聞き取れない理由として、1.単語の正しい発音、2.文章のリズムとイントネーションをこれまで挙げましたが、
3つめの大切なポイントは、
文法と情報処理スピードです。
「聞くのが苦手」と言う人の中には、文法と情報処理スピードが弱点になっている人がたくさんいます。
私自身は、20代後半から30代初めの頃に通訳の仕事もしていましたので、
そのためのトレーニングもしていました。
そのときに実感したことと、現在、指導しているときに実感することは同じです。
「聞き取れない」のは、音がとれない以上に、「意味が理解できないから」聞き取れない、
という状況が発生しているということです。
意味が理解できないから、聞き取れない、
一見、逆のように思うかもしれませんが、
これが、聞き取れない原因のかなりの部分を占めています。
聞き取れない人は、音が聞こえない、と思っていますが、
私たちが音を聞くときには、ある程度の先入観に基づいて音を認識しています。
聞き取れない、聞こえない人は、その先入観=正しい背景ヒントを理解していない場合が多いのです。
もう一度、前回の例文に戻ります。
A salaried worker, who used to smoke on the platform while waiting for trains,
says he has to accept the decision because it is a sign of the times.
この文を実際に音として聞いているときを再現してみます。
A salaried worker, <ポーズ> who
ここまで聞くと、会社員が(主語)のあと、ポーズがあって "who"が聞こえると、
あっ、関係代名詞で、ここに文の途中で、会社員の説明を入れるんだな、と分かります。(文法知識)
そして、"who"の後は、動詞を待ちながら聞くことになります。
used to smoke on the platform while waiting for trains,<ポーズ>
以前は(used toの意味、過去の習慣)、
電車を待っている間にプラットフォームでタバコを吸っていたんだな、この会社員は、
と理解できます。さて、ここで挿入部分に一区切りついたので、この後は、
「会社員は」の続き、文全体の述部にあたる動詞を待ちながら聞くことになります。(文法知識)
says he has to,,,,
"says he has to"は、非常に短く発音されます。
ここは、文全体の動詞が来ると、待ち構えて聞いていれば、"says"と聞こえるのですが、
そうでなければ、"says"の発音だけで、"says"だと聞き取れる人は、ほとんどいないでしょう。
「会社員が」の後の動詞が来ると予測していない状態で、これを何度聞いても、
まるで理屈とは無縁の「当てもん」に挑戦しているようです。
音をとろうと、何度も聞いても「スーパー超人英語耳」を持っている人でなければ、
どう転んでも聞こえません。
さらに、「スーパー超人英語耳」を持っている人でも、スピーカーに訛りがあったりしたら、お手上げかもしれません。
音だけで認識しようとするのは、土台、無理な話なのです。
つまり、文のしくみを理解できていなければ、いくら、リスニングの練習ばかりしても無駄だということです。
しっかりしたリスニング力修得を目指すなら、リスニング訓練と同時に、
文法力、文の構造(Syntax)を理解できる力を身につけることが大切です。
3つめの要因、文法と情報処理スピード。
次回は、文法知識ともう一つの要素が結びついた、情報処理スピードについてです。
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3つめの大切なポイントは、
文法と情報処理スピードです。
「聞くのが苦手」と言う人の中には、文法と情報処理スピードが弱点になっている人がたくさんいます。
私自身は、20代後半から30代初めの頃に通訳の仕事もしていましたので、
そのためのトレーニングもしていました。
そのときに実感したことと、現在、指導しているときに実感することは同じです。
「聞き取れない」のは、音がとれない以上に、「意味が理解できないから」聞き取れない、
という状況が発生しているということです。
意味が理解できないから、聞き取れない、
一見、逆のように思うかもしれませんが、
これが、聞き取れない原因のかなりの部分を占めています。
聞き取れない人は、音が聞こえない、と思っていますが、
私たちが音を聞くときには、ある程度の先入観に基づいて音を認識しています。
聞き取れない、聞こえない人は、その先入観=正しい背景ヒントを理解していない場合が多いのです。
もう一度、前回の例文に戻ります。
A salaried worker, who used to smoke on the platform while waiting for trains,
says he has to accept the decision because it is a sign of the times.
この文を実際に音として聞いているときを再現してみます。
A salaried worker, <ポーズ> who
ここまで聞くと、会社員が(主語)のあと、ポーズがあって "who"が聞こえると、
あっ、関係代名詞で、ここに文の途中で、会社員の説明を入れるんだな、と分かります。(文法知識)
そして、"who"の後は、動詞を待ちながら聞くことになります。
used to smoke on the platform while waiting for trains,<ポーズ>
以前は(used toの意味、過去の習慣)、
電車を待っている間にプラットフォームでタバコを吸っていたんだな、この会社員は、
と理解できます。さて、ここで挿入部分に一区切りついたので、この後は、
「会社員は」の続き、文全体の述部にあたる動詞を待ちながら聞くことになります。(文法知識)
says he has to,,,,
"says he has to"は、非常に短く発音されます。
ここは、文全体の動詞が来ると、待ち構えて聞いていれば、"says"と聞こえるのですが、
そうでなければ、"says"の発音だけで、"says"だと聞き取れる人は、ほとんどいないでしょう。
「会社員が」の後の動詞が来ると予測していない状態で、これを何度聞いても、
まるで理屈とは無縁の「当てもん」に挑戦しているようです。
音をとろうと、何度も聞いても「スーパー超人英語耳」を持っている人でなければ、
どう転んでも聞こえません。
さらに、「スーパー超人英語耳」を持っている人でも、スピーカーに訛りがあったりしたら、お手上げかもしれません。
音だけで認識しようとするのは、土台、無理な話なのです。
つまり、文のしくみを理解できていなければ、いくら、リスニングの練習ばかりしても無駄だということです。
しっかりしたリスニング力修得を目指すなら、リスニング訓練と同時に、
文法力、文の構造(Syntax)を理解できる力を身につけることが大切です。
3つめの要因、文法と情報処理スピード。
次回は、文法知識ともう一つの要素が結びついた、情報処理スピードについてです。
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