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イスラーム国の衝撃 池内恵

イスラーム国関連の本は本書で2冊目だが、本書は前に読んだ本に比べてかなり本格的な教養書という感じだ。前の本が最近の出来事に焦点をあてた判りやすい啓蒙書だったのに比べて、本書はイスラム教の歴史を遡って詳しくイスラーム国に至るまでが述べられている。話はイラクとシリアだけに止まらず広範囲に及んでいるし、登場する固有名詞も多い。その点で少し分かりにくいところもある反面、前書ではあまり書かれていなかったイスラーム国とアラブの春の関係が詳しく述べられていたりしていて、読んでいて発見も多かった。2冊がちょうどよい補完関係にあるように感じた。(「イスラーム国の衝撃」 池内恵、文春新書)

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