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流浪の月 凪良ゆう

本屋大賞ノミネート作品。ある事件の当事者たちの心の内を克明に描写した小説だが、ストーリー、文章とも他の作品に例えることができないし、内容を簡単に要約しようと思ってもできない、まさに稀有な作品だと思う。世の中には当事者にしかわからないことがたくさんある。善意だと思いながら人を傷つけてしまうこともある。一般論や常識による決めつけがネットによって蔓延してしまう怖さもある。本書を読んでいると、こうしたありとあらゆる要素が要約を拒みつつ読み手に迫ってくる。初めて読む作家だが、他の作品がどのようなものなのかとても気になる。久しぶりに衝撃を受けた一冊だった。(「流浪の月」 凪良ゆう、東京創元社)
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