僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
コメント欄はモラルを守った上で御自由に書込みどうぞ。

夕凪の街 桜の国

2007年07月22日 | 日々の泡(日記)

こうの史代さん作のコミック「夕凪の街 桜の国」を今日、購入して読んだ。
来週から田中麗奈、麻生久美子主演で上映される映画の原作。

終戦10年後を描く「夕凪の街」、そして現代を描く「桜の国」、
ふたつの時代を生きる若い女性を主人公に物語は紡がれる。
舞台は・・・・「ヒロシマ」。

どちらの物語も直接的に「戦争」を描いてはいない。
原爆も書かれていない。描かれているのは、あくまでに「日常」「普通の暮らし」

その普通の生活に時折、はさまれる、戦争の想い出のシーンがとてつもなく重い、
痛々しい。

「夕凪の街」の主人公皆実は「戦争」で父や姉を失い、自分が生き残った事に
罪悪感を抱いている。

 「誰かに死ねばいい と思われたということ 思われたのに生き延びている
  いちばん怖いのは 本当にそう思われても仕方ない人間に自分がなってしまったこと」

皆実は「幸福になること」に踏切れない。でも、愛する男性にプロポーズされ
ようやく「希望」がみえる・・・でも。

いっぽう「桜の国」は現代が舞台。
七波、凪生の兄弟は2000年を生きる普通の若者。
母親は早くに亡くしている、母親も被爆者だった。

ここでも普通の生活が描かれる。時折父親の回想をはさみつつ。
被爆者に対する周囲の冷たい目をさりげなく織り込んで・・・。

七波は両親の昔のことを知り・・・つぶやく
 「凪生もわたしもいつ原爆のせいで死んでもおかしくない人間と決めつけられるのか」
 「わたしはたしかにこのふたりを選んで生まれてこようと決めたのだ」

この物語は戦後生まれのこうのさんが自分の産まれた「ヒロシマ」に向かい合って書いた。

読んで思ったのは・・・戦争が如何に「普通のくらし」を奪うか、ということ。
戦争は「終戦宣言」したから終るもんじゃない。

家族を失ったヒト、怪我したヒトは後の人生が変わってしまう。
地雷だの、特殊爆弾だの戦地に未だに傷跡が残り安全な生活を脅かされる場合もある。
戦争がなければ・・・背負わなくていいはずのことばかり。

時間が流れようが「戦争」に巻込まれたヒトたちにとって、まだ終わっていない。
まだその傷跡は残ってる・・・

それを「しょうがない」の一言で片付けていいわけがない。

昔、漫画「はだしのゲン」を読んで、とてもこわかった。恐ろしかった。
それ以来「戦争」の記録や本を読むことから目を背けてた。
「知らない・知るのはこわい」と逃げてるのもイケナイ気がする。

この作品はそんな「逃げてる」自分にさり気なく入り込んできた。
これから何度でも読もうと・・・そう思う。



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千駄木巡り

2007年07月16日 | 日々の泡(日記)

先週、行ったけど閉館時間で入れなかった「小石川植物園」に再度訪問。
お昼から嫁と二人で歩いて行ってきました♪

どんよりとした曇り空、でも空気がヒンヤリしてキモチいい。

千駄木の商店街にどっかで見たような名前の雑貨屋さんが。
当然「某バンド」とは何の関係もありません(^^;)ゞ


小石川植物園に入るとひたすら広がる緑。
植物園の中の資料館の前で寝転がる猫さんを見つけて挨拶。
ただ、猫さんは耳が聞こえないのか話かけてもジッとしてました。


猫さんに別れを告げて園内をひたすら歩く。
アジサイがまだ咲いていてキレイ。


木々に溢れ樹齢何百年というような大木もある。
澄んだ空気と緑に包まれて気分はリフレッシュ。
まさに森林浴。

ただ・・3時間歩き続けてそろそろ足腰が痛くなってきました。
谷中に寄りたかった処ですが疲労困憊でギブアップ(^^;

さっき帰宅して休んでます。
明日は筋肉痛に悩まれそう。今夜は酒呑んだらさっさと寝ます(笑。

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COYOTE

2007年07月13日 | 佐野元春

元春のニューアルバム、折りにふれ通勤のお供になる。
でも・・・いまだに印象が固まらない。

自分でこのアルバムを好きなのか?イマイチなのか?もハッキリしない。
曲も声も演奏も最高!・・・ホボキンの音でないのは残念だけど。
もっとハードなナンバーをイッパイいれてほしかった気もするが。
まぁそれはたいした問題じゃない。

