僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
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No Way,No Place & My Home8「どこにもかえらない」

2007年01月18日 | ショートストーリー
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あの場所には戻らない どこにもかえらない
鈴木祥子「どこにもかえらない」

ドアが開き、ホームに降りた。
何処からか土の香りがする。駅の裏にある山の匂いだろう。

5年ぶりの帰省。妹は「ひさしぶり」と少し怒った顔で出迎えた。
「ずいぶんなご無沙汰ね。」「忙しかった」「でも正月くらいは」「まあな」
妹の言うとおりだ。
これまでも、何度か帰って来いと親や兄弟から誘いはあったのだが
何か帰る気になれなかった。その気になれなかった。・・・どうしてだろう。

窓の外に景色が流れている。ここも随分変わった。
何だか・・・知らない街に来たようだ。たった5年なのに・・・。
いや・・もう5年も経っているのか・・・。

家に着くと、両親、近くに住んでいる兄、妹のダンナが出迎えてくれた。
久しぶりに口にする母親の手料理も美味い。色々と話して笑った。

翌日、街を歩いてみた。何だかこの街が小さく道が狭く感じた。
地元の友人と会ってみた。飲んで楽しかった。仕事の話、家庭の話。
を聞いて「みんな頑張ってるんだな」と嬉しかったし励まされた。
だけど。。少し違和感を感じた。友人の話にどこかで入り込めない自分がいた。

それから家でゴロゴロしたり街を歩いたり最初はよかった。楽だった。心地よかった。
しかし・・・そのうちイライラし出した。ウチにいるのが・・苦痛になってきた。
「5年」は長かった。「ここ」でのボクの過ごした時間は5年前に終っている。
でも、家族も友人の「ここ」での時間は5年分進んでいる。

僕と彼らの「生活」には「5年間」という「壁」が出来てしまった。
違う場所で過ごした時間、共有の時間はもはや無い。
その壁は・・空き間は・・きっと埋められない、埋らない。

家族は暖かい・・でもそれは短期間一緒に過ごしているから。
ホンの数日だから・・・穏やかに仲良く過ごせるのだ。
一緒に住みだしたら・・以前の様な諍いや口論が耐えないだろう。
数日過ごしているうちに段々この街にいるのが苦しくなってきた。
早く東京に「戻りたい」という気になって来た。
どうやら、5年という月日は僕から「故郷」を奪ってしまったようだ。
ずっと「帰りたい」と思ってた。でも、それは勘違いだったようだ。

いや、そんなことはずっと前から分かっていたのだ。
ここは、最早「帰るところじゃない」って・・。
ここには自分の居場所は「もうない」・・って。分かっていた筈なのに。
なのに・・・。
ここに「帰ったら」何かイイことがあるように思ってた。
でもそんなことある訳がなかった。
ここではもう僕は「よそ者」なのだ。

自分の「生活」は今は「東京」にあるのだ。

東京に「戻っても」別に楽しい事が待ってる訳じゃない。
恋人や友人がいる訳じゃない。
相変わらず退屈な日常があるだけだ。
独りアパートの部屋でうずくまってる夜があるだけだ。
あの部屋が、僕の「帰る場所」って訳じゃない。

だけど・・そうやって10年間頑張って来たのだ。独りで、何とかやってきたのだ。
あそこが好きな訳じゃない。あそこに幸福(しあわせ)や夢がある訳じゃない。
でも・・じゃあ何処に行けばイイというのだ?
ここに戻っても一緒だ。何処に行ったって同じだ。

1週間過ぎて、東京に戻った。「家」を出るとき母親は「またおいでね」と
寂しそうだった。少し申し訳ない気持ちだった。

もう、ここには「帰って来る」ことはないだろう。ここは僕の「帰る場所」じゃない。
楽しくなくても、苦しくても、あそこでやっていくしかない。
電車の窓を流れる景色を見てて・・・思った。
「30過ぎて・・家出したんだな」。何だか笑ってしまった。

東京に着き、部屋に「戻って」じっと座り込んでた。
どういう訳か故郷の「家」にいるより、「此処」にいる方が落着く。

もう「休暇」は終わったのだ・・・・・。
明日から・・また・・いつもの「生活(くらし)」が始まる・・・。





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初詣と六本木ヒルズ

2007年01月03日 | 日々の泡(日記)

昨日は午後から嫁と初詣。湯島天神は大勢の参拝客で混雑してました。


その後は、六本木ヒルズにある森アーツセンターギャラリーで開催中の
福山雅治写真展を見に行ってきました。

福山雅治「記憶の箱庭」
http://roppongihills.com/jp/macg/

福山クンの歌は有名なのしか知らないけど彼が撮る写真は好き。
今回前から興味ある植田正治さんの作品も展示されるので行く事に。

会場はビルの52階にある広い会場。テーマ別に3つのスペースを設けてる。

植田さん、ハービー山口さん、大森克巳さん早々たる写真家による福山クンの写真。
デビュー当時の福山クンの視線は挑戦的で鋭い。
現在の福山クンの顔は穏やかだけどそんなに変わっていない。

