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凍原 桜木紫乃

「終起点駅」でブレイク中の作者によるミステリー。謎解きを楽しむというよりも、北海道という土地の独特の風土と人々の暮らしを描いた純文学を読んでいるような感覚に囚われる本だ。最近、北海道の作家が再評価される流れがあるような気がするが、「終起点駅」を読んだ時は、本書の著者がそういう作家だとは全く気がつかなかった。本書のなかで言われているように、北海道という土地は、3代前の人が語った嘘が歴史になってしまうような土地だという。自分自身の記憶には全くないが、北海道は、子どもの頃に2年間だけ暮らしたことがある土地であり、その後つい最近札幌・小樽を旅行で旅するまで足を踏み入れたことのなかった土地だ。北海道の人たちが本書で描かれたような独特の感覚をどの程度共有しているのかは定かではないが、一度そういう目で北海道を旅行してみたいと思った。(「凍原」 桜木紫乃、小学館文庫)

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