好きな曲けっこうある。「折れた翼」「呼吸」「コヨーテ海へ」にはグッと来た。
幾つかの曲の歌詞には勇気付けられた。

ただ・・「TheSun」の時みたいに・・強い思い込みはもっていない。
少し距離をおいて眺めてる感じがする。

「TheSun」は待望のアルバムだった。
あのアルバムで描かれていた主人公たちに自分を重ねて聴いた。
「希望」「明日を生きよう」「地図のない旅」「太陽」は今聴いても熱くなる。

対して「COYOTE」の曲には・・思い入れを持てない。静かに向かい合ってる。

思い入れを持てないのは「TheSun」と違って
このアルバムには「救いがない」からだろう。
確かに温かい歌詞や希望にあふれたウタもある。

でも・・・「TheSun」で描かれた「残酷なさよなら」の先に、
「太陽が昇った」後に結局「変わらない現実」が待ってたことを・・・
いや・・・状況はもっと悪くなってる事を「COYOTE」は描いてる。
それがリアルすぎて・・・つらい。

聴いてて体温があがらない。平熱で聴ける、フラットな気分で聴いてる。
聴き終わった後・・・とりのこされたような放り出されたような気になる。

こんな感想持ってるのっておそらくオレくらいかな?みんな大絶賛だしね。

いや、オレもイイアルバムだと思います。
ただ現在の自分のベクトルと重なりすぎてるというか・・・
聴いてて「逃げ場がない」っていうか・・・

すごい厄介なアルバムだ。もうすこし聴きこんでみよう。

ツアーの予定は発表されていないけど早くライブをみたい。

「コヨーテ海へ」がライブでどう聴こえるのか?響くのか?

それを早く知りたい。





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YMO

2007年07月07日 | ノンジャンル

今日NHKでYMOの特集番組があった。
正確にはYMOでなくHASなんだけど・・・。

でもユキヒロさん、教授、細野さんが揃うと「YMO」だよな。

5月に横浜であったHASのライブの放送もあった。
セットリストにビックリ!

「ライオット・イン・ラゴス」やったの!
「ONGAKU」!!おまけに「CUE」まで!!!
凄い!好きな曲ばっか!

秘蔵映像もタップリ。
3人がヘンなカッコしてライディーンを生演奏する映像には爆笑\(T▽T)/
この3人のユーモアセンス・・・・ホント、好きです。

それにしても教授・・・丸くなったなぁ。
昔はもっととんがってたのに・・・
ユキヒロさん、相変わらず枯れてる。
僕的にはやっぱ細野さん・・・存在そのものが「アート」してる。

この夏に日比谷野音でこの3人でライブあるみたい。
YMOの曲、また演奏するのかな?当然行けませんけど・・・

「BGM」や「テクノデリック」の曲やられた日にゃぁ・・
行かなかったこと後悔するだろうな・・・・
でも・・・やっぱ行かない。
YMOは自分の中ではもう終ったバンドだから。

たまに3人が一緒に演奏してる映像をテレビで見れれば十分満足。

次、テレビで一緒に演奏するときには「千のナイフ」やってね♪
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DSトレーニング

2007年07月04日 | 日々の泡(日記)

ボクはウチでゲームの類は一切しません。
RPG、マリオ等、過去いっさい手を出した事なし。
キライ・・というよりはハマると一日ゲーム漬けになりそうなので(笑。

嫁が買って来た「DSトレーニング」。
昨日初めてやってみたけど・・・既にハマッてます(^_^;)

「脳年齢チェック」は最初「80歳」だったけど、
今日やってみたら「60歳」まで上がってきた。

計算問題は昔「公文式」で鍛えたので結構得意。
ただペンで回答を書くと、字が汚くて、不正解になったりして(笑。

「常識力トレーニング」は1回目は散々な結果で
「知恵なし・社会性なし」との結果に。嫁はこれを見てオオウケ\(T▽T)/
「社会性」が著しく欠如してるのはゲームに指摘されるまでもなく
 わかっとるわい(-_-;

今日こなしたら何とか「知恵・社会性」の得点も上がってきて
「目上の人と話すときに緊張する」程度の常識力は身に付けた様子。

もう少しやりたかったけど、目が痛くなってきたのでやめました。
皆さん、ゲームは時間を決めてやりましょう(゜゜ )\バキ☆


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「No Way,No Place & My Home11「たしかめていてよ」

