建築・環境計画研究室
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2018年日本建築学会賞(論文)を受賞しました。 建築学会のページ
受賞理由(審査委員会が書いてくださるもの),ざっくり業績紹介(学会サイトで公開されているもの)はそれぞれ公開されています。
受賞所感を書くための草稿(いろいろ考えたプロセス)は,たった900字の文章書くのにこういうことを考えてます,という記録のために,残してあります。
後年ご覧になる方のために,こちらに,学会賞に応募した梗概と,建築学会大会での受賞記念講演のプレゼンテーションを置いておきます。
初見の方には,後半のプレゼンテーションの方がわかりやすい・・というか,面白いと思っていただけるのではないかな,と思います。
(2019.09.10追記:2019年の建築学会賞(論文)は,東京大学・大月敏雄先生と,金沢大学・西野辰哉先生に授与されました。そのお二人が,「建築学会賞応募セミナーでもやろうか・・若手にどんどん応募して欲しいし・・」とおっしゃっていました。それはいいな!と思いましたので,こちらの記事に少し,この辺ポイントかな? と思うところを茶色の文字で,書き加えてあります)
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」」
梗概は,様式自由の10pで書くことになっています。
自由と言われても戸惑うので,審査員の皆さんが見慣れていると思われる,論文集の体裁で作成しました。最後に関連論文一覧を載せるのですが,ここがかなりボリュームがあると思われるので,ここを先につくります。本体として書ける分量を把握するためです。
学会賞(論文)には大きく分けて,
①それまでの(主に建築学会で公刊された)論文群が構成するストーリーを整理するアプローチ(まとめ系大人のドク論)
②それまでの活動や論考等を整理し,オリジナルな論文として書き起こすアプローチ(原著論文系大人のドク論系)
があるそうです。これは複数筋からの情報の整理です。
上記の応募論文は,①まとめ系大人のドク論,です。そのために一番大切なのは図1とその解説の,複数の論文群が一連の研究ストーリーとして整理されることでした。
そのため,図1に至るまでには何年も −というか,これは研究室での研究の全体像を説明するために使っていた図(思考)が変遷していくなかで至った図なので,研究室を構えてから10年間ずっと,ということになります− それら思い描いた研究の範囲と対象が網羅されるように,研究を蓄積してきました。
最初の頃からの説明の変遷は,研究室説明でたどれるのですが,2008年ごろ(5分野構成)から,2010年ごろ(分野と研究視点での2軸整理)で大きく変わっていて,これは研究室を置く大学が変わったタイミングに該当します。環境が変わるときに,自分がなにをやってきたか,これからなにをやっていきたいか,を改めて整理したんですね。ちなみに,直近(2019)の研究室配属では,この学会賞の時に整理した図を使っています。論文賞に応募することを通して,改めて,来し方行く末を考えることが出来たという経験は,非常に良いことだったと思います。
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2018年建築学会大会で,受賞記念講演の時間をいただきました。そのときのプレゼンテーションです。
受賞の内容(これまでのこと)をまとめたスライドは,もう学会サイトで公開されているので,これから何をどうしたいかの方の話に,時間を使うようにしました。これについては,先立つ2019.07の地域施設計画研究シンポジウムにて,これからの地域施設のすがたを考えるというパネルディスカッションがあり,そこで思考を整理できたことが,段階を踏んでまとめていくために,とても役に立ちました。ひとつの大きな潮流と,そこに連なる個々の研究の位置づけを考えられるように,なってきたのかなと振り返って思ったことです。
(それは結構・・かなり,長くなってしまって,そこから削るのに苦労したのですが・・)
これからやるべきこと,やりたいことを考えると,その拡がりの大きさに,めまいがするような気持ちがします。
その「さあこれから」の気持ちを一言で表すと 「なんて,ひろい,せかい」 。というのが受賞記念講演のまとめです。
昔読んだ科学漫画に,「宇宙はすごい速さで拡がっていて,今考えられている宇宙の地平に,光よりも速いスピードで一生懸命行ってみたとする。そうするとそこには,さらにそこまでの距離の向こうに膨張した,宇宙の地平が見える」というシーンがありました。だから,宇宙の果てには,行き着くことがないのだと。
