山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

テスト4:加重負荷 月と星の金ヶ岳一夜 

2011年04月02日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成23年3月26-27日

 萎縮した左腕の筋力はまだ全く戻った気がしない。夕方になると相変わらず左手を締め付けられるような痛みが襲ってくるものの、頻度も持続時間も酷かった1月に比べると格段に良くなった。この状態でテント泊の装備を背負って山に登れるのだろうか?茅ヶ岳の向こうにある金ヶ岳は眺望が良く、昨年1月にも一度山頂に泊っているがもう一度行きたいと思いつつも、悪天候や今回の頚椎症の影響などで計画しつつも行けなかった山だ。北杜市明野にあるふれあいの村から登ると2時間半~3時間くらいで行ける手頃な山になる。加重負荷テストを兼ねて、残雪の雪山フル装備、約17kgの荷物を背負って金ヶ岳に行った。
 行き慣れた山なので夜でも歩ける。どうせ写真撮影はほとんど夜なので、山頂6時到着の予定で明野ふれあいの村を午後3時に出発した。昨年10月の笊ヶ岳以来約半年ぶりのテント装備荷物だが、意外と重さは感じない。左手の調子も良さそうだ。最初はなだらかな登りだが、ところどころ急斜面あり、最後の登りは岩の混じる急傾斜となる。中腹過ぎたあたりで左腕のしびれ、というよりも筋性疲労といったほうが良いかもしれないが、だるくなってきた。しかし、斜面を登るには大きな支障はない。

    ふれあいの里側の金ヶ岳登山道から、いざ、出陣。約半年ぶりのテント山行。


    山頂の下300mの崩落地。八ヶ岳の眺望が良いが、この時間は大きな雲がかかる。


    茅ヶ岳と並ぶ夕暮れ富士  ここで日没を迎える。

 5時半、山頂まで300mのところの崩落地に到着。ここは富士山側と八ヶ岳側の眺望が抜群で、茅ヶ岳の右側に並ぶ富士山を見ることができる。もうすぐ陽が沈むが、山頂まで行かずにここで日没を迎えることにした。この日は冬型の気圧配置で強風吹き荒れる日だったが、低気圧が過ぎ去った後の夕方か夜には高気圧が張り出して風が止み、空が晴れてくる予想だ。心なしか風が収まり始め、富士山にかかっていた雲も晴れてきた。6時までここで待ち、富士山の残照が消えたところで山頂に登った。

    甲府盆地の夕暮れと茅ヶ岳  金ヶ岳北峰から。


    夕暮れの甲府盆地。低空にカノープスが輝いているはずだが、肉眼では確認できず。


    上の拡大図。低空の明るいオレンジ色の星がカノープス。一目見れば長生きできると言われている。

 6時20分、金ヶ岳山頂到着。町明かりが灯っている。素晴らしい甲府盆地の夜景だ。空にはおおいぬ座シリウスが輝き、夕暮れとともにその輝きが増して行く。ちょうど南中している冬の大三角形、その真下にはあのカノープスがあるはずだが・・・甲府盆地の町明かりに消えて肉眼では確認できない。一応写真に撮っておき、後にパソコンで確認すると、やはりカノープスが写っていた。この山からも条件さえ良ければ肉眼でカノープスを見ることができるのだ。7時過ぎまで夜景と星空を楽しみ、テント設営して夕食をとる。

    金峰山とうしかい座アルクトゥールス

 9時過ぎ、外に出てみると予想通り風が止み、星空が見えている。そろそろオリオン座が南アルプスに沈む頃だ。その前に金ヶ岳南峰からの甲府の夜景と金峰山が見たい。南峰からは角度が変わり、今度は富士山が茅ヶ岳の左手に見えるようになるのだ。10cmほどの雪が残る北峰と南峰の間を三脚担いで木の根っこにつかまりながら慎重に通過し、南峰頂上に立つ。甲府盆地の夜景がきれいだが、富士山は山頂が雲で隠れているようだ。金峰山は大丈夫のように見えたが、後にパソコンで見るとやはり山頂は雲がかかっていた。春の大三角形を撮ろうと思っていたのだが時間が遅く、また両側の木が邪魔して画角的にも難しそうだ。

