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臨終の不思議 志賀貢

父親を亡くしたのが2年前。直前の数日、万一に備えて病院の近くに寝泊まりしていたのだが、1日だけ自宅に戻って休息を取ったその日の夜半に病院から急変の連絡。タクシーで急行したが結局臨終には間に合わなかった。臨終、危篤と言っても本人には周りの音が結構聞こえているという話を聞いたことがある。あの時父親は自分がそばにいないことを知っていたのだろうか、などと今でも考えてしまう。そんなこともあって、実際はどうなのか知りたいと思って読むことにした。読んでみると、大半は著者のこれまでのキャリアから経験した出来事で、「なるほどなぁ」と、事実の重みを感じさせる記述が多かった。特に「臨終の間際でも音が聞こえているケースが多い」「病院以外のところで急死すると医師が死亡診断書を書けないことがある」といった事実は結構参考になる気がする。「七不思議」というほどの意外性はないが、十分ためになる一冊だった。(「臨終の不思議」 志賀貢、三五館)

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