2007年07月01日 | ショートストーリー

たしかめていてよ ここにいると ほかになにもできることはないから
鈴木祥子「たしかめていてよ」

会議室のドアが開き、担当者が入ってきた。僕を見て少し顔をしかめた。
ここは人材登録会社。週1回、僕は人材募集の情報をもらいに来てる。
担当者は幾つかの資料を僕に見せて説明する。毎週お決まりの行事。
担当者は熱心に色んな会社を進めたが、僕の気のない返事にすっかり気分を
害し、黙り込んだ。僕は早々に打合せを切上げた。

僕は3月に20年勤めた会社を辞めた。担当案件でトラぶって責任を取って辞めた。
自分に非があったとは思えない。客先にも会社の上司にも問題があった。
関係者がお互いに責任を擦り付け合い、誰か責任を取らないと仕方ない状況だった。
僕は面倒臭くなって自ら辞めた。もう4ヶ月。そろそろ次の仕事探さなくちゃ。
帰宅するとユミが出かける処だった。トラブルがあったらしい。
ユミは人気のデザイナー。だから僕が気に入る仕事が見つかる迄ゆっくり休めば
イイと云ってる。ユミのコトバはウレシイが、男として少し情けない気もする。
深夜目が覚めて起きた。居間でユミが疲れ切った顔で缶ビールを開けている。
声をかけようとして止めた。翌朝起きたらユミはおらず、「仕事行ってます」と
書置きがあった。
午後から紹介された会社で面接。卒なく答えたけど、おそらくダメだろう。
その時携帯が鳴った。前の会社の部下だった。会いたいと云う。
待合せの店に行くと彼はいた。優秀な技士だったが例のトラブルで体を壊して入院。
その後彼も会社を辞めたらしい。「久しぶりです。ご無沙汰してスミマセン」
「こちらこそ」「退院したら倉持さん辞めてて驚きました。」「会社にも君達にも
にも迷惑かけたからね、責任とって」「倉持さんの所為じゃないですよ」
それから彼は本題を話し出した。彼は今知人と会社をやってる。僕に来て欲しい
との事だった。事業内容、プラン、条件、すべて魅力的だった。
「僕は君達を守れなかった駄目上司だ。その僕でイイのか?」彼は云った。
「倉持さんは最後まで僕らの味方でした。また一緒に働きたいんです。是非来て
 ください」彼は頭を下げると立ち上がった。
僕はボンヤリと座ってた。魅力的な話だ。ただ僕はもう「仕事する」こと
への熱意も情熱もなくしてた。それから僕は新宿の街をフラフラ歩いた。
歩道橋に昇り街を見下ろした。サラリーマンが歩いてる。みんな働いてる。
僕以外は。再び・・・あの中に入って働く気にはなれない。
どうしようか、これから。新しい仕事を探す気はもうない。ホントにどうしよう?
仕事もせず、ウチにいてユミに食わしてもらうのか?それはイヤだ。
「消えようか?」…と思った。このままどこかに行ってしまおうか?
ユミなら僕がいなくても大丈夫、一人でやっていけるだろう。

ただその前にもう1度だけユミに逢っておきたい。それから消えよう。
帰宅して、居間に入るとユミがソファで寝ていた。スーツ姿のままだ。
テーブルの上に野菜や肉が放置されてる。会社帰りに買物してきたのか。
ユミの寝顔を見てるうちに泣けてきた。ユミは仕事でトラブルを抱えてても
チャンと家事をしてる。仕事の愚痴も言わない。なのに…僕はどうだ?
僕はじっと動かず・・・ユミの寝顔を見たまま・・泣いていた。

翌日の夕方、駅の改札口で僕はユミを待ってた。ユミはここを通るはずだ。
今日、先方の社長と会った。意気投合し即採用が決まった。明日から出社する。
陽が暮れてきた。ユミが階段を降りて来た。僕に気付いてビックリした。
僕は云った「ただいま」「え?」僕はもう1度云った「ただいま」
ユミは吹き出した。「何それ?ヘンなの?」「いいんだよ、これで」
二人は歩き出した。「仕事決まった」「そう」ユミはまた笑った。

もう1度・・頑張ってみよう。それしか僕にはできないのだから。
そして、僕はもう1度つぶやいた。・・・「ただいま」・・と。

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