社会人学生の遅れてきた学習意欲

実質的には、旅行フォトブログです

海運都市紀行3日目 台南―とにかくマヨネーズで和えたいの

2011年06月26日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
担仔麺を食べて赤崁楼前のバス停で安平行きのバスを待っていると、赤崁楼に立ち寄る団体旅行客がひっきりなしに後ろを通って行きます。中には多謝台湾サンドイッチマンに反応する人もいて、名刺大の紙に「台湾謝謝」と書いて首からぶら下げている爺さんが「私も同じのを作ってきました」と見せてくるということもありました。(小さすぎるので見てもらえてるのかは疑問ですが)

バスが1時間近くも来なかったこともあって、多謝台湾サンドイッチマンは多くの人の目にさらされたことと思います。たぶん千人ぐらいには伝わっているかと。





バスに揺られること30分で安平古堡に着きました。オランダの台湾統治の本拠地として築かれたのがこの安平古堡で、台南有数の観光地でもあります。





高台の上に砲台跡があったり物見櫓が組まれたりしていますが、これらは近年整備されたものでオランダが築城した当時のものではありません。





敷地内を見下ろすとこんな感じです。5月なのに32℃ぐらいある日の真っ昼間なのでメチャクチャ暑かったです。





塔の上に登ると多少視界は開けますが、特に何があるというわけでもないです。





高台の周囲にところどころ残っているこういう壁は昔のものだそうです。





安平古堡の周りにある安平老街をブラブラします。





裏通りに入っても手入れの行き届いた道がくねくねと続いています。





安平は牡蠣が名物なので蚵仔煎を食べます、50元(=150円)。蚵仔煎は台湾の屋台料理の定番で、一般的には牡蠣オムレツと紹介されることが多いですが、小ぶりの牡蠣の入ったお好み焼きみたいなもんです。





牡蠣と野菜炒めの上に台湾でよくあるプルプルのでんぷん質で作った薄焼きをかぶせて少し酸味のきいたソースをかけた料理、それが蚵仔煎。北京語読みよりも台湾語で「オアチェン」と言った方が通じます。

以前に台北で食べた時はソースの酸味がやたらきつくて受け付けなかったんですが、本場で食べると全ての味が調和していてとてもおいしかったです。





バスで台南站に戻ってきました。写真の建物はもう今や台湾のどの都市でも見かけるようになった新光三越百貨店の台南中山店です。





今どうなっているのか知りませんが、以前に利用したときには誰に対して言っているのか分からないのですが館内放送が日本語でなされていて、「なんじゃココは」と思いました。ちなみに「新光三越」を北京語で読むと「新婚さんYeah!!」と聞こえます。





この日は月曜日なので大東夜市に行くつもりをしていましたが、日中歩き回ったおかげで脚が痛くなったので台湾コンビニの調査もかねてコンビニ飯にしました。

まず1発目は滿漢大餐という名のカップ麺、53元(=160円)。サブタイトルには「葱焼豬肉麺」と書いてあります。





左からスープの素(粉)、レトルトパウチ、スープの素(ペースト)となっています。台湾のカップ麺でこれだけの小袋が内包されているのはかなりの高級路線です。





完成図。辛さはそれほどでもなく塩辛さもマイルドなので、その点で大陸のカップ麺にありがちなトゲトゲした刺激からはほど遠いと言えます。これはアリです。





続いてはおにぎり3連発。培根蛋沙拉(ベーコンエッグサラダ味:たぶん合ってると思います)、18元(=50円)。ベーコンと卵のマヨネーズ和えサラダ風ということのようです。





桃木燻雞(モモの木で燻したスモークチキン:たぶん合ってると思います)、18元(=50円)。スモークチキンをマヨネーズで和えたものが具として入っています。





雙餡 北海道鮭魚&美国龍蝦(ダブル具材おにぎり 北海道産サケと米国産ロブスター:たぶん合ってると思います)、27元(=80円)。鮭と海老のマヨネーズ和えが具になっています。はい、そうです。台湾のおにぎりは具を何にしようがマヨネーズで和えたがる傾向があるようです。





関東煮(おでん)。私の住む関西では台湾や大陸同様「関東煮(かんとだき)」と言っていましたが、最近ではめっきり聞かなくなりました。





飛魚卵福袋と鶏肉丸、15元と10元(=40円と30円)。あげ巾着の中にはキクラゲやにんじんなどの具が入っています。鶏だんごのほうは台湾でよくある鶏だんごですね。だしは日本のおでんだしを4倍に希釈したぐらいの薄さでした。





双茶花烏龍、25元(=70円)。





「日本ビーエイチエヌ株式会社特開専利申請 100%日本茶花」と謳っています。この「日本ビーエイチエヌ株式会社」というのが何物なのか分かりません。そしてどうやらこの文句によれば「茶花」というものを日本が台湾に輸出しているそうなのですが、茶の花を利用するだなんてウン十年生きてきて初めて聞いたものですからすぐに信用する気にはなれないのでした。あ、お茶自体はおいしかったですよ。





台湾啤酒、35元(=100円)。私はビールの味が分からないので論評はできません。裏面には「モンドセレクション金賞受賞」とか書いてあります。

海運都市紀行3日目 台南―台湾の神様、A Dios le pido

2011年06月19日 | 2011海運都市紀行




(前回の続き)
赤崁楼から見て道をはさんだ向かいに祀典武廟があるのできてみました。武廟とはまたの名を関帝廟ともいい、三国時代の関羽が祀られている廟のことです。





門を抜けるとすぐ本殿。創建年代が比較的古いので廟自体はこじんまりしており、各地によくあるドデカいド派手な造りのものとは一線を画しています。





ご本尊。跪いて祈願できるようクッション地の足おき台が用意されているのはどこもそうです。ここであれこれお祈りをした後香炉に線香を挿し、残りの線香を掲げながら3回ほど頭を下げるのが一般的な参拝スタイルのようです。線香を立てるための香炉が本尊の正面、両脇、向かいなどいろいろあって迷います。





どこの廟にも入口付近には管理人風の常駐している人がいるので線香くださいと言うと、この類のものは買うのではなくて付近にある喜捨箱みたいなボックスにお賽銭を入れれば勝手に持って行っていいとのこと。線香一袋なら額は10元(=30円)が相場だそう。

で、線香の近くにガス式の着火台(あるいはライター)があるのを知らず、紙銭を燃やす焼却炉で着火しようとしてたら、それを見かねた台湾人が親切にもライターで着火してくれました。線香の持ち手は着色料で染まりまくってるのでウェットティッシュ持参をおすすめします。





廟の奥の方には関平の像もあります。史実と演義で関羽の実子なのか養子なのか見解の分かれるところです。関興でなく関索でもなくなぜ関平なのか、これといった見せ場もなかったと思うのでその辺の人選がよくわかりません。





左にはこの世のものとは思えない真っ黒けの周倉像。いくら架空の人物とはいえこの黒さは何の意図に基づいているんでしょうか。









他にもいろいろな神々が祀られていてよりどりみどり状態です。





火徳星君。特定の宗教によるものではなく古来からの民間信仰での火の神様だそうです。ですので西遊記にも封神演義にも出てきます。





祀典武廟から出て東側に馬使爺廳という、武廟に比べればごくごく小さな祠があります。





中はたったこれだけで関羽を祀ってあるのは武廟となんら変わりありません。画像ではよくわかりませんが、実はここ関羽を祀っているのではなく、関羽が乗っていた名馬赤兎馬を祀ってあるのだそうです。





続きましては祀典武廟から歩いてすぐのところにある媽祖廟の大天后宮に来ました。媽祖とは日本ではさほど馴染みはありませんが、航海の安全を司る神様です。自分がたしか中学生の頃、国語の教科書に『媽祖の贈り物』という媽祖信仰を題材にした短編小説が収録されていたので、同じ教科書を使っていた人なら媽祖がどういうものなのかは分かっていただけると思います。





