一般社団法人EIGC(エイジック) ♪♪ニュース英語・ビジネス英語の部屋

一般社団法人EIGC代表理事のブログ/ ニュース英語 北千里教室(大阪府吹田市)

情報処理スピード(2)背景知識があるかどうかが重要

2009-06-26 10:59:57 | ニュース英語・英語学習
多忙続きで、記事アップが遅れてしまいました。

前回は、しっかりしたリスニング力修得を目指すなら、リスニング訓練と同時に、
文法力、文の構造(Syntax)を理解できる力を身につけることが大切だと書きました。

この力は不可欠なのですが、

文法は分かるし、
読んだら分かる
読解スピードも速い
基本的な音はもちろんとれるし、
リスニングもまあまあできる

でも、早いリスニングについていけない、
TOEICなどで、もう一つ伸びない

と言う人は、リスニングスピード、というよりも、
一度、自分の情報処理スピードを見直してみるといいでしょう。

ここではまず、TOEICを例に考えてみます。

TOEICのPart3と4では、かなり早いスピードで会話やアナウンスが一度だけ流れ、
それに基づいて設問が3つ出されます。

速い英語は、1分間に発信される情報量が非常に多く、聞き取れていても、その情報を
消化する能力が追いついていない、というケースがあります。


情報を消化するのが遅いのは、能力がどうとかということではなく、
そういった分野の情報に、単に慣れ親しんでいないという原因が考えられます。

TOEICは、専門的ではありませんが、ビジネス系に偏った内容です。
社内での会話、製品開発、会議、広告、サービス、出張など、また海外に住んでいると話される可能性のある、
故障・不具合連絡、セールス電話の応対などの会話文などに慣れているかどうかで、
理解のスピードは変わってきます。

これらに慣れていない人は、この分野の理解が遅く、英語は聞き取れても、情報処理に時間がかかるので、
内容を理解している間に話はどんどん進んでしまい、記憶に残らないのです。

こういう場合は、英語ではなく、その分野の背景知識を増やすことで問題は解消されます。


日本語でも、ITが得意な人ならさっと理解できることが、
ITに弱いと、じっくり時間をかけて聞かないと理解できない、というのと同じです。

ニュースを聞いても、よく知っている関心の高いニュースなら、
意外とスピードがあっても聞き取れたりしますが、そうでなければちんぷんかんぷん、ということもあります。

英語も日本語も言葉ですから、その言葉の意味するところ―内容―が、
好みに合っているかどうか、という点もリスニングに大きく影響します。

こういう英語以外の点が、学習の妨げにならないように、
テーマ別・分野別に英語を学習していくことは、たいへん効果的です。



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聞き取れない3つめの原因は、文法と情報処理スピード(1)

2009-06-16 09:53:32 | ニュース英語・英語学習
聞き取れない理由として、1.単語の正しい発音、2.文章のリズムとイントネーションをこれまで挙げましたが、
3つめの大切なポイントは、

文法と情報処理スピードです。

「聞くのが苦手」と言う人の中には、文法と情報処理スピードが弱点になっている人がたくさんいます。


私自身は、20代後半から30代初めの頃に通訳の仕事もしていましたので、
そのためのトレーニングもしていました。

そのときに実感したことと、現在、指導しているときに実感することは同じです。


「聞き取れない」のは、音がとれない以上に、「意味が理解できないから」聞き取れない、
という状況が発生しているということです。

意味が理解できないから、聞き取れない、

一見、逆のように思うかもしれませんが、
これが、聞き取れない原因のかなりの部分を占めています。


聞き取れない人は、音が聞こえない、と思っていますが、
私たちが音を聞くときには、ある程度の先入観に基づいて音を認識しています。

聞き取れない、聞こえない人は、その先入観=正しい背景ヒントを理解していない場合が多いのです。


もう一度、前回の例文に戻ります。

A salaried worker, who used to smoke on the platform while waiting for trains,
says he has to accept the decision because it is a sign of the times.



