"Ninis" ponen en jaque a México
(メキシコを窮地に追い込む「ニニ」)
BBCのスペイン語PodCastを通勤時に聞いていたら、面白いニュースをやっていたので紹介します。学校にも行かず職にも就かずフラフラしている無業者のことを、日本では英国から輸入したニート(NEET)ということばで表しますが、これをメキシコでは「ニニ」というようです。「学校にも行かず、職にも就かない」(ni estudia, ni trabaja)の頭の"ni"を2つ繋げた新語で、音だけ聞けば何かかわいい感じのことばに聞こえます。
ニニが社会問題化している背景として、不景気→給料安すぎるか仕事ない→働くのがアホらしい→一日中ヒマ→やることない→金は必要→麻薬密売組織へ…という流れがあるようです。自宅警備員として過ごす日本のニートは、余剰労働力の無意味な消費として済んでいるだけなので差し当たって害はありませんが、メキシコの場合は余剰労働力であるニニは非合法組織に吸い取られて活用されてしまうところがなんとも深刻なところです。
記事はこの状況をメキシコにとって危機的であると指摘しているのですが、日本の場合はニートが徒党を組んで経団連に焼き討ちをかけたり、ヤクザがニートをスカウトしたりだとかそういうアクションにまで移っていないため、ニート問題は単なる失業率の増加という指標でしか語られてません。ボクはこちらも相当問題だと思います。
つまりニートの増加によって具体的にどういう犯罪が増えて社会不安が増大するという指摘がなされないため、他人事のように「仕事無くて気の毒ですね」程度の同情を呼ぶことはあっても社会全般的に危機意識が低いのではないかと思います。
さらに付け加えれば特に年寄り連中はニートに対して「怠け者」「やる気が無い」「ワシらの若い頃は…(以下苦労自慢が延々続く)」といった具合に色眼鏡をかけて語り、為せば成る式の精神論しか頭に無いのでニート発生の構造的問題についてまで考えてもらうことは期待できそうにもありません。市井の爺婆がこういうのはまだ理解できるんですが、政治に携わる人間にこのタイプが多いこと多いこと…