みなさん、こんにちは。
今回の症例はどうでしょう。
では、診断推論をしてみよう。
感冒罹患後の耳痛であれば「急性中耳炎」を考える。
一方、耳掃除後の耳痛であれば「急性外耳炎」を考える。
これは、Post hoc ergo propter hocという前後即因果推論。
「AのすぐあとにBがおきた場合に . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
今回も症例を見ながら考えてみましょう。
生来健康。
1カ月前より37度台の発熱、左側頸部リンパ節腫脹とのことで受診。
表在エコーの診断にて「反応性リンパ節腫大疑い」であった。
しかし、指導医の推論では生検要となった。
生検の結果「リンパ節結核」の診断となる。
解説
この指導医の推論は、サットンの法則(Sutto . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
早速、本題へ。
直観的推論は無意識に行われる脳内シミュレーションで、迅速に行われる推論である。
無意識といっても、推論ルールや、ヒューリスティックス、クリニカルパールズを用いて行われる。
芸術的な推論とも呼べる。
エキスパートがよく用いる方法であり、これが決まればスナッ . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
今回は二例目です。
職業は風俗業。
風俗業でパートナー多数の女性のHIV感染の有病率は高い。
計算の便宜上、検査前確率を30%とする。
HIV抗体検査(ELISA法)の陽性尤度比は同じ20とする。
Fagan nomogramを使うと、このケースでは、HIV抗体検査陽性では、 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
今回からケースでみてみましょう。
日本人一般女性のHIV感染の有病率はかなり低い。
ここでは計算の便宜上、検査前確率を0.1%とする。
HIV抗体検査(ELISA法)の陽性尤度比LRを約20とする。
LR>10は診断について一般的によい検査といわれる。
. . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
Bayes定理は、条件付き確率の定理。
検査前確率と検査(操作)特性より、検査後確率を求めていくもの。
式ではこれだ。
Formula
=
events
=
probability of A given B is true
=
probabil . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
LT先生とは、Lawrence Tierney, Jr先生のこと。
クリニカルパールで有名な先生。
クリニカルパールはシステム1的であるが、LT先生はシステム2的な鑑別診断リストも頻用している。
これは、ケースカンファレンスなどでよく利用されるもので、VINDICATE-P というネモニクス。
. . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
五十音の最初の列はアイウエオ。
外国人では、AEIOUとなる。
これは語呂合わせでも同じ。
分析的推論は、意識的に行われる推論であり、さまざまなリソースを利用してなされる。
主要なリソースに、アルゴリズム、チェックリスト、Bayes定理な . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
臨床推論の現実を説明できる理論のなかでよく引用されるのが「2重プロセス理論」。
この理論は、推論者は直感的推論(System 1)と分析的推論(System 2)を使い分けて推論を行っている、とする。
脳科学的にみると、右脳と左脳の使い分けに似る。
右脳は直感的推論(System 1 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
三連休の前にちょっと長い内容になりました。
今回は、臨床推論についての論理学的考え方を紹介する。
まず、推論法の代表的な手法である、演繹法と帰納法についてみていく。
演繹法とは、一般的原理から論理的推論により結論として個々の事象を導く方法であり、代表的な手法に、大 . . . 本文を読む