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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

タヌキモ (タヌキモ科) Utricularia x japonica Makino

2022年09月23日 | 水生植物
古い池や沼地、水田などに生育し、水底には根を張らずに浮遊する多年生の食虫植物である。水中葉は細かく分かれ捕虫嚢をつける。花期は 7 ~ 9 月で、長さ10 ~ 25㎝の花軸先端部に小さな黄色い花を付ける。山梨県では生育地、個体数とも非常に少ない。本来のタヌキモは雑種起源の可能性が指摘されていたが、2005年のゲノム解析の結果母はイヌタヌキモ、父はオオタヌキモの交雑種であることが確認された。実際のタヌキモは個体数が少なく、山梨県に生育しているタヌキモは比較的個体数の多いイヌタヌキモの可能性が否定できない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)   2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR)  2017年環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)

    池のほとりに生育するタヌキモ 2022年8月 韮崎市で撮影

    水底には根を張らず浮遊している。

    水量が少なく一部空気にさらされているタヌキモ

    細い葉と風船状の捕虫嚢が見える。

    すくい上げて観察してみる。

    先端部。葉は細く細かく分枝する。捕虫嚢が多数付着している。

    中間部分

    捕虫嚢を拡大して観察。水のほかに中に何か入っているものがある。




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イトモ (ヒルムシロ科 )  Potamogeton pusillus L.

2022年09月23日 | 水生植物
池や沼地、流水中に生育する沈水性の多年草である。茎・葉ともに非常に細い。葉はすべて沈水葉で狭線形、葉柄は無く先端部は尖る。葉の内側に茎を抱く托葉がある。托葉は両縁が重なり合い、筒状にはならない。長さ1~2.5cmの花茎の先に、1まとまりにかたまって長さ3~5mmの花穂を付ける。花期は 6 ~ 8 月。山梨県では生育地、個体数とも限られている。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2017年環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)

    池の中に生育するイトモ 2022年6月 韮崎市で撮影

    水底のイトモ

    2022年8月 同じ場所で撮影。

    水量が少なく、葉の一部が空気にさらされていた。葉・茎とも細い。

    花穂が見えているが残念ながらフォーカスが合っていない。托葉の観察までは至らず。

    空気にさらされていたイトモ。この年は条件が悪かったのか花穂はほとんど確認出来なかった。



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ミズオオバコ (トチカガミ科) Ottelia alismoides (L.) Pers.

2022年09月23日 | 水辺に咲く花
 水田や泥湿地に生育する1 年草である。葉は水中にあり、葉の間から花茎を伸ばし、水面に径 2 ~ 3㎝の白色から淡紅紫色を帯びた3枚の花弁をもった花を開花する。花は一日花で、雄しべが 3 ~ 6 個、花柱が6 個あるが、いずれも黄色である。葉は、幼葉は線形だが成葉は葉柄が長く、卵状広楕円形、長さは10~30センチになり、縁は波状に縮れる。山梨県では水田や沼地の減少、除草剤の使用によって分布域、個体数とも減少傾向にある。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    水田に咲いたミズオオバコ 2022年8月 身延町で撮影


    沈水葉とミズオオバコの花


    花は淡紅紫色を帯びることが多い。


    ミズオオバコの沈水葉。薄くて柔らかく傷み易い。形は陸上のオオバコの葉に良く似ている。


    沈水葉と結実した細長い種


    稲刈り前の水が抜かれた場所に露出したミズオオバコ。 2022年9月 身延町で撮影。


    同上


 ➡山梨県の絶滅危惧の水生植物一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物

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