大阪で激安のスーパーは?と問えばほとんどの人はスーパー玉出と答えるでしょう。確かにスーパー玉出は店舗数の多さや価格の安さで知名度があり、ド派手なひまわり電飾の看板でも有名なスーパーです。
そのため近隣住民にとっては近くにあると助かる反面、店舗によっては24時間煌煌と輝く看板が迷惑でもあるというなんとなく切ない存在のスーパーです。
その本社の存在する大阪市西成区にはスーパー玉出とは別の激安のスーパーがあります。地下鉄四ツ橋線の花園町駅から歩いてすぐのところに鶴見橋商店街があります。その中核的な存在として「越前屋」というスーパーが居を構えています。こちらはスーパー玉出のように積極的な出店はボクが知る限りではしていないようです。
越前屋のすごいところは一般のスーパーでは売っていないようなマニアックな商品が充実しているところです。セレブを気取ってお高くとまったスーパーが輸入食材だけは豊富に取り揃えてるのとは違います。皮付きの豚肉なんて肉屋でもあまりお目にかかれませんよね。
その中でも特に青果と鮮魚がメチャメチャ安いです。魚は品揃え豊富で新鮮なうえ、一般的なスーパーの半値ぐらいで買えます。近所のおばちゃんだけでなく料理人までもがよく買いに来てます。
青果売場でもどこで利益が出てるのか不明なほどの値段がついています。大きめの桃太郎トマトが6個300円で売ってました。バラ売りでも安いので近隣の方でまだ行ったことがない人は一回行ってみてください。
ボクのお気に入り。惣菜売場のサバの味噌煮です。大きな鍋にタレごと入ってるのをおばちゃんに注文して個装してもらいます。とにかくデカイ、一つで150円です。この時期は夏も近いし脂の乗りは良くないかなと思ったら、そんなことはなくてとってもジュースィーでおいしくいただきました。
西成区は「物騒だ」「怖い」ととかく変なイメージを持って語られることが多いですが、住民にとってはここほど物価が安くて住みやすい所はないです。確かに頭のおかしなオッサンが時々ウロウロしていていますが、危害を加えられることもないので放っておけば済む話です。
そういうアジア的なカオスの渦がある一方、町中をレトロなチンチン電車が走り、それとは別に南海汐見橋線という名の利用者に恵まれないかわいそうな電車が南北に走っていてノスタルジックな気分が味わえます。
これは本来なら南海高野線だったのが、いつの間にやら高野線までもが難波駅発着になってしまい三日月湖的に分断された経緯があるようです。駅舎もホームも昭和初期の雰囲気を醸し出していて、いつ改築されるやも知れないので興味のある方は今のうちにどうぞ。
ボクは隣の区の出身なので厳密に言えば西成の子ではありません。ですが小さい頃はお金がなかったのでいつも天下茶屋の駄菓子屋や西成図書館で時間を潰していたのでここは一際思い入れの強い土地です。