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麻原彰晃の誕生 高山文彦

平成が終わろうとしているなかで出版された平成最大の社会事件とも言える「オウム真理教事件」の首謀者麻原彰晃の伝記。これまでそうした本をしっかり読んだことがなかったので良い機会だと思い、読んでみることにした。先日、関係者の死刑が執行されて、事件の解明が難しくなったという論評があったので、現在どこまで事件の背景が明らかになっているのかを知りたくなったのだ。おそらく、本書出版の背景には、そうしたニーズがあるという考えもあるのだろう。読んでみて、オウム真理教の権威付けに一役買わされたダライ・ラマの側近に取材するなどしっかりした内容で、かなりのことがわかってきていたことがよく理解できた。また、ヒヒイロカネと呼ばれる餅鉄というものが事件に大きく関わっていたことも初めて知った。ひとつ残念なのは、書かれた時期がかなり昔だったようで、地下鉄サリン事件などのことが全く書かれていないこと。事件の解明状況を知るには、この続きを読む必要があるだろう。(「麻原彰晃の誕生」  高山文彦、新潮文庫)

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