自閉症児の障害特性に配慮した教育空間の構造化に関する現状
—熊本県内の情緒障害学級における教育空間の構造化に関する調査—
日本建築学会学術講演梗概集 2007年8月 西島衛治
1 はじめに
特殊学級では少人数の学級で心理的にも安定した個別指導である。児童生徒の特性に合わせた環境での教育が行われているが、教育に当たっては自閉症の特性と指導法について十分な理解の元に行われるべきか、必ずしもそうではない事がある。
今回の報告では自閉症児教育とそのための教育空間の動向を把握し、今後の特別支援教育を含めた小中学校の生活に困難性を抱えた児童生徒を支援する環境整備の方向性を提示する事を目的とする。
2 調査概要
調査期間は、2006年8月から9月である。熊本県内にある情緒障害学級を設置した小中学校の175校を対象とし、78校から回答を得た。
3 分析方法
・アンケートにより、�療育分類の把握 �教育空間の明確化(構造化) を調査した。
・平面プランから、机、衝立、収納などからどのような構造化をしているか、もしくはしていないかを調査した。
4 まとめ
TEACCH(自閉症および近縁のコミュニケーション障害の子供のための治療と教育)プログラムを療養に用いる学級のある学校において、様々な構造化が検討されているが、費用のかかる固定壁による構造化までは至っていない。しかし、掲示物、机の配置、収納の他に児童生徒が「環境や状況を理解しやすい」構造化が導入されてきている。
今回の構造化の取り組みは、特別支援教育の環境設定にも応用できるものと思われる。
特別支援教育は軽度の発達障碍児を主な対象にしているが、児童の学習や生活をスムーズにするためには、構造化は非常に重要であると考えられる。
5 感想
自閉症児の通う教育空間において、TEACCHプログラムを取り入れている学級と、そうでない学級とでは、環境に大きく差が出ているように感じた。
自閉症児に必要な事は、なによりも理解しやすい環境づくりであると感じた。
09fa055 副島眸
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます