2学年だより「岩をよじ登る(2)」
「大学卒業まで10年間もやって、なぜできないんだ」という人に、鳥飼氏は「それはあなたの努力が足りなかったんですよ」と言う。わかりやすい。
「学校だってすべての面倒は見切れません。学校で教えるのは基礎です。それをもとにして、どう伸ばしていくかは自分しだいですよね」とも述べられている。
~ 齋藤 ある程度言葉の意味が分からないと、何も聞き取れないですよね。そういえば大学に入ってすぐのころ、FEN(Far East Network「極東放送網」)のニュースを聞き取るという授業がありました。でも、何を言っているのかさっぱり分からなかった。
これはまずいと思って、すぐにラジオを買いに行きまして。当時は、FENしか入らないというラジオがあったんですよ。それで一生懸命にかじりついたのですが、やっぱりよく分からない。考えてみれば、米軍にまつわる語彙を知らない以上、聞き取れるわけがないですよね。
鳥飼 そうそう、FENを聞くという勉強法が流行って、私もやりました。あれは各地の基地に駐留する米軍関係者向けの放送なんですね。軍事・防衛にまつわるニュースだったり、何日までにどうこうしろという指示だったり。一般の日本人がいくら聞いても聞き取れない内容があるのは当然です。
齋藤 それは、ロシア語をシャワーのように聞いても、何一つ分からないことと同じですね。結局、どんな勉強でも自分から掴み取るしかない。岩によじ登るような覚悟が必要だと思います。
鳥飼 そう、岩によじ登る感じですかね。英語も読んだり書いたり話したりしながらコツコツ勉強していくしかないですよね。 ~
勉強は、コツコツやるしかない。「岩によじ登る覚悟」で、必死にしがみついてにじり上がっていくしかないのだ。齋藤孝氏はアクティブ・ラーニングについても、こう語る。
~ 齋藤 主体的に考えて話し合うといっても、ただのディスカッションになっては意味がないですよね。あるテーマについて、お互いによく調べてきた上で議論しないと。それには基礎的な勉強が欠かせません。よく学校に対して「詰め込み」とか「知識偏重」といった批判が起こりますが、それはおかしいと思います。むしろ、もっと知識を偏重しなきゃいけない。あまりにものを知らないので、議論するにしても話にならないことが多いです。 ~
発音やイントネーションがきわめて流暢で、それでいて中身のない話は、むしろおバカに見える場合もある。自分の無知に気づかないまま「正しい説」を開陳する人の姿も、マスコミやネット上では山ほど見ることができる。
そういうイタい大人にならないために、今はひたすら知識を詰め込もう。どんなに詰め込んでも、脳のキャパは大丈夫だ。
「大学卒業まで10年間もやって、なぜできないんだ」という人に、鳥飼氏は「それはあなたの努力が足りなかったんですよ」と言う。わかりやすい。
「学校だってすべての面倒は見切れません。学校で教えるのは基礎です。それをもとにして、どう伸ばしていくかは自分しだいですよね」とも述べられている。
~ 齋藤 ある程度言葉の意味が分からないと、何も聞き取れないですよね。そういえば大学に入ってすぐのころ、FEN(Far East Network「極東放送網」)のニュースを聞き取るという授業がありました。でも、何を言っているのかさっぱり分からなかった。
これはまずいと思って、すぐにラジオを買いに行きまして。当時は、FENしか入らないというラジオがあったんですよ。それで一生懸命にかじりついたのですが、やっぱりよく分からない。考えてみれば、米軍にまつわる語彙を知らない以上、聞き取れるわけがないですよね。
鳥飼 そうそう、FENを聞くという勉強法が流行って、私もやりました。あれは各地の基地に駐留する米軍関係者向けの放送なんですね。軍事・防衛にまつわるニュースだったり、何日までにどうこうしろという指示だったり。一般の日本人がいくら聞いても聞き取れない内容があるのは当然です。
齋藤 それは、ロシア語をシャワーのように聞いても、何一つ分からないことと同じですね。結局、どんな勉強でも自分から掴み取るしかない。岩によじ登るような覚悟が必要だと思います。
鳥飼 そう、岩によじ登る感じですかね。英語も読んだり書いたり話したりしながらコツコツ勉強していくしかないですよね。 ~
勉強は、コツコツやるしかない。「岩によじ登る覚悟」で、必死にしがみついてにじり上がっていくしかないのだ。齋藤孝氏はアクティブ・ラーニングについても、こう語る。
~ 齋藤 主体的に考えて話し合うといっても、ただのディスカッションになっては意味がないですよね。あるテーマについて、お互いによく調べてきた上で議論しないと。それには基礎的な勉強が欠かせません。よく学校に対して「詰め込み」とか「知識偏重」といった批判が起こりますが、それはおかしいと思います。むしろ、もっと知識を偏重しなきゃいけない。あまりにものを知らないので、議論するにしても話にならないことが多いです。 ~
発音やイントネーションがきわめて流暢で、それでいて中身のない話は、むしろおバカに見える場合もある。自分の無知に気づかないまま「正しい説」を開陳する人の姿も、マスコミやネット上では山ほど見ることができる。
そういうイタい大人にならないために、今はひたすら知識を詰め込もう。どんなに詰め込んでも、脳のキャパは大丈夫だ。