ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

なぜシステム開発に失敗するのかを、認知心理学的に考えてみる(その2:一般的な失敗箇所)

2006-02-01 17:09:05 | 一人勉強会

 前回のブログ、なぜシステム開発に失敗するのかを、認知心理学的に考えてみる(その1)の続き。今回は、認知心理学的な問題解決ステップと、開発のステップを対比させて、そのうち、すでに開発で問題になっているところは、どこか、それはなぜ、問題になるのかを書きます。




■■ 前回までのあらまし。

 認知心理学的には、問題解決は、良定義問題と不良定義問題に分かれる。
 システム開発は、不良定義問題の解決にあたる。
 この解決方法は、以下のステップで行われる。

●問題理解
 1.問題文の理解
    (文→状況モデルを作成する)
 2.問題に関係するところだけを選び出し表象する
    (状況モデル→問題スキーマ)
●実行
 3.その問題を解決する方法を見つけ出し、やり方を決める
    (問題スキーマ→行為スキーマ)
 4.その行為スキーマをもとに実行する


このステップをシステム開発にあてはめると、こんなかんじ
●問題理解
 1.問題(=要求)の理解
    (ヒアリング)
 2.問題に関係するところだけを選び出し表象する
    (ヒアリング→要求仕様作成)
●実行
 3.その問題を解決する方法を見つけ出し、やり方を決める
    (要求仕様→設計)
 4.その行為スキーマをもとに実行する
    (プログラミング、テスト)


で、こんかいは、そこから先の話。




■■ 古典的に言われている問題
 ここでも大きく、「問題理解」と「実行」に分かれていますが、この問題解決と実行の間にギャップがあり、このギャップがSDLCの断層といわれます。このギャップにおける判断ミスが、プロジェクトの失敗を招くとされています。

 つまり、お客さんの要求は聞いた。

 でも、その要求を満たすシステムに落とし込む(認知心理学的に言うと、問題スキーマから、行為スキーマへ変換する)ところにおいて、この変換過程は、自動的に行うことではないので、システムの落とし込みに無理があったり、要件をすべて満たすものに変換できなかったりなどでで、問題が起きるということです。





■■ で、認知心理学的に考えると。。

 しかし、認知心理学的に考えると、変換過程は、

・状況モデルを作成するところ
  ヒアリングでお客さんの話を理解する部分

・状況モデルから問題スキーマを生成するところ
  そのヒアリングの中で、システム開発上、重要な要件はなにか、抽出する

・問題スキーマから行為スキーマを生成するところ
  上記のSDLCの断層

・行為スキーマから実行のところ
  設計内容をプログラミングへ正しく落とし込めるか?

の4つがあるわけです。なので、それぞれの箇所について、問題は起こりえます。
(一番大きな問題は、たしかにSDLCの断層でしょうが)

 では、どういう問題がおこるのか?についてですが、それを考えるには、そもそも、これらの変換を、人は、どのように行っているのか?ということから、考えないといけません。
 ということで、その話題については、「その3」で触れたいと思います。
 (もしやれば)

ということで、今回はここまで。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なぜシステム開発に失敗する... | トップ | ケータイの場合、画面の見栄... »
最新の画像もっと見る

一人勉強会」カテゴリの最新記事