僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
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浅野いにお

2010年04月15日 | 日々の泡(日記)
最近の若手の漫画家の作品を全然読んでない。
30代の頃は結構色んな作家の作品を読んでたんだけど・・。
ここ数年で新しく買ったのは「くるねこ」とよしながふみさんくらい。

最近「ソラニン」で話題の浅野いにおさん。結構好きな絵柄かも。
会社の帰りに短編集「ひかりのまち」「素晴らしい世界」を買って読みました。

読んでみて・・ある意味想像どおりの作風でした。
中で取上げられているのは退屈な日常、暴力、いじめ、ネット、自殺、恋愛。
主人公はどこにでも居そうな若者。かっこ悪くてくすんでいる。
自分に過剰な期待を持たず醒めた目で暮らしてる。

ソラニンのテーマ曲はアジカンが書いたそうだけど・・そんな感じ。
作品の中からオンガクが聴こえてくる。
そして・・・聴こえてくるのは80年代、90年代のロックじゃない。
あの時代の楽観的なオンガクは似合わない。
似合うのは2000年代の日本のロック。
アジカン、くるり、フジファブリック・・そんなバンドの名前が浮かんだ。

特に「ひかりのまち」では凄惨な暴力シーンが出てくる。かなりエグイ。
読んでて思い出したのはチャットモンチーの「世界が終わる夜に」の歌詞。


 あたしが神様だったら こんな世界は作らなかった
 あたしが悪魔だったら こんな世界は作らなかった


出てくるのは神様が見捨てたような「こんな世界」ばかり。

でも・・・「こんな世界」でも生きて行かなくちゃ仕方ない。
最後、主人公達はギリギリのところで「生きる」ことを選ぶ。
そして最後にホントちっちゃい光が見える。

その光はホントに微かなもの。「希望」とは言えない・・ホントちっちゃい。

うーん、読んでて爽快感や共感、感動は無かった。
でも・・・リアルさがあった。そのリアルさは「イヤ」じゃなかった。
好きではないが・・・無視できない強さがあった。

今後も読み続けるかは正直ワカリマセンが・・・これからどうなるのか?
動向は見守りたい作家さんです。

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