    南アルプスに傾くオリオン座と冬の大三角形  北峰と南峰のコルから撮影。プロソフトンAフィルターを使用。


    こちらはフィルターを使用していない画像。星は小さいが山はきれいに映る。ハーフプロソフトンフィルターなるものがあれば良いのだが、残念ながら無い。

 オリオン座が南アルプスに傾いており、一角にある一等星リゲルが甲斐駒ケ岳に沈む直前で北峰に戻った。今回撮りたかった画像のひとつが、この南アルプスに沈むオリオン座と冬の大三角形だ。最近使っているプロソフトンという拡散フィルターを使ってみるが、星が大きく写るのは良いものの、山がボケてしまうのがどうにも気に入らない。もう一工夫必要なようだ。

    南アルプスに沈むオリオン座と冬の大三角形  金ヶ岳北峰から。


    北峰に設営したテントと星空。フライシートを持って行かなかったら、想定外に寒かった。

 電池3個持ってきたが、既に2個を使い切り残りは1個のみ。夜明けのために温存し、テントに戻って10時半、シュラフにもぐり込んで寝る。久しぶりの山の上は思った以上に寒かった。
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まだ見たことの無い花を探して 思親山

2011年04月02日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年3月20日

 昨年も花を探してこの山を訪れたが、時期が遅くてもう花は終わっていた。その花の名は・・・カイコバイモ。カタクリが咲く少し前に咲くこの花は、例年ならば3月中旬から4月中旬が花期になる。昨年は4月中旬で見られなかったので、今回は3月中旬に訪れてみた。大震災の後で燃料が不足する中、南部町まで遠征するのは気が引けたのだが、なんとしても一目この幻の花を見てみたかった。しかし・・・
 中部横断自動車道を使って車を飛ばすが、登山口の佐野峠まで片道1時間半近くかかる。内船駅から先の細い林道を対向車が来ないように祈りつつ、11時ごろ佐野峠に到着した。さっそくその花が咲くという場所に行き、目を凝らして土色の保護色をしたその花を探す。3度同じ場所を探したが、とうとう見つからなかった。気温の低い日が続いた今年は開花が遅れているようだ。カタクリの花も、スミレも全く見当たらない。

    霞む富士  佐野峠駐車場から


    林道を進むと、林業作業中の現場に出くわす。

 林道沿いにも同じような場所があると聞いていたので、登山道ではなくて林道を進む。途中で右に分かれる道があり方向からしてそちらが思親山山頂方向であろうが、花を探しながらあえてそのまま林道を進むと、林業作業小屋があり、その先にもずっと道が続いていた。日曜日なのに作業をしており、さすがにその横を通過して先まで行くのは気が引けてしまい、そこで引き返した。
 林道を戻って先ほどの分れ道を行くと、林道突き当たりに道標があり登山道(遊歩道)につながっていた。東海自然歩道から分かれるこの道も整備された良い道だった。山頂まで30分と書かれているが、普通に歩いて20分ほどで山頂に到着した。時刻は12時25分。

    林道終点から登山道(遊歩道)に入る


    思親山山頂。相変わらず富士は霞むが、雨が降らないだけまだ良い。


    山頂で舞っていた越冬型ヒオドシチョウ

 山頂から見る富士山は相変わらず霞んでいる。夕方から雨の予報なのでまだ見えているだけ良いのだろう。山頂の草むらを花を探して見回るが、まだ何も咲いていない。越冬して翅の痛んだヒオドシチョウが不思議そうに傍らに留まっていた。昨年来た時は少し花期を過ぎたカタクリの花がたくさんあったが、今年はまだ葉っぱすら出ていなかった。気温の低い日が続いた今年は花が遅れており、思親山の幻の花はまたしても不発に終わった。

    山頂付近の階段。この周辺にはカタクリの花がたくさん咲く。
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