(前回の続き)
ホテルでしばらく休憩した後、台中公園からほど近い中華路で連日催されている夜市に出かけました。しかし、幸か不幸かこの日は旧盆で本来出店が並んでいると思しきところは全てこのようなお盆モードになっていて軽食屋台は壊滅状態でした。
お供え物がテーブルの上に山のようにうず高く積まれ、菜箸くらいの長さがある線香をそれに突き刺し、一族らしき人々がマイクを使ってお経をノリノリで唱和する、コレが台湾のお盆のようです。
中華路の交差点にはこんな特設ステージが設けられ、ライブ演奏が行われています。お盆というよりお祭りモードみたいですね。
80年代ディスコみたいな曲調のテンポにあわせてステージの子は歌っていましたが、聴衆の反応はただボーっと聞いているだけでした。
中華路でお盆を鑑賞していても仕方が無いので台中駅前から路線バスに乗って、台中最大の夜市と評判の逢甲夜市に来ました。逢甲大学の周囲を取り囲むように店が集まっているから逢甲夜市ということです。
何は無くとも生ジュース屋台。看板の文句の「逢甲夜市で一番おいしいジュース屋はココ!」が光ります。芒果牛奶、40元(=100円)をいただきました。
これは台湾のどの地方の夜市でもある屋台で、雞排(フライドチキン)の屋台です。焼烤雞排、55元(=145円)。このスタンダードな雞排以外に、チーズ味やキムチ味などいろんな味の雞排が流行りのようです。
注文が通るとフライしたものを焼き直してくれます。衣にはしっかり味がついており、私は肉自体よりもこの衣が好きで、炊きたてのご飯と一緒に食べたくなります。
焼きあがると一口サイズに切ってくれて、お好みでスパイス類のトッピングを頼めます。見た感じそんなに量はありませんが、実際食べてみると結構なボリュームです。
雞排で喉が渇いたのでまたジューススタンドで飲み物を買いました。今や日本でも見かける珍珠奶茶、30元(=75円)。ズルズルした食感を求めて飲んでいけば、知らず知らずのうちにお腹がチャプチャプになってしまいますな。水ものでお腹いっぱいになったのでバスでホテルに帰ることにしました。
今回の台湾旅行では積極的に路線バスに乗っていますが、右も左もわからない旅行者のバス移動の強い味方がコレ、悠遊卡(悠遊カード)です。今年は中華民国建国100周年記念ということで台湾観光協会が50元チャージ済みの悠遊卡を無料で配布してくれてました。
もともとこのカードは台北市周辺でのみ使えるカードだったのがエリアを徐々に拡大し、今年からは台中市でも使えるようになり大変便利になりました。さらに台中市での普及率を高めようと、バス乗車の際に悠遊卡で支払いを済ませると運賃が20元引きになります。
試しに台中駅前から逢甲夜市まで乗車したところ運賃は23元で、これから20元が割り引かれるので、カードの残額はたったの3元しか引かれていませんでした。運賃が20元以下であればすなわちタダということで、利に聡い漢民族もこれならすぐに飛びつくので普及はスムーズにいくことでしょう。
台北市であればMRTの駅でチャージできるので言語の問題はありませんが、台中市にはまだMRTがないのでチャージはコンビニでやってもらうしかなさそうです。「我要加値(jiazhi)」で正しいのかどうかわかりませんが、前文と希望金額を伝えるとコンビニの店員はちゃんとやってくれました。
加値(jiazhi:チャージ)はおそらく台湾華語です。現代語の漢訳の中でも最も優れた訳のうちの一つだと私は思います。「額を加算する」という意味と「charge」という音とを両方満足した名訳ですね、さすが台湾。