この文を実際に音として聞いているときを再現してみます。


A salaried worker, <ポーズ> who


ここまで聞くと、会社員が(主語)のあと、ポーズがあって "who"が聞こえると、

あっ、関係代名詞で、ここに文の途中で、会社員の説明を入れるんだな、と分かります。(文法知識)

そして、"who"の後は、動詞を待ちながら聞くことになります。



used to smoke on the platform while waiting for trains,<ポーズ>



以前は(used toの意味、過去の習慣)、
電車を待っている間にプラットフォームでタバコを吸っていたんだな、この会社員は、

と理解できます。さて、ここで挿入部分に一区切りついたので、この後は、
「会社員は」の続き、文全体の述部にあたる動詞を待ちながら聞くことになります。(文法知識)



says he has to,,,,



"says he has to"は、非常に短く発音されます。
ここは、文全体の動詞が来ると、待ち構えて聞いていれば、"says"と聞こえるのですが、
そうでなければ、"says"の発音だけで、"says"だと聞き取れる人は、ほとんどいないでしょう。

「会社員が」の後の動詞が来ると予測していない状態で、これを何度聞いても、
まるで理屈とは無縁の「当てもん」に挑戦しているようです。

音をとろうと、何度も聞いても「スーパー超人英語耳」を持っている人でなければ、
どう転んでも聞こえません。
さらに、「スーパー超人英語耳」を持っている人でも、スピーカーに訛りがあったりしたら、お手上げかもしれません。
音だけで認識しようとするのは、土台、無理な話なのです。

つまり、文のしくみを理解できていなければ、いくら、リスニングの練習ばかりしても無駄だということです。

しっかりしたリスニング力修得を目指すなら、リスニング訓練と同時に、
文法力、文の構造(Syntax)を理解できる力を身につけることが大切です。


3つめの要因、文法と情報処理スピード。
次回は、文法知識ともう一つの要素が結びついた、情報処理スピードについてです。


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英語のリズムが2つめの要因

2009-06-11 09:25:30 | ニュース英語・英語学習
聞き取れない原因の2つめは、英語のリズムです。

英語のリズムやイントネーションが掴めないと、
2,3語が一つの単語に聞こえたり、聞こえない語が出るため、
文全体が掴めず、何を言っているのか分からなくなります。

前々回に挙げた一文をもう一度見てみましょう。

A salaried worker, who used to smoke on the platform while waiting for trains,
says he has to accept the decision because it is a sign of the times.




この文は、

A salaried worker, <ポーズ> who used to smoke on the platform while waiting for trains,<ポーズ>

says he has to accept the decision because it is a sign of the times.




文の区切りで一息つくので、小休止が入ります。
そしてまた一気に読み上げます。

また、
used to
while waiting for trains
says he has to


のように、意味のかたまりや、小さい語、その単語の意味(重要度)が低い to 、や he(主語の言い換えの代名詞) などは、小さく、短く発音されます。

つまり、他の箇所に比べ、音も小さく(低く)、早く発音されます。


こういう英語の性質に慣れていない、あるいは、そもそも気づいていない人には、


・早く発音されたところは、単語がくっついて、2,3語が1語だと思ってしまう
・小さく(低く)発音されたところは、音を認識できず、聞こえない



という事態が生じ、「聞き取れない」という結果につながります。

何度も聞いて、身体で覚えていくと同時に、このような英語の性質を知っていると、

あっ、今のところ聞こえなかったけれど、
文章の構造から考えると、heだったな、itだったな、it has だったな、"on" the platform だな、などのように、
聞いている間に、瞬時に判断できるようになります。


この英語のリズムやイントネーションと関連して、
前回書いた単語の発音にも大切なことがあります。

単語一つ一つにもご承知の通り、アクセントというリズムがあります。

単語を覚えるときにも、アクセントを意識して発音する練習をしましょう。
アクセントは、話すときにもたいへん重要なポイントです。


次回、3つめの原因は、「文法と情報の処理スピード」です。
これは、読解力にも密接に結びついています。


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単語は、発音しながら書く

2009-06-10 09:44:26 | ニュース英語・英語学習
この前の記事で読解とリスニングは比例する、と書きましたが、教室には、読解力はあるのに、
リスニングが弱い人が何名かいらっしゃいます。

