スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(岡美穂子を御用学者という)

2024-07-28 10:57:52 | 日記
7月28日(日)
 弥助問題を分かりやすく解説している文章に、「『解説』なぜ黒人侍弥助が深刻な国際問題に発展してしまったのか?」というものがあります。初めて弥助問題に接する方は、これを見ると全体像が良く理解できると思います。この文章に岡美穂子の事は出てきませんが、彼女のような存在を御用学者と言い、こういう存在が日本を貶めてきたと痛感しましたので、それを述べます。

 岡美穂子がXに載せたものです。
『私の炎上を心配して下さった政府関係者によると、このような日本のネット社会のことが、とくにアフリカ諸国に知られたら、現在日本が進めているアフリカでの外交や事業に影響が出ることを、深く危惧しているとのこと。「歴史」を玩具にして、国益を損ねているものは果たして誰なのでしょうね。』
 最後の文章の意味を解説します。アサシンクリード・シャドウズでは弥助を剛力無双の侍として大活躍させています。それに対して多くの人がそれは史実と違う、弥助が侍であったかどうかさえ資料からは判断できないと、異議を述べているのです。そういう間違った黒人侍のイメージが世界に流布される事は、日本の国益を損ねるとの意見に繋がるのですが、岡はそれは政府事業に差し障りが出るから、そういう意見の方が逆に、国益を損ねると言っているのです。つまりは歴史の真実よりも政府の都合が大事だと言うのです。こういう事を言う人を御用学者と呼ばずして何と呼称するのでしょうか。
 在ザンビア日本国大使館のホームページには
『400年前、侍として訓練を受けた弥助が祖国に帰ることはありませんでしたが、今後は現代日本に学んだ21世紀の弥助たちが、両国の懸け橋としてモザンビークの発展に貢献してくれるものと確信しています。』とある。これは令和元年11月20日に出ているもので、何で隣国の在ザンビア大使館がモザンビークに言及するのかは分からないが、ここで日本政府が弥助をモザンビーク人だと紹介しているのは確かである。尤も弥助の出身地については諸説あると、慎重に注意書きはしているが。
 ここから考えるに日本政府はクールジャパンの一環として、アフリカ諸国に弥助をアフリカンサムライと紹介する事で、日本との友好関係を築きたい思惑があるのだろう。これが岡の『アフリカでの外交や事業』なのであろう。私は昔東大史料編纂所の本郷和人先生の講演を聞いたことがある。そこで先生は余談として、自分の奥さん(同じく史料編纂所に勤めている)が現上皇陛下の退位問題に際して、宮内庁から、退位した後上皇と呼んで良いかどうかとの諮問を受けたと話し、諮問料として数千円貰ったと笑わした。恐らく外務省は弥助について東大史料編纂所准教授の岡に、詳細を聞いたに違いない。で岡は、黒人侍で有名人だったと、答えたのだろう。それで外務省は東大准教授様のお墨付きを得て、あのようなホームページを作成したのだ。
 外務省としてはアフリカンサムライは外交上有効なツールになると思って、弥助の話をクールジャパンだと吹聴したと考える。また岡が多分推薦したロックりー本により、ロックリー風の盛り上げ話に沿った持ち上げを(弥助は最強の戦士で戦場で大活躍したとかの)して、アフリカ諸国にバラ撒いたのだろう。ところが弥助は侍ではなかったようだとの指摘がネットで出て、おい岡先生どうなってんだと、詰問されたのだと思う。そこでお菓子がロックリー擁護に出てきたという訳である。そう考えないとわざわざ東大准教授がこの話に参入した、訳が分からない。ちなみにお菓子の言い草は、南京大虐殺とか従軍慰安婦の嘘話成立に、繋がる言い草である。「南京大虐殺を否定する論調が中国に知れたら、日本政府が進めている日中友好事業が駄目になる、それは国益を損なう」とか「従軍慰安婦を否定する言論が中国に知れたら、日中友好が破綻する。それは国益を損なう」との論議と、全く同じではないか。南京大虐殺とか従軍慰安婦を否定しなかったため、或いは中国が言う虚を否定しなかったため、どれだけ国益を損なったか、岡は歴史学者のくせに思慮を巡らせられないのか。
 南京大虐殺は25万人しか居なかった南京市民を30万人殺した、或いは30万人殺したのに三ケ月後に調べたら、30万人の市民が生活していたというような、与太話である。従軍慰安婦として若い女性を軍が強制連行したなど、当時誰も信じない与太話である。だからこの種の話が出た時誰もが、そんな与太話などほかっておけば消える、と思って何らの手を打たなかったように思う。事の真実の究明より、日中友好を優先したのだと思う。しかしそれは全くの裏目に出た。中国は日中友好よりも日本をディすることを優先して、南京大虐殺も従軍慰安婦も意図的に、消えさせなかったからだ。だから外務省の思惑を優先して真実をないがしろにするのは、南京大虐殺とか従軍慰安婦の轍を、もう一度踏む話になると、深く危惧する人たちがいるのだ。岡が日本を貶めると私が言う所以である。外務省は岡の言う事を信じた、すいませんと、言いにくかろうと正直にアフリカ諸国に謝罪すべきである。嘘の上に成り立つ友好など、いずれ非友好に逆転すると、歴史に学ぶべきである。
 最後になるが私は内閣府が進めるクールジャパン運動が、本当に日本の為になるかどうか、大いに怪しむ。内閣府によるとクールジャパン運動は令和元年の9月に動き出したようである。目的として大きく3つ挙げられて、その3番目として『世界の「共感」を得ることを通じ、日本のブランド力を高めるとともに、日本への愛情を有する外国人(日本ファン)を増やすことで、日本のソフトパワーを強化する』と書かれている。志は良いとしても世界の「共感」を得るために、日本は世界に阿る手段を取るような気がしてならないのだ。
 アフリカンサムライが活躍したことにすれば、アフリカ諸国からは確かに喜ばれよう。しかし仮に将来モザンビークと密接な国交を持つ事になって、弥助は嘘だったと言わざるを得ない状況が生じたとき、一体どうするのだ。仮に正直に弥助は侍ではなかったと言ったら、国交が止まるような事態になったとしたら。或いはアフリカンサムライだとの嘘を続ければ、何かの事業が進まないという状況が生じたら。
 私は日本人は迎合性の強い民族で、多少の嘘なら無い事にして、相手の喜ぶ事を言って、日本ファンを作る、そういう悪手をするような気がしてならない。クールジャパン運動の実際の内実は、世界に迎合する事で「共感」を得る、そんな風になるような気がしてならない。