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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

運気を磨く

2021年05月10日 | 学年だよりなど
1学年だより「運気を磨く」


 「運」から遠ざかることも簡単だ。「大谷8項目」の逆をやればいい。
 人にあっても挨拶しない、感謝をしない、自分のことしか考えない……。
 たとえば、愚痴ばかり言っている人は、良い運気が下がっていく。
 なぜか。田坂広志氏は、三つの理由があると説明する。
 一つ目は、ネガティブな思いによって、仕事の集中力が失われ、本来の実力を発揮させないこと。
 二つ目は、ネガティブな言葉を発していると、周りの人がいやな思いをすることだ。
 なるほどと思う。イヤイヤやっていることは能率があがらないし、文句ばかり口にしている人と友達になりたくはない。そう思われている人の運気があがるとは、思いにくい。
 そして大事なのは三つ目だと言う。


~ 第三の理由は、実は、これが最も重要な理由であるが、人間同士のコミュニケーションの八割は、「ノンバーバル」(非言語的)だからである。
 すなわち、コミュニケーションには、「言葉で伝わるメッセージ」(バーバル・メッセージ)以外に、眼(まな)差(ざ)しや目つき、表情や面構え、仕草や身振り、空気や雰囲気といった「言葉以外で伝わるメッセージ」(ノンバーバル・メッセージ)があり、実は、後者は、コミュニケーションの八割以上を占めているのである。
 そのため、もし、ある人が、心の中に不安や恐怖、不満や怒り、嫌悪や憎悪といった「ネガティブな想念」を抱いている場合、表面的な言葉のメッセージでは、相手や周りにその想念を伝えていないつもりでも、言葉以外のメッセージで、その想念を相手や周りに伝えてしまうことは、しばしば起こる。
 そして、こうしたことが起こると、「ポジティブな想念」を持った人は、自然に、その人から離れていくことになり、直接、離れていかなくとも、心が離れていくことになる。
 さらに、逆に、この人の周りには、「ネガティブな想念」を持った人が近づいてくるため、結果として、様々な問題やトラブルを引き寄せることになる。
 実際、周りから「あの人は暗い感じの人だ」「あの人は冷たい感じがする」と言われるような人は、特に、ネガティブな言葉を発しなくとも、自然に周りから人が遠ざかっていくことは、しばしば起こっている。(田坂広志『運気を磨く』光文社新書)


 対比の法則により、どうすればいいかは明白だ。
 自分からあいさつをする、笑顔でいる、愚痴を言わない、不機嫌オーラを出さない。
 自分の心がけ一つで可能だ。これらを積み重ねるのは、勉強する、トレーニングするのと同じくらい、いや人生の土台を作るという意味では、それら以上に大切なことではないだろうか。
 夢を叶える、目標に向かっていく生き方とは、自分で運気をあげていく生活のことだと言える。
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「不均等な時間(内山節)」の授業(2)

2021年05月10日 | 国語のお勉強(評論)
6~10段落


6 たとえば上野村の人々にとっては、夕方の釣りも、春の山菜採りも、秋の茸狩りも、村人としての営みの流れの中にある。その季節が戻ってくれば、村人はその仕事をし、夕方が戻ってくれば川に竿を出す。もちろん畑仕事もこの循環の中に組み込まれている。ところが時計の刻む時間が価値を生む世界に身を置いた瞬間から、そのすべての関係が崩れ去ってしまうだろう。時間は経済価値を生む時間と生まない時間に分裂する。そして経済価値を生まなくなった時間には、別の意味が付与されなければならなくなるだろう。その意味とは、充実した生活かもしれないし、休息や余暇かもしれない。それにどんな意味を与えようとも、こうして時間は管理するものへと変わり、それは時間に管理されることと一対の関係になる。
7 伝統的な山村の暮らしの中では、時間は終わることも、区切られることもなく循環していた。仕事も暮らしも、その隙間に現れる〈 アソビ 〉も、すべてが途切れることなく山里の時間世界の中を流れていた。そしてその時間の流れが、そのまま村人の存在であった。
8 ところが時間を管理し、時間に管理されるようになった瞬間から、〈 時間は人間の存在から外化する 〉。時間は時計の音とともに客観的に動き続け、この時間にいかに対応していくかが人々に突きつけられる。かつては農民の営みとともに時間が作られていたのに、今では時間にいかに対応していくのかが、農民の営みになった。
9 上野村の人々が、「先進的」で近代化された農業経営の様子に感嘆の声を上げながら、決して〈 それをまねしようとしない 〉のは、時計の時間が価値を生む社会への転換が、山村の暮らしや人々の意識のすべてを変えてしまうことを知っているからであろう。少なくとも〈 そこ 〉に自分たちの存在の形がないことを、村人たちは知っている。
10 時間世界を変えることは、自分の存在を変えることであり、自分自身を別の人間に作り変えることである。


6上野村
  夕方の釣り・春の山菜採り・秋の茸狩り・畑仕事
    ∥
  循環する季節の中での営み
   ↑
   ↓
 時計の刻む時間が価値を生む世界
    ↓
  時間……分裂(経済価値を生む時間←→生まない時間)

7伝統的な山村の暮らし
  仕事・暮らし・アソビ……循環する時間の中
    ∥
 (上野村の)村人の存在(のあり方)
   ↑
   ↓
8(隣村・現代社会)
  時間……管理し・管理される
    ↓
  時間……人間の存在から外化
    ∥
  時間……時計の音とともに客観的に動き続ける
    ∥
  隣村の農民の営み

心理学用語【外化】
 ……自分の内にある不明瞭なものを、外に出すことによって可視化(認知可能なものに)する行為。

 例 漠然とした思い → 作品 
    おぼろげ → 形 …… 外化

 ※ 内部にある悶々とした思いを次元の高いものに変えて表現する → 昇華
    もやもや → 芸術 …… 昇華

9 上野村の人々
  「先進的」で近代化された農業経営をまねしない
    ↑
 r 時計の時間が価値を生む社会への転換
    →山村の暮らしや人々の意識を変えてしまう
      ∥
   そこに自分たちの存在の形がない

10 時間世界を変えること
    ∥
  自分の存在を変えること
    ∥
  自分自身を別の人間に作り変えること


「アソビ」について、

Q6「アソビ」の具体例を3つ抜き出せ。
A6 釣り、山菜採り 茸狩り

Q7「遊び」ではなく「アソビ」と片仮名表記されているのはなぜか、50字以内で説明せよ。
A7 労働と反対の意味での遊びではなく、循環する時間の中
   を生きる村人の営みの一つであることを表すため。

「時間は人間の存在から外化する」について、

Q8 63頁13行目「外化」と意味の似た言葉を11段落から漢字3文字で記せ。
A8 客観化

Q9「時間は人間の存在から外化する」とはどういうことか。50字以内で記せ。
A9 人々の暮らしや存在と一体化していた時間が、
   時計の数字で客観化され、
   人間の外部に存在するようになる。

「それをまねしようとしない」について

Q10「それ」は何を指すか、本文の言葉を用いて20字以内で記せ。
A10 隣村の「先進的」で近代化された農業経営

Q11「まねしようとしない」のは、上野村の農業がどのようなものであるからか。60字以内で記せ。
A11 近代的な時間の中ではなく、
   循環する時間世界の中で、
   自然と一体になった暮らしの一部として営まれる
   昔ながらの農業。

Q10「そこ」とはどこか、15字以内で抜き出せ。
A10 時計の時間が価値を生む社会
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