最近、ネットで、「非難」という言葉を見かけた。
久しぶりだ。
いつしか、「非難」は見かけなくなり、
その代わり、「批判」が、転用された。
ところが、本来、「非難」と「批判」は、全然違うんだよな。
まず「批判」は、悪い言葉ではない。
もともとは、「比べて、判じる」意味。
要するに、「単に評価してみる」に近い意味だ。
逆に、「非難」は、
「相手のことをマイナス評価することだ」
つまり、こっちは、「完全に相手を、とがめている」。
「批判」が流行していたとき、
ヒット大地、あえて、「非難」を多用したんだ。
その理由は、もし「批判」が、「非難」の意味に使われると、
本来の「批判」を意味する言葉が、消えてしまうからだ。
(ただし厳密に言うと、「批評」などの言葉が存在するが)
だから今回、ネットで、「非難」を見かけてうれしかった。
ヒット大地も、少しは貢献したのかな?
同じようなことは、英語でも存在する。
たとえば、「in store」だ。
「販売中」のことを、一時「in store」と言っていた。
しかし、「in store」は「在庫がある」ということで、
「店にある」とは限らない。
従来は「on sale」が正しい。
こっちの方は、ズバリ「販売中」だ。
だからヒット大地、あえて、「on sale」を使った。
そのうち、「on sale」がまた使われるようになったんだ。
これもうれしいことだったな。
ヒット大地、それなりに英語が出来るので、
日本の中で、ニセ英語が反乱するのを、無数に見かけた。
でも、こちらはいくら注意しても、あまり変らない。
ところが、言葉は、誤用や転用は、
そのうち、「誤用や転用」が、一般化することもあるんだな。
面白いもんだ。
その例として、「他山の石」「隗より始めよ」「閑話休題」などがある。
「閑話休題」は本来、「元の話題にもどす」意味だ。
ところが逆に「ここらでひと休み」の意味で使われたりする。
180度、逆の意味だぜ。
英語では、inflammableは面白い。
本来は、「燃えやすい」の意味だった。
しかし、「in」が否定の意味と簡単違いする人が多く、災害が起こった。
それで、「燃えやすい」は、「flammable」を使うこととした。
詩人になりたかった竹久夢二は、
なにげなく描いたが、上手だった。
それで挿絵画家になった。
そういう例も、世の中には多い。
でも、言葉は、なるだけ、
本来の意味を大切にしたいもんだよなあ。
そうしないと、元の意味を表す表現が、なくなってしまうからね。