水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

自己採点(2)

2019年07月12日 | 学年だよりなど
  2学年だより「自己採点(2)」


 楽天イーグルスで活躍中の高梨雄平先輩が受験したとき、たまたま面接を担当した。
 「将来の夢は何ですか?」という質問に、迷うことなく「プロ野球の選手になることです」と答えた顔を今も覚えている。プロスポーツ選手になりたいという「本気の」言葉を聞いた、最初で最後の経験だ。高校時代、あと一歩で甲子園というところまで勝ち進んだ。早稲田大学時代、リーグ戦で完全試合を達成した。それほどの投手でも、すぐにプロになれるほどは甘くなかった。
 しかし思うようにならないことは、人を成長させる。甲子園に出られなかったからこそ、いまの自分があると、高梨選手自身も語っている。


 ~ ……甲子園に行っていたら、燃え尽きていたんじゃないかな、とも思うんです。大学入学当初は「甲子園に行った人には負けたくない」というモチベーションにもなりましたから。うまくいかない悔しい気持ちが、いいところで生きていると思う。今考えたら甲子園に出られなかったから今の僕があるのかなと思います。もちろん、当時は、甲子園に出たかったですけどね。 (高梨雄平「わが思い出の高校時代」週刊ベースボール別冊夏星号) ~


 物事がうまくいっているときは、おかしているミスに気づけなかったり、見逃したままになったりする。それが結果的に大きな過ちにつながる場合がある。
 「チャンスのあとにピンチあり」「災いを転じて福となす」のいう言葉は、たんなるジンクス、ことわざではなく、合理的に説明できる状態を表すのだ。
 だから、早めに失敗しておいた方が傷口が浅いうちにいろんな手が打てる。


 ~ 万事が好調にいっているというのは、実のところ、あまり良いことではない。
 なぜなら、人は、物事が好調なときには、自分を変えようという気持ちにならないからである。 人は、失敗をするからこそ、「どこをどう改めればいいんだろう?」と反省するのであるし、成長もしていく。万事がうまくいっていたら、そういう気持ちにならず、よくて現状維持しかできないのだ。失敗することに対して、ビクビクする必要はどこにもない。
 むしろ、失敗したときには、「よし、これで次は大丈夫だぞ!」と自分に言い聞かせるようにするとよい。 (内藤誼人『人前で緊張しない人はウラで「ズルいこと」やっていた』大和書房) ~


 人生のきわめて前半を生きているみなさんは、今のうちに極力失敗を重ねておくことが、のちのち有利になるし、メンタルも鍛えられる。失敗は「+2点」だ。


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