goo

消えた断章 深木章子

ミステリー作家の青年が老人ホームにいる元県警捜査一課刑事の祖父を訪ねて行くところから始まる本書。その青年が祖父を「ジイジ」と読んだりしていて、最初のうちはコージーミステリーの趣きなのだが、読み終えて行き着くところは、全く予想外のかなり凄惨な物語だった。しかも印象としては、大きなどんでん返しで全く別のところへ連れて行かれるという感じではなく、新たな事実の積み重ねで少しずつ少しずつ違うところに誘導されて行く。本書では、元刑事の祖父はほとんど活躍しないが、是非シリーズ化してほしい。(「消えた断章」 深木章子、光文社)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )