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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

マシュマロ・テスト

2015年11月07日 | 学年だよりなど

 

   学年だより「マシュマロ・テスト」


  1960年代の後半、スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェルが一つの実験を行った。
 被験者となったのは、学内の付属幼稚園に通う4歳の子ども186人。
 子どもは、一人ずつ、机と椅子だけがおかれた部屋に通され、椅子に坐らされる。
 机の上には皿があり、マシュマロが一個のっている。
 実験者はこう告げて部屋を出て行く。
「そのマシュマロは君にあげる。すぐ食べてもいいけど、15分待つことができたなら、マシュマロをもうひとつあげる。待たずに食べちゃったら、ふたつ目はなしだよ」
 子どもたちの行動は、隠しカメラで記録された。
 どの子どもも、2つを手に入れるために、待つことを目標にする。
 しかし、30秒も待たずに手を出してしまう子もいれば、じっと見つめているうちにこらえきれなくなってくる子もいる。中には、自分の長い髪を目隠しにしてマシュマロが見えないよう工夫する女の子がいたり、なめるだけで我慢している男の子もいる。
 最後まで我慢して、2つのマシュマロを手に入れた子どもは、全体の4分の1だった。
 被験者が4歳の子どもであることを思えば、それぐらいの結果かなと感じるのではないだろうか。
 この実験はここで終わりではない。
 子どもたちは、その後十数年にわたって追跡調査が行われた。
 すると、1分以内にマシュマロを食べてしまった子は、その後の学校生活でもさまざまな問題行動が見られることが多かったという。
 逆に15分待てた子は、30秒しか待てなかった子に比べて、SAT(大学進学適性試験)のスコアが圧倒的に高かったのだ。


 ~ (この実験は)子どもの将来を予見する方法として非常にすぐれていることがわかりました。4歳児がマシュマロ・テストでどのくらい待てたかということが、その子どもの将来の学業成績や社会的な成功を物語っていたのです。
 いちばん長く待てた子どもたちは、10年後、人気が高くて成績もよく、ストレスにもうまく対処していました。また、学力検査(SAT)のスコアも高く、前頭葉皮質の機能を測定する神経心理学のテストでもよい成績を収めました。
 マシュマロを2個もらうために15分待てるかどうかということは、重要なことを示していたわけです。つまり不愉快なことをいっとき我慢して、長期的な目標を達成することができるかどうかということを。 (ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』大和書房) ~


 15分後に2つを手に入れるため、目の前の1つをしばらく我慢できるかどうか。
 たったこれだけのテストで明らかにされた個人差が、その後の人生をかなり正確に予言する。
 そして、その他の研究とあわせて明らかにされたのは、人生の成功に必要なのは、IQではなくセルフコントロールだということだった。
 大切なのは、「頭の良さ」ではなく、「自分を律する力」なのだ。
 みなさんは、2つのマシュマロを手に入れることができるだろうか。

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