リスニングが出来ない原因は、いくつかあります。


1.単語の音がとれない

そもそも、受験英語などで、読み書きに偏った学習をしてきたため、基礎力はあるのに、
正しい音声を聞く機会がこれまで少なかった方。

まずは、単語レベルで正しい発音が身についていないと、やはりリスニングは厳しくなります。

茅ヶ崎クラスで、Wordの発音を必ず毎回、行っていますが、これを家でも習慣にしてください。

特に、学生時代には、正しいスペルを覚えるために、正しい発音を無視して覚えてしまったりする傾向があります。

先日も、授業で、患者、patientを発音してもらうと、パティ・・・と発音してしまう受講生さんがいましたが、
こんなふうに覚えた経験を持つ方も多いと思います。

今から、この習慣を改めましょう!



単語のスペルを覚えるときには、書いて練習しますよね。

そのときに、

patientと書きながら、


口で、[peiʃənt] ペイシェント  と発音します。


そうすることで、スペルと発音が一致する訓練をします。


このようにして単語を覚える経験を積み重ねていくにつれ、スペルを見れば、
正しい発音が自然に分かるようになり、

また、音を聞いたときも、正しい単語がイメージできるようになります。


次回は、2つめの原因、英語のリズムについて書きます。



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リスニング力と読解力は、比例します

2009-06-09 09:19:42 | ニュース英語・英語学習
メッセージを伝えるときに、文を短くすると伝わりやすくなりますが、
かといって、短い文ばかりだと、伝える内容も淡白になってしまいます。

内容のある情報を伝えるためには、やはりある程度の語数が必要になるので、
ニュースなどの英語は、一文が結構長いものです。

A salaried worker, who used to smoke on the platform while waiting for trains,
says he has to accept the decision because it is a sign of the times.



このセンテンス、29ワードもあります。

茅ヶ崎英語 CLASS 1のニュースリスニング、56(7)の中から。

北千里教室では、CLASS1だけでなく、先日のクラス0.7の初回の授業でも、このリスニング練習を行いました。

基礎クラス、初級クラスといっても、茅ヶ崎英語では、かなり長いセンテンスを聞き取らなければなりません。

でも、このように長いセンテンスでも、基礎英語力があれば、聞き取るのは難しくありません。


A salaried worker, who used to smoke on the platform while waiting for trains,
says he has to accept the decision because it is a sign of the times.


これは、テキストUnit7,8で学習した関係代名詞を使ったセンテンス。

関係詞を使うと、一文の情報量を飛躍的に増やすことができ、とても便利なので、多用されます。


who used to smoke on the platform while waiting for trains,

主語と述部の間に、関係詞を使ったこの部分が、挿入されています。


本来、文の幹である、主部と述部は、A salaried worker...... says です。

A salaried worker says he has to accept the decision because it is a sign of the times.

あるサラリーマンが、こういうご時世だから、この決定を受け入れざるを得ないと言っている。

    the decisionとは、JR東日本が東京駅周辺のおよそ200の駅を禁煙にするという決定のこと。



このサラリーマンのことを、もう少し詳しく説明したのが、挿入されているこの部分です。

who used to smoke on the platform while waiting for trains,

以前は、電車を待っている間にプラットフォームでタバコを吸っていた


簡単な文の場合、音に慣れることで、リスニング力は伸びますが、
あるところまでくると、頭打ちになります。

それは、基本的な英語力が不足していて、長い文の構造が分からなくなり、
主部と述部を見失って、結局、聞こえた単語だけを頼りに、推測してしまうからです。


リスニングが伸びないと思っている人は、基礎文法と読解力に目を向けることで、
読む・聞くの両方の力が、比例して伸びていきます。


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