水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「かしこ」になる(1)

2023年12月01日 | 学年だよりなど
3学年だより「かしこ」になる(1)




 何のために大学に行くのか。今さらですが。
 たくさん理由はあるが、シンプルに一つ言えるのは「かしこく」なれるからだ。
 いや正確に言うなら、かしこくなれるチャンスが与えられるからと言うべきか。
 大学に行かなくても、かしこくなって人は、もちろんいる。
 ただ、4年なり、6年なりの大学生活は、自分をかしこくしようと思うなら、きわめて効果的にかしこくなれる環境であることは間違いない。
 4年、6年、もしくはそれ以上通っていても、かしこくなれない人はもちろんいるが。
 そもそも「かしこい」とは、どういう人のどういう状態を言うのだろう。
 文筆家、岸田奈美さんのこんなツイート(X)を見た。




~ ラーメン屋の行列に並んでいた。京都の自宅へ遊びにきた母が「ラーメン食べとうて、しゃあない」と、眼をかっ広げて言うのである。母はたまに、そういう猛烈な天啓が下る。
 車いすなので、こぢんまりした店にはひとりでフラッと入れないからだ。
 ならば、どうしても食べさせたいラーメンがある! 京都の名店! 麺屋猪一! ~




 久しぶりに訪れた「麺屋猪一」は、行列はあるものの20分ぐらいの待ち時間に見えた。
 待っている間にメニューを見る。「1400円!!」
 たしか初めて食べたときは900円、去年1000円だった気がするが、なかなかの強気だ。
 観光で来た人、とくに外国人ならぜんぜん出せるのだろうと思いながら、張り紙を読む。
 材料費や燃料費など、いろいろ値上げで大変なのだろうと思いながら。
「お店の人員の不足が続いており、数社の媒体でスタッフを募集しましたが、飲食業界全体が採用難です。この先の未来をよく考えて悩み、4月に賃金の引き上げをすることにしました。おかげさまでスタッフも増えはじめ、お店に新たな価値が創造できるようになり、光が見えて参りました」
 人件費?……。でも「新たな価値」ってなんだろうと思いながら、少しずつ前に進む。




~ 順番がまわってきた。「あかん。入れへん」ガラス戸から店内をのぞいて、母が察した。
 店内にはカウンター席が半分、テーブル席が半分。車いすだと、テーブル席にしか座れないが、ちょうど全部埋まったところ。空くまで20分はかかる。
 空いてるのは、カウンター席ばかり。オーケーオーケー、もう慣れとる。こういう時は店員さんが「すみません、後ろのお客様を先にカウンター席へお通ししても良いですか」と言うて、譲ることも。慣れとる。車いすで食事するとは、そういうもんである。~

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