そのシーンは結構印象的で,それを思い出しました。学会賞,取ったからって目標を見失ってボンヤリするような類いのものではなかったです。全然です。
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個別の論文に対する賞は,民間の財団等も含めていろいろあるのですが,建築学会賞(論文)は,たくさんの論文・論考をまとめること=自分がやって来たことやっていることの全体像を整理して伝えること,に重きを置かれている(上記,パターン①も②もです)ことが特徴的だなと,振り返って思います。
それは本当に,良い経験でした。
論文賞を取ることは全く目的ではないのですが,それを目指すことによって,自分が目指す研究の大きな流れが見えること,意識するようになることは,とても良いことだと思いました。
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2019.01 追記
この講演のこと,特に話していなかった父親(この間,余命告知が出るような病気が見つかりました)から,家族にそれぞれ一筆残しておこうということで,彼が言っておきたいことみたいな,書をもらいました。
滄海の一粟。そうかいのいちぞく。
この講演のことも,そこで思ったことも,話してないのにねえ,不思議なものです。
滄海の一粟:大海原に浮かぶ一粒の穀物。比較にならないほど小さい物のたとえ。また,広大で永遠に続く宇宙間における,小さくはかない一個の人間のたとえ。〔宗,蘇軾,前赤壁賦〕by 新版漢語林p.663
とのことです。
ちなみに私の名前(ひらがなで,あすか)は,父親がつけたのですが,明日香,飛鳥などと漢字を考えていたところ,字画を気にする祖母に占い師に見てもらうように進言され,候補の漢字を挙げたところどれも良くないという。そこで「ひらがなならどうですか?」と聞いたところ,占い師は「ひらがなだと,大器晩成ですね,若いうちは芽が出ません」と言う。
そこで,「大器晩成,いいじゃない,さいごに成るならそれがいいでしょ」と,「あすか」にしたそうです。
大器晩成,まだまだ滄海の一粟。もっと遠くに行けるということですねえ。
うわーっ!これは…たしかに感情が崩壊しますね。中小企業基盤整備機構のCM動画。/ 【感情崩壊】今日、部下が会社を辞める。 bit.ly/2OMFlAM pic.twitter.com/bnfv6Do61p
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2018年10月9日 - 08:19
衣装がエロいエロくないは置いといて、VRやARの話をするとき必ずといってよいほど「美少女」がセットになることについて、疑問に感じないほうがおかしいだろとも思う。何度も引き合いに出して申し訳ないけど、仮想世界でスカートめくりする以外… twitter.com/i/web/status/1…
— 岡田育10.17大阪 / Iku Okada (@okadaic) 2018年10月5日 - 00:21
どんなに言っても伝わらないんだよね…そういうもの
— やーや@怪獣の母 (@yayatomaritori) 2018年10月8日 - 19:14
私の娘は、誰かのちょっとした風邪がもとで肺炎になって命を落とした
娘のお友達は髄膜炎の後遺症でずっとリハビリ生活
この子達の時には、肺炎球菌やヒブはまだなかった
これがあったらと、何度も何度も思ったよ
「なんにも取りえがない人間が、ただ生きていても、なんにも責められへん社会、というのが正常です」(山田ルイ53世)というのは、けだし名言であるなあ。残念なことに、これからこの言葉の重みをもっとずっしりと感じる社会になってゆくだろう。
— 冬樹蛉 Ray Fuyuki (@ray_fyk) 2018年10月8日 - 16:09
「あっこれ進研ゼミで読んだことある」シチュが来たのでとりあえずE. キューブラー・ロス『死の瞬間』に始まる危機とグリーフケア関連書籍セットをバーッと読み直し。あぁこの言動ね、この心理ね、なるほど。を繰り返して、言葉と概念があること… twitter.com/i/web/status/1…
— やまだ (@yamada__asuka) 2018年10月9日 - 18:39
「普遍的モデルを知っていれば、個別の案件に際してそれがどのように特徴的かを捉え、その案件の個別性に即したケアを行える。(意訳)」けだし、その通り。
— やまだ (@yamada__asuka) 2018年10月9日 - 18:44