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少女七竈と7人の可愛そうな大人 桜庭一樹

本書の作者の文体は一部の評論家から酷評されているようだが、私には、その文体からにじみ出る独特の雰囲気こそが作者の良さだと思う。まさに本書の後半は、その雰囲気が強烈ににじみ出ていて、中年男性としてはややたじろいでしまった。但しそれは、評論家が指摘するような文章の欠点ではなく、作者の想定する読者のイメージと読み手の私があまりにもかけ離れているせいだろうと思う。なお、読んでいる最中の楽しさという点では、本書よりも前に読んだ「青年のための読書クラブ」(2008年4月15日紹介)に軍配を上げたい。そちらの方が、私が作者が想定した読者層に少しだけ近いのかもしれない。
本書を読み終わったので、昨年から注目している桜庭一樹の作品のうち作者のオフィシャルサイトで「一般小説」に分類されている本は全部読み終わったことになる。これからは、次にどのような本が出てくるのかを楽しみに待つことになる。個人的には、「青年のための読書クラブ」のような明るい作品が読みたいのだが、作者の作風がシリアスな方に向かっているようなので少し心配である。新作を待つ一方で、作者の場合「一般小説」の他にもエッセイが数冊あるし、さらに文庫として発売されているライトノベルも20冊以上ある。現在、こっちにも手を出してみるかどうかを悩んでいるところである。(「少女七竈と七人の可愛そうな大人」桜庭一樹、角川書店)
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