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フォア・フォーズの素数 竹本健治

著者の本はこれまで3冊読んだが、何となく捉えどころのない作家という印象が残っていた。本書はかなり昔に書かれた作品集とのこと。最初の方に収録されたいくつかの作品は、内容がよく分からないSF小説で、文章も読者を突き放すような感じがするものばかり。こういうSF感覚の作品は自分には合わないなぁと思いながら読み進めたが、表題作以降に収録された3作品は、大変面白かった。特に表題作はこんなことが小説の題材になるんだと感心してしまったし、ゲームの名前のついた作品も面白かった。捉えどころのない作家というこれまでの印象は、幅の広い作家ということでもあるのかもしれないが、自分にとっては合う合わないの両極端の作品が混在した作家ということのようだ。(「フォア・フォーズの素数」 竹本健治、角川文庫)

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