「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

「宝泉院」(ほうせんいん)

2006年10月24日 17時49分37秒 | 古都逍遥「京都篇」
 大原三千院を散策されると勝林院を訪ね、そしてその隣に佇む「宝泉院」を訪ねてみるとよい。山門を入ると法然上人が衣をかけたと伝えられる「衣かけの石」が目に入る。黒塀の上を見上げれば見事な枝ぶりの五葉松が美しく空を覆い尽くしている。幹はどのように・・・、急く気持ちで堂内に。
 手入れがよく行き届いた庭に左右に大きく幹が広がり、天に向かって主幹が伸びる。藤井住職に伺うと樹齢700年ほどで近江富士(滋賀県)を容どっているとのこと、京都市指定の天然記念物の一つである。

 「この寺の 竹の枝間を うちこして 吹き来る風の 音の清さよ」

 西側の庭園は「額縁庭園」とも称され、柱と柱の空間を額に見立てて観賞すると、竹林の間に間に風情豊かな大原の里が望まれる。
 当院は平安初期、比叡山に天台仏教を開いた最澄の高弟・円仁が唐に渡り、10余年間の仏教修行を終え、帰国した後、比叡山に密教、五会念仏など、また、その法要儀式に用いる仏教音楽「声明」を伝えたことに始まる。建造物は室町文亀2年の再建と伝えられるが、形式からみて江戸初期とも言われている。
 東側の庭園は「鶴亀庭園」と言われ、江戸中期の作で、池の形が鶴、築山が亀、山茶花の古木を蓬莱山に見立てた名庭で、部屋の中から格子ごしに見ると侘び寂びを漂わせている。

 交通:JR京都駅から京都バス17、18系統で大原バス停下車(約1時間)、徒歩2 0分。
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