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亜愛一郎の狼狽 泡坂妻夫

著者の処女作を含む短編集。全ての短編が著者らしいトリッキーなトリックで楽しませてくれる非常にクオリティの高い1冊だ。謎の解明に繋がる証拠や伏線がいたるところに張り巡らされていて、それが伏線であることも読者にも丸わかりなのだが、それがどのような真相につながるのか、かなりミステリーを読んでいると自負している人にもおそらくわからないだろうというくらい意外性がある。私自身、おおよその謎が推測できたのは8編中2編だけで、後の6編は全く歯が立たなかった。これで著者の本は4冊目だが、まだまだたくさんの作品が未読であることが本当に嬉しく感じた1冊だった。(「亜愛一郎の狼狽」 泡坂妻夫、創元推理文庫)

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