媽祖です。もともとは海に関することにご利益があったはずが次第に拡大解釈され始め、今となってはとりあえず何でも聞き入れてくれる神様化しちゃってます。









何の神様かわからないのから観音像まで神像は多岐にわたります。ここでも線香を振りつつ「再びこの地を再訪できますように……」とかなんとかお願いごとをしてきました。





媽祖廟を出て赤崁楼方面に歩いていると「結束中共暴政、鞏固両岸自由人権」と書かれた法輪功の横断幕が目につきました。中国共産党がなくなれば万事解決式のことを言う人がいますが、仮にそうなったとしても新政権が中国共産党と同じような暴政をやると思うなぁ。下水から食用油作ったり有毒なエビ洗い粉使ったりする下の方の人民のレベルがあれだけ異常だと。





赤崁楼の近くに度小月担仔麺という台南では有名な店があったので入ることにしました。





頼んだのはもちろん担仔麺(玉子入り)、60元(=180円)。担仔麺は知る人ぞ知る台南名物の小吃です。あっさりしていてお椀も小ぶりなので他のメニューを一品別に頼んでもいいかもしれません。

(つづく)

海運都市紀行3日目 台南―合格祈願も悪霊退散も黄色いお札

2011年06月05日 | 2011海運都市紀行




05/02 月曜日
滞在地:台南





台南は観光地でもあるので路線バスの系統が図で分かりやすく示されています。台南市内の主要な観光地には台南站から出ているバスに乗ればすぐに着くことが可能ですが、観光スポット間の近距離移動なら歩いてでも行くことは可能です。





南門路に面した「全臺首學」の門が迎えてくれるのは孔子廟。台湾全土にある孔子廟のうちで最も創建年代が古いのがこの台南の孔子廟なんだそうです。





敷地内はオープンスペースになっているので誰でも入れるようになっています。





市街地の真ん中にあるので広さはそんなにありません。





南には小学校の運動場が隣接しています。日本時代ここは台南神社があったということです。台湾にある日本人が造った建造物はどれも比較的良く保存されていますが、神社だけは例外で国民党から「神社は軍国主義の象徴である」と目の敵にされて徹底的に破壊され、今では全く別の建物がその跡地に建てられていることが多いです。





孔子廟自体は入場自由の無料ですが、本殿である大成殿に入るには入場料が要ります、25元(=75円)。





これが大成殿です。意外とこじんまりした佇まいです。





中では日本人観光客が個人で雇っているらしい日本語ガイドさんがしゃべっていたので、ありがたいことに横で説明が聞けました。そしたらそのガイドさんが多謝台湾サンドイッチマンに反応したようで「ワザワザ台湾マデ来テクレテアリガトゴザイマス」と言ってくれました。





どの建物の中にもこんな額が掲げられています。右側の見切れている「類」はおそらく「類無教有」だったと思います。





廟内の展示にはこのような楽器類が多かったです。もちろんこれは論語の「興於詩、立於礼、成於楽」にも見られるように、孔子が「楽」というものを重んじたからです。これを初めて聞いた10代の頃はなぜここに音楽が要件として挙げられているのか不思議で唐突な感じがしたのですが、今になってなんとなく意味が分かるような気がします。





黄色い紙に試験や学問にまつわるお願いごとを書いて貼るその名も「及第」ボード。「台湾」+「黄色いお札」=「キョンシー」を連想しますが、魔除けであろうが合格祈願であろうが霊的なお札は黄色と決まっているようです。

台湾でこういう類のお願いごとをする時は、一般的に皆さん名前はもちろんのこと住所や生年月日などの個人情報をできる限り克明に記して、場合によってはIDのコピーを貼付してお願いするのが普通のようです。ボクも受付で紙をもらってお願いごとを書き、判子をついてボードに貼り付けて願掛けしてきました。さぁ、どれでしょう?





願掛けを済ませて出ようとしたら受付のオバチャンが台南孔子廟のキーホルダーをくれました。





孔子廟から少し南に歩いて行くと府城南門公園があります。





大南門。清朝の乾隆年間に石造りに立て替えられたとのことです。





外側の門とこの内側の門の二重構造になっていてそこそこ堅牢な感じがします。





砲台のレプリカなんかもあります。取ってつけた感が満載です。





門の上の楼閣は近年になって再建されたのでピカピカです。

(つづく)