商店街における高齢者のたまり場に関する研究
—豊四季台団地内の商店街を対象として—
日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸) 2010年9月 李潤貞 西出和彦
1 はじめに
孤独死が社会問題の一つとして懸念される日本において、地域の文化、コミュニティーの中心だった、商店街本来の姿を取り戻そうという動きが出ている。
本研究では、地域の公共空間の一つである商店街が人々の居場所となるための計画的要件を得ることを目的とする。その手法として豊四季台団地内の商店街のパブリックスペースが高齢者のたまり場になっている事に注目し、そこでの行動観察を主とした実態調査を行った。
2 概要
この研究は、商店街における公共空間での空間状況、および人の利用活動の実態を調べ、商店街での公共空間の利用のされ方を把握し、行動と空間の関係性を探る事を目的とした。
3 調査方法
2009年11月3日~11月5日の3日間、9時~5時までの間、豊四季台団地内の商店街を対象に、その中でも地域住民の利用が多い団地内商店街のパブリックスペースで現地調査を行った。利用する人の性別、年齢を推測して記録し、5分ごとにその利用行動を記録した。
4 調査の結果
商店街のたまり行為は、6か所のベンチで多くみられた。また、3日間の利用状況は時間の流れによって大きく変わった。また、たまり場ではおしゃべり、タバコ、寝るなど、様々な行動が観察された。
5 まとめ
(1) たまり場の形成に、ベンチや椅子等の座る器具が重要な働きをする。
(2) たまり場の選択場所や利用時間等、男女の性別により利用実態の相違が大きい。
(3) たまり場では人間同士の交流が生まれやすい。
今後、アンケートやヒアリング調査などによる具体的な調査を進めて、仮説を検証する必要があると考えられる。
6 感想
たまり場に集まる男女の利用時間の違いなど、さらに詳しく調べてみるのもおもしろそうだと思った。
なぜ集まるのか、実態たまり場にいる人に直接調査することが必要だと感じた。
09fa055 副島眸
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