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ワイルドサイドをほっつき歩け ブレイディみかこ

在英日本人作家のエッセイ集。著者夫婦の知り合いであるイギリス中年男性との日常生活の中での交流、その中年男性たちの生き様を明るいタッチで描写したエッセイが並んでいるが、そこで明らかにされるのは、イギリスの階級論、世代論(プラスお酒談義)をベースにした深い考察だ。イギリスにおけるEU離脱問題の本質が世代と階級の桎梏であるということが非常にわかりやすく解説されている。どのような階級、どのような世代が離脱に賛成し反対しているのか、目から鱗の連続だ。また、イギリスで、スピリチャルな要素を強調した「コンマリブーム」が起きているというのも初耳。とても面白くて為になる一冊だった。(「ワイルドサイドをほっつき歩け」 ブレイディみかこ、筑摩書房)
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