ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

偶然の再会

2009年11月12日 | 日記
思い出します・・・

2年前の5月の終わり、成田からドイツへ帰る前日のこと。休暇を過ごした郷里から出てきてその日宿泊予定のホテルにチェックインしようと四谷3丁目の地下鉄を降りてホテルへ向かって歩いておりました。前から見たことがある女性が歩いてきます。近づいてよく見ると、それはドイツでの知り合いの一人、Hさんでした。何でも、実家が四谷3丁目の当たりで、その日の朝にドイツから戻ってきたばかりとのこと。彼女はずっと日本に帰ったままで、いつだったか久しぶりにドイツに戻ってきたときに一度だけ会ったことがありましたが、それっきりでした。それなのに、広い東京で偶然に出会うなんて・・・それも、彼女がドイツから戻ってきた日で、私がドイツへ戻る前日。なんと言うタイミングというか偶然にもう驚き!ホテルの喫茶店でしばらくおしゃべりしましたが、結局あれが最後の再会・おしゃべりとなりました。今から思うと、神様が偶然に再会させてくれたのかもしれません・・。

昨日知人から、Hさんが10日に亡くなったとの連絡を受けました。転移していた癌を全部取りきれてないとは聞いていましたが抗がん剤治療を受けてがんばっているものと思っていました。この夏に入院したばかりなのに、こんなに早く逝ってしまうなんて・・。まだ50代前半です。若すぎます。

彼女と一番仲が良かったYさんが6日に休暇で日本へ発ち、8日にはまだ話が出来たHさんと2時間ばかり話しをしたそうです。アパート売却の委任状などのサインももらえたようで、まずは事務的処理は進みそうですが。Yさんが日本に来るのをきっと待ちに待って持ちこたえていたのかもしれません。それから2日後に亡くなったのです。

明日は彼女のアパートの地下室の最後の掃除です。主がいなくなったアパートの掃除は・・切ないですね・・。



★・★・★・★・・・

話は変わりますけど、昨日のドイツのメディアは日頃の政治・経済・外交問題中心の放送から一転して、ドイツサッカーチームのGK、ロバート・エンケ(Robert Enke)の死を悼むニュースばかりでした。残された奥さんの発表によると、彼は6年前から重度の鬱病に苦しんでいたそうですが、ずっと隠して治療していたとのこと。もし公表すると、仕事(サッカー)にも支障を来たすだろうし、実の娘を心臓病で失くした後に幼女にした子の養育権も剥奪されるのではないかという不安があってずっと隠していたそうです。自殺する直前には、かかりつけの医者やセラピストのところに行って「調子はとってもいい。」という言葉を残し周囲を安心させてはいたけど、その裏では遺書を準備していたようです。

日本にもかなりの数の鬱病患者がいるようですが、ここドイツにもたくさんいるようです。