社会人学生の遅れてきた学習意欲

実質的には、旅行フォトブログです

台湾中部紀行5日目 嘉義―亜熱帯と熱帯の境目は赤い

2012年06月05日 | 2011台湾中部紀行




08/18 木曜日
滞在地:嘉義(省轄市)

今日もやけにいい天気です。嘉義は亜熱帯と熱帯の境目らしく、とにかく暑くてへばりそうです。





嘉義の市街地からタクシーで10分ほどのところに北回帰線標塔があるので行ってみました。標塔の前の道路には北緯23.5°を示す構造物があります。正確には北緯23度26分22秒を走っているのですが、毎年誤差があるとのこと。台湾ではこれより北は亜熱帯、南は熱帯という分類になっているそうです。





これが現在の北回帰線標塔(6代目)です。中は青少年向け科学館みたいになってまして、無料で開放されています。





旅行ガイドにはこれが北回帰線標塔であると掲載されていることが多いんですが、これは5代目の標塔です。





その横には初代から4代目までのレプリカが並んでます。





6代目標塔のエントランスはいかにも天文という感じの黄道十二星座やら二十四節気を図示したデザインです。





中に入って上から眺めるとこんな感じです。外はクソ暑いので出歩いている人はほとんどいません。





北回帰線は道路と45°ぐらいの角をなして走ってます。





標塔の中は地元の学校の生徒のものと思われる研究発表があり、チラッと見ただけでもそれがハイレベルな内容であることは私でも理解できました。ノーベル化学賞受賞者を生む背景には、こういう裾野の広さがあるからなのでしょう。





懐かしいイライラ棒。炎チャレに似た番組(パクリ)が放送されていたことでこちらでも知名度はあるようです。





標塔のすぐ裏手には台鉄の線路が走っています。ヤシの木がなんとも言えない南国感を出してます。

(つづく)

台湾中部紀行4日目 嘉義―鶏肉飯の口直しに魯肉飯

2012年06月04日 | 2011台湾中部紀行




(前回の続き)
阿里山の観光コースをグルっと回って神木まで来たのが前回までの話。バス乗り場まで帰ろうとしたちょうどその時に雨に降られ、少し肌寒くなって来ました。真夏の台湾なのに気温は19℃しかありません。





阿里山のバス乗り場周辺には土産物屋が数軒あり、そこでこんなわさびチップスを買いました、60元(=160円)。めちゃくちゃ鼻にズーンと刺激がきます。阿里山は冷涼な気候でかつ水がきれいなので周辺にはワサビ田が多く見られます。ちなみにワサビはワサビと言えばそのまま通じます。





瓶入りワサビ、100元(=260円)。しっかりツンとくるので刺身のときはこれが重宝してます。台湾のワサビはおそろしくハードです。





ミニバスで2時間かかって嘉義市内に戻って来ました。阿里山の涼しさがウソのようにムワ~っとした空気が充満しております。





昨日と同じく文化路夜市に来てみましたが、夕方18時というのは時間的にまだ早いのか、それほどお店も準備ができているわけではないようです。





嘉義の名物は鶏肉飯で、鶏肉飯と言えばまず紹介されてるのがこの噴水鶏肉飯です。鶏肉飯といっても嘉義では火鶏肉飯が標準形で、これは普通のブロイラーではなく七面鳥の肉を使用しているものです。





火鶏肉飯、40元(=100円)。おいしくないことはないんだけど塩気が足らないような気がします。自分で調味して食べるのかな。醤油かけたら何杯でもいけそうな感じです。





気を取り直して魯肉飯のチェーン店台湾魯肉飯へ。





魯肉飯、25元(=70円)と丸子湯、20元(=50円)。さっきの火鶏肉飯がウソのようにしっかり味がついていて美味しいです。





最後は夜市で買ってきたフルーツです。文化路夜市のフルーツ屋のおばあちゃんにパイナップル切ってと言うと「日本人か」と聞かれます。詰問調にも聞こえますが、日本語世代の台湾の年寄りは普通に疑問文として「(単語)+か?」と聞く人が多いです。こちらも例に漏れずただの感じの良いおばあちゃんでした。

台湾のパイナップルは何度も食べていますが概ね薄味です。スーパーで手に入るフィリピンのパイナップルのように香りも甘みもそれほど感じられません。形も細長くて緑色のものが多いので、そもそも別の品種なのでしょう。





こちらは龍眼2斤で50元(=130円)。本当はライチが食べたかったのですが8月はライチのシーズンとしては時すでに遅しのタイミングで、この頃にはライチの後を追うように同じムクロジ科の龍眼が市場に出回るのでこちらを購入しました。

大きさはライチよりも2回りぐらい小ぶりで、味はライチに似ているものの埃っぽいような独特の雑味があります。ライチよりも野趣あふれる味です。

台湾中部紀行4日目 阿里山―台湾の木に八つ当たりする神

2012年06月03日 | 2011台湾中部紀行




(前回の続き)
林道を抜けて視界の開けたところに寺院があったというのが前回までの話。林道はその先もどんどん続き、木の幹の裂け目までが道になってます。





ここからは超巨木エリアです。台湾の林野庁みたいなところがこれら超巨木を登録・管理してまして、それぞれに番号をふってあります。これは第三十三号巨木、樹齢は推定1500年だそうです。