植田正治さんの写真。80年代、ブルータスに飾られたファッション写真の数々。
砂漠をモチーフにしたクールで前衛的な写真。でもキュート。
この当時、植田さんは70歳。とても若々しいセンス。
会場で流れていたビデオに映る植田さんはお洒落なお爺さんで穏やかに語っていた。

最後は福山クンが世界各地で撮ったモノクロ写真。
外国の子供、街に棲む人々、動物、砂漠、自分のシルエット。
9.11前の・・・世界貿易センター。
福山クンがラジオで見せるキャラそのままの温かい視線に満ちた写真。

植田さん、福山クンの写真とも・・自分の世界を持ってて、自由で・・
でも他者へのリスペクトがあって・・・とても刺激になった。

そのまま展望台に昇って夜の東京の街を映しました。東京タワーがキレイ~!


元旦のロックフェス、昨日の六本木と正月はよく遊びました。楽しかった~。
明日から「仕事」頑張れそうです。


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カウントダウン06-07フェスレポ

2007年01月02日 | 佐野元春

元旦に行って来た「ロッキングオンカウントダウン06-07」のレポを。
お昼過ぎに嫁と一緒に会場のある海浜幕張駅へ。
会場はいつもイベントに使われている大ホール。
会場内には大きなポスターが。出場者には当然元春の名も(笑。

場内はDJブースを含めて4つのステージ。ひたすら広い。
クロークに荷物を預け先ずはお昼ご飯。屋台がイッパイ。
元春が出演する「アースステージ」に向かう。


元春は夜7時台に出演。
それまで他のアーティストのライブを見ることに。
2万人くらい入りそうな広いスペース。
お客さんは座ったり踊ったり思い思いに楽しんでる。

先ず見たのは映画「タイヨウの唄」で有名なYUIちゃん。若い!
声を枯らしながらひたむきに歌う姿には一寸感動。
そして次はエレカシ。
今回、見るのが楽しみだったバンド。
客席がどんどん混んでくる。
メンバーが現れるとひときわ高い歓声が挙がる。

「今宵の月の様に」で始まる!客席も一緒になって歌う。
凄い!ミヤジ、珍妙なアクションを交えながら歌う。
ギターの石クンのソロ!頭が丸坊主\(T▽T)/!!

その後は「悲しみの果て」「四月の風」「デーデ」「花男」と
聞きかじった程度の僕でも知ってる有名曲のオンパレード!!
ミヤジが叫ぶ度に客席こぶしを振り上げ叫ぶ。凄い光景だった!!
そして・・「ガストロンジャー」。「胸をはれ!」「ぶっ壊せ!」と煽るミヤジ。
見てて「カッコいい」「こいつ自由だ」と思った。

その次はGOGO7188。
どこか和風な曲調、エレキバリバリの演奏がカッコいい。
ボーカルのユウちゃんの声が何となくゼルダのサヨコさんを思わせる。
前にいた10代(?)の女の子、男の子が飛んで跳ねて踊る姿が微笑ましい。
さぁ次はいよいよ元春だ。

ホボキンが先ず登場。ギターは藤井一彦、サックスはボブさん。軽く演奏。
客席温まったところで黒い帽子、黒いシャツの元春登場。客席大きく湧く。
曲は「99ブルース」!!藤井クン、両足をガッと開き派手なソロ引き倒す。
KyOnさんのピアノソロに客席大喜び。元春のっしのっしと歩き回る。
続いての「インディビジュアリスト」「コンプリ」でも客席大歓声。
「約束の橋」。「今までの君はマチガイじゃない」の歌詞がぐっと来る。
続いて「知ってたら歌って欲しい」で「サムデイ」。続いて「ニューエイジ」
客席大合唱。これは凄い光景だった。若い客も一緒になって歌ってる。

そして「もっと踊りたいだろ?」の後「国のための準備」!!!
元春、藤井クン、KyOnさんエレキ鳴らしステージ上で暴れまわる。客席叫ぶ!
そして、ここでアンジェリーナ!!!客席大喜び!!
最後は「I Love You、You Love Me」のコール&レスポンスでエンディング。
元春は「次はグレートロックンロールバンド。サンボマスター」と紹介し退場。

新年元旦・・元春見れて楽しかったなぁ。色々抱えてたモヤモヤが吹っ飛んだ。
元春、藤井クン、ミヤジ・・見てて「自由にやれ!」「胸をはれ!」
って云われたようで・・・凄く元気が出ました。
ロックフェスは今回初体験。でも楽しいね、イイね。また参加したいです。

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おせち

2007年01月01日 | ノンジャンル

あけましておめでとうございます♪
今年は東京で新年を迎えました。
嫁が造ったおせちとお雑煮を今食べてます。

昼から幕張に元春、見に行きます♪
「元旦の元春」・・・なんか目出度いぞ♪



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