガスステーション、アメリカではセルフばかりだと思いがちだが、おっとどっこい、例外がある。

アメリカに来た当初、バケーションでNYへ車で行った時の事。NJに入って初めての給油で驚いた。若いニイチャンがさっと出てきて、どのくらい入れるか?と聞く。初めてNJ方式を知った。セルフ給油禁止州はニュージャージーと部分的禁止のオレゴンだけである。このガスステーションにも歴史がある。

最初のセルフはスェーデンで始まりヨーロッパに拡がった。アメリカに登場したのは1915年だが、当初はガスステーションが閉鎖されている夜間に緊急に給油が必要な事態に備える補助的なものだった。もともとアメリカのガスステーションの役割は、単に給油だけでなく、オイル交換バッテリーチェックなど整備全般のサービスを提供することで成り立っていたのだが、時代とともに整備関係が独立した業態として専門特化していく中で、給油のみでビジネスを存続させる方策として1980年頃よりセルフという形で主流に躍り出た。その後はコンビニショップ併設のスタイルで今日に至っている。

では、何故NJとORはセルフに移行しないのか。セルフに反対の理由を3つ挙げている。①火事の危険②老人身障者に不便③雇用喪失。確かに間違ってはいないが、殆どの州が問題なく運用している中で、これらの主張は時代にそぐわない。識者はもはやこれは理屈ではなく”NJに深く根差した文化である”と称している。その一方で、この問題は政治的問題でもある。この問題を正面切って取り上げると選挙票を失い自滅するという。高圧電流が流れる第三軌条のレールに触れた途端感電死する、という意味だ。NJではこの問題はPolitical Third Rail issueという触れてはいけない問題なのである。


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