こちらは第二十八号巨木、高さ43.5m、樹齢はなんと推定2000年です。あまりにもデカすぎて全てが収まらないため、こんな変な構図の写真になりました。





巨木エリアの周囲はこういった木製の歩道がありますので、安全に見て回ることが可能です。ただ、山道であることには変わりないので、標高が2000mを超えるこのエリアの階段でのアップダウンの繰り返しは、かなり足と心臓に負担がかかります。





映像として見る分には美しい林道ですが、途中から息切れを起こして景色どころではなくなります。これは老若男女問わず平地の生活に慣れている人なら誰でもハァハァ息が切れると思います。





巨木群桟道の折り返し地点にくると、少しだけ見通しの良い川にぶつかります。





ちょうどそこが阿里山森林鉄道の神木駅になってまして、このときは何やら土木工事をやってました。電車は走っていないので駅にいる人は休憩しているのだと思います。





再び巨木の道へ。これは第二十号巨木、高さは39mの樹齢は900年だそうです。他の巨木に比べれば若いような気もしますが、それでも平安時代に芽を出してる古さです。調べてみたらその頃は鳥羽天皇の御代です。京の町に夜な夜な徘徊するエイリアンを、検非違使たちがザックザックと埋めていた頃でしょうか。





全部紹介してるとリソースがなんぼあっても足らなくなるのでほどほどに端折りまして、これが第一号巨木、樹齢は1500年です。バオバブのようなデカさです。





こちらは今まで見てきた巨木とは別扱いの千歳檜です。千歳とはいうものの樹齢はそれの2倍のおよそ2000年。ヒノキってあの精油の成分もあって、虫に食われたりしにくいのでしょうね。だからこそこれだけ長生きしてるんじゃないかなと思います。





東京帝国大学農学部教授河合博士の功績碑です。森林調査から鉄道建設まで阿里山開発はこの人の尽力によるものということです。





その横には樹霊塔が建っています。当たり前ですが木にも命があるので(切られたら悲しいはず)伐採された木の霊を弔うための祈念碑です。いかにも日本人らしいモニュメントです。

日本時代に阿里山の檜が伐採されて本土の神社の柱などに使用されたことを以って、日本人が阿里山の自然を破壊し収奪し尽くしたという人もいますが、このような碑を見る限りおよそ収奪などと呼べる代物ではないように感じます。

事実、日本時代の50年で伐採された檜よりも、戦後の国民党時代に20年もかからないで日本時代をはるかに上回る数の檜が乱伐されたということからもわかるように、こういった批難はただ単に都合の悪いことを他人に転嫁して現実から逃げている者の作り話に過ぎないのです。





これが最後に紹介する巨木、その名も神木(2代目)です。先代は神木駅に植わっていたらしいのですが、神の怒りか1997年の香港返還の日に豪雨と落雷に直撃され真っ二つに裂けたのだそうです。オカルトは好きではないけど台湾の未来に対する警鐘のような意味を感じ取ってしまいますわ、おぉこわ~。

(つづく)

台湾中部紀行4日目 阿里山―山の上でも水は豊富

2012年06月02日 | 2011台湾中部紀行




(前回の続き)
軌道沿いに森を抜けると妹潭と呼ばれる池がありました。なんでも雨水と地下水によって自然にできた水たまりだそうです。山の上に水がたまるってすごいですね。





あちらが妹ならこちらは姉潭です。姉の方が妹より何倍も大きいです。四阿もあってのんびりできそうですが、あちらこちらで大陸の観光客がギャーギャー騒いだり走り回っているのでとてもそんな気分にはなれません。





姉潭の回りはこのような散歩道が整備されています。





大陸からのお客様がいっぱいいらっしゃいますが、遠目に見る分にはいい景色です。





水が豊富なのでコケ類やシダ植物もみずみずしくてきれいです。





玉の雫がキラキラしてきれいなんです。





お次はこちらの杉の木、四姉妹と言われています。写真では2本しか見えていませんが、実際には4本の杉の木が1箇所から仲良くニョキニョキ生えているので四姉妹なんだそうです。実際の姉妹がこんなに近接してたら、足の引っ張り合いやどつき合いで仲良くなんてしてられないと思います。





これは象鼻木といいます。どう見てもイノシシとかバッファローに見えるのですが象なんだそうです。





龍鳳配という木です。1対の木の幹が絡まり合っている姿が龍と鳳凰に見えるのだそうです。1分間イマジネーションをフル稼働してみましたが、結論は「何が?」





巨木だけではなく樹齢十年程度の木もそこここにあります。ちゃんと管理して伐採しているのでしょう。





この林道の木は全体的にどれも若いです。計画的に植林されたものだと思います。





森の奥に少し見通しの開けたところがあり、そこには受鎮宮という寺院がありました。山の上の森の中にこれだけ大きな建築物があることに驚きです。





中はごくごく標準的な台湾の寺院で、本堂には大量の大陸からの観光客がひしめき合ってました。べちゃくちゃ喋りながら長い線香を振り振り何やらお願いごとをしておりました。





受鎮宮から山道に戻ると小川が流れていました。





水量はそこそこあります。池も川もほんのりエメラルドグリーン色をしています。

(つづく)